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すべては子どもたちのために

協議会役割

協議会の3つの柱とその取り組み。支えあう協議会と理事会が果たす役割。

 

理事会の設置が、協議会の果たす役割を大きく変えました。ふたつの段階に分けて紹介します。

  1. 開かれた学校づくり協議会の第一段階(平成12年から平成13年)
  2. 開かれた学校づくり協議会の第二段階(平成14年から平成15年)
 

1.開かれた学校づくり協議会の第一段階(平成12年から平成13年)

足立区教育委員会が提示した、3つの柱(学校のオープン化、地域の学校化、地域参画と学校評価)と3つの取り組み(協議会、授業診断、学校評価)を参考に、五反野小学校の開かれた学校づくりの基盤を作りました。

当初は、学校のオープン化、地域の学校化、地域参画と学校評価と3つの課題ごとに分科会を構成して取り組みました。また、協議会の活動を広く理解してもらうため、協議の場面を他の学校関係者にも広く公開する拡大協議会を開催しました。

●学校のオープン化

学校の教育目標、教育方針、課題などの情報は、保護者・地域に積極的に公開し、さらに現在行っている授業や校内研究も十分に説明していくことになりました。これを進めていくのは、学校自身の課題ですが、校長は教職員の意識改革を促しながら、授業公開・診断などによる授業改善に積極的に取り組みをはじめました。こうした様子を広く伝えていくことは、この取り組みの中で最も重要な部分であると考えています。学校では「学校だより」「安心できる学校づくりニュ−ス」等を通じて保護者に学校での子どもたちの様子を伝えるとともに、学校への協力を呼びかけています。

もう一つの情報発信は、「協議会」による「開かれた学校づくりニュ−ス」の発行です。「協議会」の方針や活動等を掲載し、学区域内のすべての世帯に配布して理解と協力を呼びかけています。

特に現在はPTAとの一体的な活動に伴い、PTA広報紙と合同の紙面となったため、取材などの機動力が強化され、豊富な情報の掲載が可能となりました。

また学校の正門横に校内の様子を知らせる写真掲示板があります。子どもや教師の姿が説明入りの写真で紹介されていますが、これも学校のオ−プン化の意味合いからは大事な役割を担っています。

●地域の学校化

地域の学校化は、地域の一人ひとりが持っている子どもへの教育力をできるだけ集めて、その効果を学校の支援に結びつけることが目標です。そのために子どもを基本としたコミュニティづくりとともに、子ども自身にも地域の一員であることの自覚を持たせたいと思っています。この一環として、地域から授業協力ができる方を積極的にお願いしています。特に、英語、パソコン等をはじめ、区内の文化団体の指導者による授業協力者には、私達も大変感謝しています。

また「協議会」では、地域・保護者による交通安全指導も大切な活動と考えています。これは足立区が学童擁護員制度を廃止したことを契機に行っているものですが、交通ル−ルの指導もさることながら、地域の方々が登下校時に子どもに「あいさつ」の指導をしている姿はほほえましいものです。

一方、休日となった土曜日の対応はかねてからの課題でした。子どもが家族とともに休日を過ごすのが理想ですが、全部の子ども達がその環境にないのも事実です。子どものニ−ズが高く地域ボランティアによる指導が可能なものとして、1.パソコン教室 2.学習サポ−ト教室 3.囲碁教室 4.将棋教室 5.少林寺拳法の5教室が誕生しました。14年度後半より毎月第一、第三の土曜日の午前中に試行的に行い、15年度からは本格的に実施して、約400名の児童中、毎回150名ほどが参加し好評を得ています。

●地域参画と学校評価(外部評価)

「開かれた学校づくり」の中で、ひときわ期待と懐疑の目を向けられたのがこの分野です。まず、学校評価を具体的に行うためには、前段で授業診断を行うことが必要と判断しました。教師は、自分が評価を受けるのはあまり愉快なことではない。不安と一抹の抵抗感を感じながらのスタ−トだったと思うが「すべては子どものため」をよく理解して対応してくれたと思っています。

各評価項目の作成にあたっては、「協議会」の中の学校評価部会に校長・教頭を交え、再三の協議を経て実施しました。その後さらに的確な設問を求めて何度かの修正が行われ、15年度は別表の授業診断シ−ト(抜粋)を用いています。

「協議会」委員による授業評価は、足立区で導入した学校選択制度により取り入れられた学校公開日等(連続7日間)に、保護者を含めて1学期に1回の割合で実施しています。また、記名式の診断であるため、回収と集計は「協議会」が行い、その資料は学校理事会(詳細後述)に提出され、学校、地域、保護者代表の理事によって改善、検討が行われます。この授業診断では一定の数値を出すため、「する側」と「される側」との信頼関係が基本になければ、冷静な評価はできません。そこで、診断の後で両者による意見交流会をもち、そのための調整を行いました。授業診断は、学級単位から学年を超えて、学校全体へ波及し、学校総体の教育力の向上をめざすものと考えています。

現在では、教師から授業診断の前に、その授業のねらい等についての資料が提供されるようになり、授業診断はもう一つの壁を超えたような気がしています。授業診断を始めて4年目になりますが、以前と比べて児童が明らかに学力的にも、礼儀や明るさの面からも進歩の跡を見ることができます。さらに授業診断等を通じて、学校・保護者・地域による三位一体の努力により授業改善を図りながら、新たな成果を挙げたいと思っています。

学校評価は、こうした授業診断を基盤に、学校経営方針、教職員の意欲、施設管理状況などを年度末に総合的に評価しています。外部評価によって、さらに学校を元気づけるような配慮のもとに、改善を図るという考え方を「変化を促す」「長所にも眼を向ける」といった発想につなげることが必要です。

一方「協議会」委員の評価力を高めることも課題です。授業の見方や評価のポイント等のスキルアップを図るため、学識者を招き研修会を開催しています。

■授業診断シ−ト ※紙面の都合で要点に集約している

  • 保護者・地域・開かれた学校づくり委員用
  • 4段階の点数方式 5つの観点について各4項目 各20点満点
  • 裏面に自由記述欄を設けている

評価項目

1.教室環境
○教室内の環境が学習に適している
○掲示物や児童の作品が効果的に配置・掲示されている
 他2項目
2.準備・計画
○学習の目標が明確に示されている
○教師の授業に対する情熱が感じられる
 他2項目
3.学習指導技術
○授業はわかりやすく、子どもの意欲を引き出すよう工夫されている
○教師の話し方は適切である
 他3項目
4.児童への配慮
○教師は教室内の秩序を保つよう指導している
○教師は、児童の発言状況を聞いて、それに対応している
 他2項目
5.児童の授業態度
○児童は授業に集中している
○児童は、主体性をもち自らの考えや意見を発表している
 他2項目

※学校における「情報提供」と「外部評価」の進め方(教育研究所発行)に掲載した、大神田賢次開かれた学校づくり協議会長の原稿に一部加筆しました。

2.開かれた学校づくり協議会の第二段階(平成14年から平成15年)

文部科学省の「新しいタイプの学校運営の在り方に関する実践研究」に指定された、平成14年度からは、次のステップと考えられます。各町会長は、顧問として位置づけ、実践部隊との二層構造に位置づけました。さらに、協議会にPTA役員が入り、PTA活動との連携を図りました。一方、分科会を部会に再編成するとともに、協議会委員も37名に拡大しました。通常は、学校のオ−プン化部会、地域の学校化部会、学校評価部会ごとの活動が中心になり、別途定例的な全体会において各部の情報交換や全体調整等を行っています。

また、五反野小学校が、平成14年度〜16年度まで文部科学省から「新しいタイプの学校運営の在り方に関する実践研究」の指定を受けました。このため、開かれた学校づくり協議会に「地域運営検討委員会」を設置し、さらに、コミュニティ・スク−ル専門委員会を組織して、研究課題に取り組んできました。このときの提案が、学校理事会の設置を実現させました。

今後は、理事会と協議会のすみわけ等、実践研究のまとめに向け新たな課題に取り組みます。


用語:「授業協力者やゲストティーチャー(1.パソコン教室 2.学習サポ−ト教室 3.囲碁教室 4.将棋教室 5.少林寺拳法)」