最新更新日:2024/03/22
本日:count up32
昨日:85
総数:731158
校訓「正しく 明るく 健やかに」

行動が変わる

 今日の集会では,私がお彼岸に墓参りに行ったときのこととリフレーミングについての話をしました。

 一昨日の土曜日は秋分の日でした。秋のお彼岸の中日(ちゅうにち)でもあります。中日とは真ん中の日という意味で,お彼岸は中日の前後3日間と合わせて七日間です。お彼岸には,古くから墓参りをするという習慣があります。私も行ってきましたが,そのときに思ったことを二つ。
 さすがにお彼岸の中日ということで,多くの人が墓参りに訪れていました。すれ違うときには,どちらからともなく「こんにちは」とあいさつを交わしました。でも,中にはあいさつをしても「え?」という感じで返してくれないこともありました。改めて思ったのですが,全く見ず知らずの人でも,あいさつを交わすことによって何となく心が通じたようで,とてもうれしい気持ちになりますね。
 お墓によっては雑草がボウボウに生え,草むらの中に建っているかのようなお墓もあります。何らかの理由でそのお家が絶えてしまったのか,あるいは絶えてはいないものの,事情があって墓参りに来られないのかも知れません。ですから,これはけしからん,などとは思いませんが,なんとなくご先祖様が気の毒なような気がしました。
 さて,皆さんの前にコップがあり,水が半分入っているところをイメージしてみてください。これを見て「もう半分しかない」と思うか,「まだ半分もある」と思うか,どちらでしょう。
 保健室の壁に,「リフレーミング」について掲示されています。そこには,「リフレーミングとは『フレーム』をかえて見ることです」とあります。「フレーム」は,枠とか型といった意味です。「リ」は言葉に付けることで「変える」といった意味になります。「リホーム」などはその例ですね。コップに入った半分の水も,見方を変えたり状況によったりで随分違ってとらえられます。例えば砂漠の中でそのコップを見れば,「半分しかない」となるでしょうが,薬を飲む場面では「半分もある」となります。
 保健室の掲示では,人の性格について,短所と思われてもそれは短所とは限らない例がいくつか示されています。「頑固」という性格も,「一貫性がある」「意志の強い」「信念がある」という見方をすれば,長所となります。「臆病」についても,「慎重」「用心深い」「きちんとしている」と考えることができます。
 皆さんも,これから先,失敗したり苦しい場面に出合ったりすると思います。そして,落ち込んだり悲観したりすることもあるでしょう。失敗したことや場面は事実として変えることはできません。しかし,見方を変えることはできます。例えば,英語検定の合格を目指し,学校の宿題もこなしながら何日も一生懸命勉強したにもかかわらず合格できなかったようなとき,深く落ち込んだり自信を失ったりする人も多いでしょう。でも,そんなときこそ「こんなにも頑張れた」「今回勉強したことは無駄ではなく,次回に生かせる」「挫折を経験したことは自分にとっては大切な経験だ」といったように見方を変えることによって気持ちが楽になるでしょうし,さらに次への一歩を踏み出せるきっかけともなります。
 一つの事実に対してどのようにとらえるのか,どのように考えるのかによってその後の行動が違ってきます。事実が変えられないとしたら,その事実に対するとらえ方を変えてみましょう。
 また,自分や友達の性格も,短所と思っていたことが見方を変えれば長所となるのです。そうすることによって,自分や友達に対する見方まで変わり,よりよく付き合うことができます。
 「リフレーミング」をいつも心がけたいですね。

心の一時避難場所

 今日の集会では,ある会社の社長さんが北野たけしさんにインタビューしたときの内容について話をしました。

 昨日一昨日とせともの祭でした。美術窯業部やA組の人たちは,廉売市で一生懸命販売活動をしました。皆さんの中には,家族や友達と出かけた人もいるでしょうし,お祭りには行かず,部活動を頑張った人もいるでしょう。それぞれどのような休日を過ごしたのでしょうか。今日は月曜日。新しい週の始まりです。
 さて,皆さんは,北野たけしという人を知っていると思います。映画監督であり俳優であり,テレビ番組のコメンテーターとしても活躍しています。彼は,今から40年ほど前,ツービートというコンビ名で漫才師として登場しました。「赤信号,みんなで渡れば怖くない」という有名な言葉は彼らの漫才のネタです。(集会でこの言葉について聞いたところ,ほとんどの生徒は知らなかったようで,世代の違いを感じてしまいました)。これは,ルールを無視することを勧めているわけではなく,みんなでやれば気持ちが大きくなってしまうという,集団心理について言っているのだと思います。そんな彼に,ある会社の社長さんがインタビューした記事を読んだことがあります。
 社長さんはたけしさんに「現在と違う仕事をするとしたら,何を望みますか?」と聞きました。たけしさんは「プロ野球選手。しかもジャイアンツの4番で,デビューしてすぐに三冠王やMVPを何年も連続して取る,そんな選手を神様にお願いしたい」「でも,それではファンも自分も飽きてしまうから,スランプも経験し,こいつはもうダメだと世間から思われる頃に,復活して活躍する。こんなドラマチックな人生の演出も神様にお願いしたい」 こんなふうに答えました。そして「でも,それって,普通だよね。普通の選手だよね。神様にお願いしていない状態と同じだよね」と続けました。
 この社長さんは,会社の経営が苦しくなったときなど,このインタビューを思い出すそうです。そして,人間は100%の満足には絶対飽きが来ると思うし,自分は間違いなくそう言えると言っています。ですから,確かに自分も山あり谷ありの演出を望むかもしれないが,それは結局,今の人生そのものでしかない,ということです。
 私は,生徒の皆さんには,夢や目標を持ち,その実現を目指して日々努力を続けて欲しいと思っています。この努力が毎日をハリのあるものにし,それが皆さんを成長させてくれます。ですから,夢や目標をあきらめて欲しくないのです。しかし,現実はそうそう甘いものではありません。苦しくて投げ出したくなることもきっとあります。そんなとき,たけしさんのインタビューを思い出し,ちょっとした心の一時避難場所にして欲しいのです。そして,改めて気を入れ直し,夢や目標に向かって欲しいと思います。
 でも,ちょっと考えてみると,そんなことの繰り返しこそが人生そのものであり,普通のことなんですね。

2学期始業式式辞

 先週の金曜日9月1日に2学期の始業式を行いましたので,そこで述べた式辞の内容を載せたいと思います。

 暦の上では既に秋ですが,まだまだ夏がいろいろなところに残っています。しかし,今日(9月1日)はとてもさわやかな日になりました。雲一つない秋晴れです。夏休みの間,大きな事故や事件に巻き込まれたり,命に関わるような災害や病気にあったりという報告は聞いていません。皆さんがこうして元気に始業式を迎えることができ,うれしく思っています。
 先日の出校日当日,夏休みが残り2週間となったこの日になぜ出校日があるのか,その一つの理由は,そろそろ2学期に向けて気持ちを高めましょう,といった意味がある,という話をしました。皆さんどうでしょうか? 「さあやるぞ」「こんなことにチャレンジしてみたい」と気持ちを高めているでしょうか。中には「もう夏休みが終わっちゃって2学期かあ」と,気持ちが落ち込んでいる人もいるかも知れません。「サザエさん症候群」と言われる症状があります。日曜日の夕刻,「サザエさん」の番組を観て,土日の休みが終わり,明日から学校や仕事が始まると思うと,何となく憂鬱な気分になる,といった症状です。こんな症状が出ている人はいませんか? どんなに楽しいことでもいつか終わりが来ます。終わりがあるからこそ新たなことを始められます。新たなことを始められるから次へのステップに進むことができ,成長もあれば未来も開けます。押さえきれないほどの気持ちの高まりを持って2学期をスタートさせたいものです。
 さて,2学期は多くの行事に取り組みます。体育祭や文化祭,あるいは外部の方をお招きしての講演会など。体育祭や文化祭は準備が肝心。準備を通して学級や縦割り,学年の団結や絆が深まります。また,個々の能力も高まります。体育祭の応援合戦に向けては,3年生が既に準備を進めています。夏休みに登校して一生懸命取り組んでいる姿には本当に感心しました。この3年生の心意気を是非とも感じ取り,1・2年生も応援の準備に力を入れてください。
 講演会では,その分野のエキスパートや豊かな経験をお持ちの方からお話を聴きます。じっくりと耳を傾け,様々のことを感じ,考えて欲しいと思います。疑問点や意見を積極的に発言し,生徒の皆さん同士で互いに考えを深め,広げていけたらと思っています。
 行事はもちろん大切ですが,日々の活動はもっと大切です。授業や掃除,各種活動など。また,それらの活動の中で生まれる人との関わり。行事と日常が相互に影響し合い,人として大きな成長となるのです。
 今日は「二百十日」という日でもあります。これは,立春(今年は2月4日)から数えて二百十日目ということです。農家では,しばらくすると収穫期に入りますが,台風の季節でもあります。ですから,そろそろ台風に備えて準備を始めようという意味でこのような日を決めています。防災の日も9月1日。今年はたまたま同じ日になりました。
 このような話をするのは,生徒の皆さんには,日々を健康で安全に,安心して過ごして欲しいと思うからです。災害はもちろんですが,交通事故や病気などから身を守り,いつも元気でいて欲しいからです。そういった意味で,学校に危険があってはなりませんし,安心して通うことができる場所でなくてはなりません。1学期の終業式で,人の物を持って行ってしまう人がいるという残念な話をしました。そういった意味も含めて,品野中学校を安全で安心して通える学校にしていきたいと思っています。
 さあ,2学期が始まりました。生徒の皆さんは,多くを経験し,様々なことを感じ,大いに成長して欲しいと思っています。皆さんにとっても実りの秋となるよう,強く願っています。

        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28      
瀬戸市立品野中学校
〒480-1203
愛知県瀬戸市広之田町2-5
TEL:0561-41-0019
(番号表示でおかけください)
FAX:0561-41-3116
☆ご感想・ご意見をお寄せください。お手数ですがアットマークを「@」に直して送信をお願いします。
shinano-jhアットマークcity.seto.aichi.jp