4月7日(水)
平成22年度の入学式が行われ、99名の新入生が入学しました。おめでとうございます。
お忙しい中、多くのご来賓の方のご臨席を賜り、新しい門出をお祝いいただきました。
池袋中学校での中学校生活のスタートです。「知・徳・体」のバランスよい向上を目指して中学校生活を送ってください。
式辞
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。ただいま、一人一人の呼名で、立派な態度を見せてくれました。99名のみなさんは、今日から歴史と伝統のある豊島区立池袋中学校の生徒です。教職員、上級生とともに、心からお祝いいたします。
また、ご来賓の皆様方におかれましては、公私ともにご多忙の折にもかかわらずご臨席を賜りまして、誠にありがとうございます。おかげさまで、本日の入学式を、このように盛大に挙行できますことは、このうえない喜びであります。新入生、保護者、教職員に代わりまして、高いところからではございますが、厚く御礼申し上げます。
さて、新入生の皆さん、義務教育の仕上げとなる中学校生活の第一歩を、力強く踏み出したわけです。そして「児童」から「生徒」へと呼び名が変わりました。この呼び名の変化には、皆さんが一歩大人に近づいたことを自覚してほしいという社会からの大きな願いが込められています。
今日はアレクサンダー ロック ハートの逸話を紹介し、皆さんと一緒に『これからの心構え』について考えてみたいと思います。
サーカスの象は、ロープで杭につながれてじっとしています。杭を引っこ抜くだけの力を持っているのに、なぜその力を発揮して逃げ去らないのでしょうか?
答は、簡単です。
『自分には、たいした力がない』と思い込んでいるからなのです。
象は子どものころ、鎖で杭につながれて毎日を過ごしています。小さいのでたいした力がなく、杭を引っこ抜くことができません。象は、大きくなってからも、その思い込みにとらわれ続けます。調教師はそれを知っているから、鎖のかわりにロープを使って象を杭につなぎとめるのです。大きな象にとって、杭を引っこ抜くぐらい、たやすいはずです。しかし、象は『自分にはたいした力がない』と思い込んでいるから、何もせずにじっとしているのです。
これは人間にもあてはまります。『自分にはたいした力がない』と思い込み、自分で限界を設定して生活していると、本来の力を存分に発揮できずに過ごしてしまいます。
皆さんには、非凡な能力があります。それを発見して伸ばすことが大切です。『自分にはたいした力がない』という思い込みから自分を解き放ちましょう。
象が、巨木を引っこ抜く力を持っているのと同じ様に、皆さんも非凡な能力を持っています。そのことに気づけば、自分を信じることができます。それは、山をも動かす強い力となるのです。
本校の先生方は、皆さん一人一人のよいところを見つけ、その力を引き出し、さらに伸ばす手助けをしてくださるでしょう。
「安心して登校でき、満足して下校できる学校」本校のキャッチフレーズです。自分の能力を発見し、伸ばしていくためにも、本校での学校生活を通じて、様々なことにチャレンジしてください。そして「知」「徳」「体」のバランス良い向上を目指していきましょう。
さて、新入生保護者の皆様に一言ご挨拶を申し上げます。本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。私ども、教職員一同、お子様をお預かりした大きな責任を果たすべく、最大の努力をいたす決意でおります。この3年間は、義務教育の仕上げの大切な時期です。学校、家庭、地域が、ともに連携を密にし、子ども達がどうすれば幸せに生きることができるのかを追求し、大人の背中を見せて、子どもたちを立派な人間に育てていきたいと考えています。ご支援・ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
結びになりましたが、新入生の皆さんの今日の決意を表すような、高浜 虚子の俳句を一句贈り、式辞といたします。
「春風や 闘志いだきて 丘に立つ」
平成22年4月7日
豊島区立池袋中学校 校長 江川 登