最新更新日:2024/04/16
本日:count up71
昨日:183
総数:734088
校訓「正しく 明るく 健やかに」

時間は見えない。しかし・・・・

 今日の集会では,時間は見えませんが,その長さを感じて欲しい,そして,その時間を過ごすことによって成長した自分を感じて欲しい,という話をしました。

 先週の水曜日,1・2年生の学年末テスト初日の午後,3年生が奉仕活動をやってくれました。教室の床を磨いたり,1年生の教室の窓に飛散防止フィルムを貼ってくれたりするなど,校内の環境整備に取り組んでくれました。ありがとうございました。
 私は山が好きで,よく登山に出かけます。登山には様々な形態がありますが,私は特に,縦走が好きです。これは,山の麓から山頂を目指して歩き,また麓まで戻ってくるだけではなく,2カ所以上の山頂を結ぶ稜線上のルートを歩くものです。稜線を歩くため,好天で見晴らしがいいときなどは,眼下の街並みや遙か彼方の山を,またときには遠くの海までを見渡すことができます。こんな景色を見ながら歩いていると,登山のすばらしさを実感したり,来てよかったと心から思ったりします。
 山頂をいくつも通過するわけですから,当然登りと下りを繰り返すことになります。これが結構体力的にきつい。一つの山頂にたどり着き,何時間もかけて歩いてきたルートを振り返り,眺めてみると,ここまでの道のりの長さを感じます。よくもこんなに歩いたものだという思いと充実感がこみ上げてきます。そして,次の山頂までのルートを眺めると,さあ頑張るぞ,と気力がわいてくるのです。
 時間は,それ自体を見ることはできません。しかし,山頂に立ち,歩いてきた道のりを見ると,充実感とともに,ここにたどり着くまでの時間を実感することができます。また,次に目指す山頂までの道のりを見ると,歩く時間を視覚的に捉えることができます。
 3年生の皆さん,あなたたちは,もうすぐこの品野中学校を卒業します。入学以来,3年の時を経て,もうすぐ卒業です。そこで,是非ともやって欲しいことがあります。2009年4月から2012年3月までのカレンダーを並べ,それを眺めて欲しいのです。そこには1000を超える日が並んでいます。この1000を超える日こそが,皆さんが品野中学校で過ごした日々なのです。そして,そこから皆さんが品野中学校で過ごした時間を感じて欲しいと思います。と同時に,日々何をし,どんなことを経験したのか,そして,何を感じ,学んだのか,品野中での3年間を振り返り,成長した自分を感じて欲しいと思います。
 1・2年生の皆さん,卒業まで,それぞれあと1年,あるいは2年です。卒業期を迎え,3年間を振り返ったとき,皆さんも,カレンダーの量で過ごした時間の長さを実感すると同時に,中味の濃さで長さを実感して欲しい。その実感が伴ったとき,大きな成長を感じることができると思います。

立春の卵

 今日の集会では,「思い込み」について話をしました。

 みなさんは,テーブルや床などの固くて平らな場所に卵を立てたことはありますか(集会で生徒に聞いたところ,誰もいませんでした)。生卵でもゆで卵でも構いませんが,コロンブスの卵のように,コツンと底の殻をつぶして立てるのではなく,そのまま立てるのです。
 中国の古い書物に,「立春の日には,卵が立つ」という話が載っているそうです。
 時は1947年。今から60年以上も前,終戦後すぐの頃,この話を知った人がマスコミに持ちかけ,東京,ニューヨーク,上海で公開実験をすることになりました。立春を迎える時刻に,新聞記者など多くの人たちが見守る中,卵を立てる実験が行われました。すると,なんと,どの3都市でも卵が立ったのです。この結果は当時,結構大きな騒ぎになったそうです。
 立春の日に卵が立つ。なぜでしょうか。立春で,春が立つのだから,卵ぐらい立つのは当たり前,といった非科学的な説明ではなく,誰もが納得できる説明を,いろいろな科学者に求めても,明確な説明ができる人はいなかったようです。
 しかし,当時,北海道大学教授だった物理学者の中谷宇吉郎(なかや うきちろう)は,この報道に疑問を感じ,すぐに解明に乗り出しました。彼は,世界で初めて人工雪の製作に成功した人です。また,雪の結晶を調べれば,高い空の気象の様子が分かる,ということを表す,「雪は天から送られた手紙である」という言葉を残したことでも有名で,低温科学に大きな業績を残しました。
 中谷教授は,卵の表面を顕微鏡で観察したり,様々な部分を測定したりして,表面の細かな出っ張りをうまく接地させれば,卵は立つことを明らかにしたのです。つまり,卵は立春の日だけ立つのではなく,いつでも立つということです。立春の日に実験をし,卵が立ったから,立春の日には卵が立つ,となっただけです。仮に,毎週日曜日にこの実験を行い,卵が立てば,日曜には卵が立つ,となったことでしょう。
 要するに,卵は立たないものだ,と人々が思い込んでいただけの話です。このことを,中谷教授は「人類の盲点」と表現しています。
 科学の世界では,人々が思い込んでいる「当たり前」を当たり前ととらえず,大きな業績を残し,人類の進歩に貢献した人は多数います。
 例えば,地球の周りを太陽や星が回っている(天動説)と,誰もが信じていた15世紀頃,太陽の周りを地球が回っている(地動説)と唱えたコペルニクスもその一人です。
 「当たり前」「○○は△△だ」「そんなはずはない」といった思い込み。これらを覆すことで,人類は進歩してきたと言っても過言ではないでしょう。
 このことを,人間関係に当てはめてみるとどうでしょう。良い面としての思い込みならば,人間関係を円滑にするかも知れません。しかし,良くない面としての思い込みは,円滑な人間関係を作る妨げにしかなりません。間違った思い込みにより,本当は仲良くなれるはずの人と仲良くなれずに過ごしてしまう。こんな悲しくて残念なことはありませんね。

立春

 まだまだ寒い日が続きますが,暦の上ではすでに春。今日の集会では,二十四節気の一つ,「立春」についての話をしました。

 先週は本当に寒かった。この寒さは記録的だそうです。品野中の下を通る国道沿いに設置されている温度計が,氷点下8度を示すこともありました。春が待ち遠しいところです。
 しかし,暦の上ではもう春です。今年は2月3日が節分で,翌日の4日が立春でした。立春とは,二十四節気の一つ。二十四節気とは,約2600年前,中国で作られた暦(カレンダー)です。1年を24等分し,それぞれの日に,昼夜の長さや気温,気象などをもとに季節に応じた名前が付けられています。生徒の皆さんもよく耳にするものとしては,「立春」「冬至」「夏至」「春分」「秋分」などでしょうか。24等分の仕方ですが,以前は1年365日を24等分し,約15日ごとに二十四節気を決めていました。しかし,今は太陽が空を通る道を24等分して決めています。もう少し分かりやすく言うと,太陽が最も低い位置を通る日が「冬至」で,最も高い位置を通る日が「夏至」です。そしてその間を24等分しています。ですから,「冬至」と「夏至」のちょうど真ん中が「春分」と「秋分」です。そして,「冬至」と「春分」の真ん中が「立春」,「春分」と「夏至」の真ん中が「立夏」,「夏至」と「秋分」の真ん中が「立秋」,「秋分」と「冬至」の真ん中が「立冬」となります。
 さて,「立春」ですが,この日を起点に様々なことが言われていますので,いくつか挙げてみます。
 「八十八夜」立春から88日目のことで,この日に摘んだお茶は上等なものとされ,この日にお茶を飲むと長生きするとも言われています。「夏も近づく八十八夜〜」と『茶摘み』で歌われていますね。
 「二百十日」立春から210日目のこと。だいたい9月1日前後にあたり,台風が来やすい日とされています。防災の日は9月1日で,関東大震災の日でもありますが,「二百十日」とも一致するのは偶然でしょうか。
 「春一番」立春から春分までの間に,その年に初めて吹く南寄りの強い風のことです。
 「桜の開花時期」立春からの最高気温の合計が540度になると,桜が咲くと言われています。
 このように,立春一つとっても様々ないわれがあります。二十四節気の他の日についても,例えば「冬至にカボチャを食べると風邪を引かない。しもやけにならない」と言われています。
 人々は,二十四節気から,このようにして季節を感じ,生活に取り入れてきました。そこには,先人の,自然に対する畏敬の念(敬い,尊ぶ気持ち)と知恵を感じざるを得ません。
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
学校行事
4/5 入学式・着任式・1学期始業式
4/6 学級写真
瀬戸市立品野中学校
〒480-1203
愛知県瀬戸市広之田町2-5
TEL:0561-41-0019
(番号表示でおかけください)
FAX:0561-41-3116
☆ご感想・ご意見をお寄せください。お手数ですがアットマークを「@」に直して送信をお願いします。
shinano-jhアットマークcity.seto.aichi.jp