最新更新日:2010/06/11 | |
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校内研修(5月20日)
太郎生小学校の校内研修は模擬授業などをすることが多いのですが、今回は珍しく「理論編」でした。
研修担当者から、「学力と速読との関係」について問題提起がありました。「学力が高い児童は速読ができる。学力と速読には相関関係があるのではないか。速読を鍛えることで、学力も上がるのか」「今の速読の力を調べておき、今後の伸びとの比較をしたい」「速読を鍛える方法」などというものでした。 学力とは何かということで話がはずみました。それは知能テストか、市販のテストで計れるのかなどなど。 学力については、「生きる力」や「活用力」といった計りにくいものを目標にするようになってから、いっそう混乱しているように思います。やっぱりこの際は、基礎基本、具体的には算数なら4年生の四則計算までをしっかりとできるというようなことに限って議論すべきではないでしょうか。 太郎生小学校は「パワーアップタイム」で反復習熟学習を行っています。モジュール学習という学校もあります。「そのパワーアップタイムに漢字の練習をしたから、漢字の力がつくのは当たり前。算数の計算をして、その力がつくのは当たり前。それ以上の力に派生するのだろうか。例えば、音読や速読をパワーアップタイムにしていると、算数の力も伸びるということはあるのだろうか」という議論もしました。 これについては私たちはデータを持ってはいませんが、「イエス」という実証結果もでています。私たちは数字での客観的なデータを出すのはこの点では難しいかもしれないけど、経験的な手応えを考察することは可能だと思っています。 速読の実態を数字で把握しようということでは一致しました。その方法についても足並みをそろえる必要があるので、実際に研修会の場で練習しました。「では、校長先生、速読で読んでください」とストップウォッチを持った研修担当者。私は拒否する勇気はありません。1秒間に11文字程度の早さで読みました。「では、校長先生のように皆さんも読んでください。1分間です。では、はじめ」ということで、全員が読み始めます。それが上の写真です。 下の2枚は議論しているところ。手を挙げていると、いかにも「真剣に」説明しているように見えますね。まあ、実際にも真剣ですけど。 後半は場所を変えて、ICTの講座です。スマートボードの使い方の学習をしました。使っている先生もいますが、まだその基本を学んでいないので、スマートボードで何ができるのか、この場で確認します。「講師」は職場で一番年上と一番若い人の二人。この両極端が、楽しい職場を作っています、と私は思っています。 物差しを拡大すると・・・今日は、竹定規と直定規を拡大して映し、各々の違いを比べました。 ただ、漠然と2つを並べて見るよりも、書画カメラを使うと、より細部まで見ることができます。 「あっ、なんか竹の方は赤い点がついとる。」 「始まりの0センチのとこが、微妙に違う。」 「竹の方が、何か目盛りが細かいような・・・。」 子どもたちは、各々気づいたことを発表していました。ズームアップが容易なのも、この書画カメラの優れている点です。 その後、量感を意識させるために、目をつぶって、手や指を使って10センチを作る活動などをしました。 意外なところに・・・
ツバメの巣です。
ふつうは軒先に作るものなのですが、廃棄の机の中に営巣していました。 きっと、ツバメも机の中が涼しくて居心地がよかったのでしょう。 珍しかったので思わずシャッターを押してしまいました。 ある中学校の奇跡・1
ある中学校とは美杉中学校です。
先週末の日曜日(17日)、春の中学校の部活の公式戦がありました。その決勝戦に美杉中が出るということです。保護者の中には「当然の」決勝戦という受け止め方をしていた方もいましたが、津市内には20の中学校があります。そのトーナメントを決勝まで勝ち進んでいるのです。 しかも、昨年秋の市民大会、県大会と合わせると、3大会連続して決勝戦に進んでいるのは、偶然ではなく実力の証明です。 ある中学校の奇跡・2
単に美杉中の野球部が強いというだけなら、この太郎生小学校のサイトに取り上げることはしません。そこには「美杉中の奇跡」とよべるものがあると私は思うのです。
美杉中学校は中学校としては小規模校です。1年生は1クラスです。生徒数が少ないため、部活の構成が難しいようです。現に、野球部は3年生が退部する夏以降は9人そろうかどうか危惧しているということを、太郎生地区の保護者が話題にしていました(10人になったそうです。これで試合に出られますね。私も嬉しい。また応援に行けます)。選手層が厚いわけではない、そんなギリギリの人数なのです。 それなのに、「強い」のです。 美杉中にはもう一つ大きなハンディがあります。それはスクールバスを使っているため、練習時間の制約があることです。朝の練習はできません。放課後も、バスが5時半ごろ出ます。私は中学校の部活事情は分かりませんから、この美杉中の練習時間がどの程度少ないのか数字の上では分かりませんが、十分な練習時間ではないことは確かです。 そんな学校が、上位に定着していることが私には奇跡だと思えてなりません。 でも、そこには太郎生小学校と共通する教育があるようにも思います。以下、続きます。 ※写真中はタイムリーを打った松本君 ※写真下はゲームセットの瞬間。最後のバッターの驚異的なねばりが美杉から応援に行った多くの関係者に勇気を与えてくれました。 ※写真上は、私のお気に入りの1枚。 ある中学校の奇跡・3
太郎生小学校はへき地・複式校です。そのため、「小規模をフルに生かした教育」を行っています。教育実践のいくつかは、このサイトでも発信しています。
美杉中学校も、部活の存続が危ぶまれる小規模校です。しかし、少人数をフルに生かした指導をされているのではないかと私は思うのです。 さらに、もう一つ。それは保護者の信頼が厚いということです。それは応援を見ていても、日々の話を聞いてもいても思います。 太郎生小学校も、保護者の信頼をいただいていると受け止めています。だからこそ、夏の答志島キャンプを全校で、しかも2泊3日の予定を立てることができたのです。 美杉中学校も、保護者の強い信頼があるからこそ、しっかりとした指導ができるのだと思います。 「小規模をフルに生かした教育」を今後も、美杉中とともに、太郎生小学校も進めてい行くつもりです。 はげみになります
昨年、東京で行われた「ICT活用による元気な学校づくり」に参加しました。その時のパネリストの一人に、岐阜県の井上校長先生がいました。井上先生の発言のすべてが強烈でした。こんな先生がいるのかと思ったほどでした。
昨年の8月10日にこのサイトに次のようなことを書いています。 岐阜県のI校長の話はなかなかユニークで、私は興味を持ちました。「学校ほど物を捨てないところはない。物の片付けが校長の仕事」とか、「職員会議は30分でいい。毎週行う」など、スローガンやきれいな美辞麗句を並べるような話では断じてありませんでした。I先生の個人のホームページを見たら、これまた勉強になることが多い。I先生のことを知ることが出来たのは今回の大きな収穫でした。さっそくI先生の著書を注文しました。 さて、その井上校長先生に先週、パナソニック教育財団の助成式の場でお会いしました。自己紹介代わりに「たろうっこ」をお渡しして、話をさせていただきました。11月末に井上先生がお勤めの本庄小学校が研究発表会をするということも聞きました。 さて、翌日、メールが入りました。井上先生のブログに太郎生小のことを採り上げたいというのです。 http://edu.jrscomware.com/inoue/data/bbs/kyoiku... これは中林を持ち上げすぎており、その部分はちょっと書きすぎです。 でも、「小規模をフルに活かした教育のパンフを見てみると、本校と同じようにICTを活用した授業、地域の方を招いての学習、モジュール学習、太郎生小の合唱や行事など特色ある教育活動が紹介されていた。掲載されている子どもたちの写真をみると、とってもよい表情で、素晴らしい学校であることがよく分かる」と書いていただいてあります。 私たちが大事だと思っていることを、そのまま評価していただいたことはとてもうれしいし、励みになります。とりわけ、私が尊敬する井上校長先生のコメントであるだけになおさらうれしいです。 多くのアクセスありがとう
連日、たくさんのアクセスをいただいています。平日は60を下回ることはありません。
児童数38,保護者数29という小規模校です。保護者のアクセス率は、3月にアンケートを取ったところ、60%あまりです。つまりアクセス数にすると、保護者は約20です。職員ののべアクセスは15から20ぐらいとすると、太郎生小学校の直接の関係者以外のアクセスが毎日コンスタントに20を超えている計算になります。 太郎生小学校のホームページに関心を持っていただいている教育関係者はお一人の例外もなく、小学校教育に強い関心をもっていらっしゃる方でしょう。そんな方が20人前後、アクセスしていただていることを、太郎生小学校の保護者の皆さんに報告したいと思います。 太郎生小学校のホームページでは子どもたちの姿を発信しています。多くの学校では子どもたちの写真を載せることを避けている今日、太郎生小学校のホームページは保護者や地域の信頼を得ながら、子どもたちの輝いている姿をカラー写真で載せています。 太郎生小学校の子どもたちの真剣な姿に感動したという声を聞かせていただいたこともあります。 輝いているのは子どもたちだけではありません。職員も、全員、意欲的です。職員室では授業の打ち合わせをする光景は日常茶飯事です。また、「みんが楽しめる校内研修」も活発です。 苗植え・2
縦割り活動としての苗植えです。全校活動になると、高学年は忙しいです。
苗植え
5月19日、全校で花壇に苗を植えました。
卒業生
美杉中学校は明日から修学旅行です。そのためでしょうか、下校が早かったようです。となると「定番」の太郎生小学校での遊びとなるようです。
中学1年生の姿を見た低学年の児童は、うれしく飛びついていました。その中学生いやがらずに、にこにこと声をかけていました。小学校でのいい関係が、今も続いているのですね。心温まる場面でした。 職員室も、中学生が来るのを楽しみにしています。「遊んでもらっている」職員もいるほどです。 今日は、美杉中の1年生、2年生、そして修学旅行を控えた3年生も来ていました。日焼けしてたくましくなっています。校庭でテニスの練習を始めた中学生。なんと4回もボールが校舎のベランダにのっていました。そのたびに小学校の校舎に入ってきます。ボールを取った後、廊下の掲示物を「なつかしっ」と言いながら見張っていました。 この学校には皆さんの汗が残っているのです。また来てくださいね。 パナソニック教育助成
今日の出張の会場に着きました。東京タワーの近く、芝パークホテル。分科会の助言者は堀田先生で、太郎生小学校の研修分野の第一人者です。勉強できそうで大変ありがたいです。
******************** 上の文章は、会場から携帯で送ったもの。アスタリスクの下のこの文章は、自宅に戻ってから、書いています。 パナソニック教育財団の助成金贈呈式は前半のセレモニーの後、後半は「くるま座ディスカッション」が行われました。似たような研究校が集まり、ディスカッションをします。実際には時間制限があったので、各校の説明(約3分)のあと研究者からの助言、そして最後に若干の話し合いという流れでした。 各研究校からはたった3分間のプレゼンです。でも、これがなかなか聞き物でした。パワーポイントを使わないプレゼンは新鮮です。事前にA4に1枚のプレゼン資料を提出してあり、それが印刷して配っていただいてはありましたが、その資料を棒読みする先生は誰一人いません。さすがです。かくいう、私も資料に書いてあることは極力言わないようにしました。 今回、思ったことの一つは、富山県の「山室中部小学校のすごさ」です。改めて影響力の大きさを実感しました。全体会でのあいさつをされたパナソニック教育財団の遠山理事長は「富山県のある小学校」という言い方ではありましたが、山室中部小の子どもたちのことや研究体制を高く評価されました。 私は、太郎生小の研究のきっかけは昨年度の山室中部小の研究発表会に参加したことです、と言うと、なんと札幌の屯田南小の校長先生もその研究会に参加されていたようで、その時の資料を持ってきておられました。 さらに、助言者の堀田先生は「2日前に、その学校に行っていました。山室中部小は校長先生他、10人の教員が今年異動となったが、それでも研究はしっかりと継続されている」と言われました。 私たちの班の中で、この富山県の小学校のことを全く知らない先生には迷惑だったかもしれませんが、大きな影響を与えた研究です。今年は11月13日が研究発表会とのことです。都合がつけば、ぜひもう一度、行きたいと思います。 太郎生小の研究テーマは「ICTを学校全体で活用して、基礎学力を向上させる」というオーソドックスなものです。この種の審査があるような研究では、どちらかというと、どこの学校でもしているような研究ではなく、ユニークな、あるいはマニアックな研究が評価される傾向があると私は思っています。だから、太郎生小のようなごくまっとうな、あたりまえの研究が採択されたことは、ありがたい反面、意外でした。 すると、助言者の大島先生(横浜国立大学)が、「太郎生小の研究を押したのは私かもしれない。応募レポートを読んでいると、何か意気込みが伝わってきた」と言っていただきました。ありがたい限りです。大島先生とは、懇親会の席でも、話をたくさん聞かせていただきました。研究を進める視点についても、いくつか具体的なアドバイスをいただきました。ぜひ、頭に置いて、今年の実践を進めたいと思っています。 また、堀田先生は、太郎生小学校がやろうとしていることを研究されている方です。その堀田先生が、太郎生小学校に大いに関心を示してくださいました。そして、「がんばってください。きっとうまくいきますよ」と激励してくださいました。 堀田先生には、研究の評価をどのようにしたらよいか、アドバイスをいただきました。数字があったほうがいいか、どうかについても。分かりやすい答えでした。 ICTで漢字学習
3年生の国語です。漢字の読みを練習中です。
パソコンの小さな画面よりも、スマートボードの大画面に映すと、子どもたちの集中力が違います。 今日は、まだ習っていない漢字の読み方にも少しチャレンジしました。 元気いっぱいみんな思い思いの遊びで楽しんでいます。 高学年はサッカー、2・3年は全員リレー、そして、1年生は転がしドッジです。 富士山新幹線つなひき2
つなひきは最大30秒です。体育館はすべりやすいです。裸足に子どもが増えていきました。
つなひき1
縦割り班ができました。最初の活動は「つなひき」です。
口ずさむ
「♪かいさつをぬけると、なつかしいにおいがしたー♪♪」という歌が運動場から聞こえてきます。見ると、1年生の児童が遊具に乗って兄弟で口ずんでいるのです。津の市民歌です。
今日(5月14日)、津市の広報室長さんたちが太郎生小に来てくださいました。先日の出演のお礼を言いにわざわざ来ていただきました。満員になったあのコンサートのことで話が弾みました。 子どもたちが夕方、この市民歌を口ずさんでいることをしると、きっと喜んでいただけると思います。指揮や指導をしていただいた小柴先生も、穏和な表情で笑みを浮かべられるだろうと思います。 下の写真は、その時のスナップです。 「たろうっこ」での作文
「たろうっこ」には子どもたちの作文を載せています。実名を記して。このことを保護者の皆さんはどのように思われているでしょうか。
一般的には個人情報保護の観点から学校からの情報公開はあまり進んでいないようです。「学校便り」にしても、子どもが特定できるような写真や作文は載せないことが多いようです。 学校側の立場からいうと、そういった個人情報は載せない方がはるかに安全です。 しかし、ご存じのように昨年度の「たろうっこ」にも子どもたちの作文を実名を記して掲載してきました。今年も、作文など、個人が特定できることも話題にしています。 なぜ「たろうっこ」はあえて子どもの作文を載せるのでしょうか。 それは太郎生小学校の教育にとって価値があると思うからです。 太郎生小学校は小規模校です。小規模をフルに生かした教育を意図的に行っており、保護者の理解も得ていると考えています。しかし、同時に小規模の限界もあります。その一つがクラスの児童数が少ないためどうしても受ける刺激が少なくなりがちだということです。 クラスの児童数が少ないことはプラスとマイナスがあります。マイナスを克服するための工夫も当然しています。その一つは「鍛える」をテーマにした全校活動です。「新聞紙ファッションショー」や「全校百人一首大会」「全校なわとび大会」など、意図的に異学年との関わりを作り、子どもたちに摩擦や刺激を与えようと考えています。 「たろうっこ」でほかの学年の子どもたちの作文を読むことも、知的な刺激になるだろうと考えています。共通の行事であっても、受け止め方は様々です。目のつけるところ(観点)も一人ひとり異なっています。だからこそ、ほかの児童の作文は勉強になると思うのです。 実名を記しているわけは、作文を書いたのはほかならぬ○○さんであって、Aさんという書き表し方はかえって一生懸命作文を書いた子どもに失礼だと思うからです。 また、○○さんはこんな素敵な作文を書いているんだなと保護者の皆さんに知ってほしいという気持ちもあります。実際、「たろうっこに出た作文を近所の保護者にほめてもらったので、子どもは喜んでいました」という話を聞いたこともあります。ぜひ、ほめる材料にも使ってください。自分のお子さんはもちろん、近所のお子さんをも。 保護者の信頼がなければ、子どもたちの作文を学校便りに載せることはできません。保護者の皆さんが、38人の児童をそれぞれ我が子のように温かく見守っていてくれるからこそ、子どもたちの名前を出すこともできるのです。 学校教育は保護者の理解に支えられていることを、「たろうっこ」の作文をとってみても実感し、ありがたく思っています。 |
津市立太郎生小学校
〒515-3536 三重県津市美杉町太郎生2128-1 TEL:059-273-0324 FAX:059-273-0746 |