最新更新日:2010/06/11
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閉校にはなりますが、4月以降もこのサイトは存続します。「過去の記事」の2009年度をクリックすると、見られます。更新するとはありません。アクセス、ありがとうございました。

ある研修会・その1

 5月30日(土)、「教育の情報化」実践セミナーinみえ という研修会が津の総合文化センターで行われました。「市民歌発表会」があったところです。会場は別の部屋です。

 太郎生小学校はICT機器は津市内でも、比較的整備されているほうです。それは美杉村の時代から、パソコンなどの導入に積極的であったことやその機器を活用した授業をしているからです。「計プリっこ」という計算練習は、子どもたちだけで進めています。個人別の習得状況が分かるようになっています。
 一斉指導で使う実物投影機(書画カメラ)や電子黒板も、必要に応じて無理なく使っています。「ICT機器は道具です」という当たり前のことが、みんな分かっています。黒板にスクリーンが貼ってあっても、子どもたちは特別な反応はしません。

 さて、そのようなICT機器の効果的な活用についての研修会がありました。会場は津ですが、主催は日本教育工学協会で、事務局は東京にあります。講師の先生も、富山大学や横浜国立大学の先生などで、文科省にも関わっていらっしゃる方です。いわば国内の最新の情報や国内トップレベルの話が聞けるわけです。
 昨年度から何度も言っているように、太郎生小学校はへき地校ではありますが、私たちの目は全国に向いており、国内のすばらしい実践を可能なところは太郎生小学校に取り入れています。今、毎日の授業では定着している「パワーアップタイム」(モジュール学習とも言う)は富山県のある小学校から学んだものです。
 土曜日の午後。参加者は80人ぐらいでした。太郎生小からも数人が参加しました。

 写真を見ていただくと、とてもいい雰囲気の研修会であったことがおわかりいただけると思います。
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研修会・その2

 以下は参加した太郎生小の先生の感想の一部です。
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 休みだしなあ・・どうしようかなあ・・でも研修担当だしなあ・・、とかなり後ろ向きなスタンスで参加した研修会でした。
 でも、結果的にはとても勉強になる研修会でした。その筋ではとても有名な先生方もたくさんおられたのですが、それについては校長先生が何か書かれるだろうから・・・。
 何がよかったってICT活用の実践例をいろいろ見ることができたこと。そして、それを実践しておられる先生と知り合いになれたことです。具体的には亀山の小学校で低学年を担当しておられる先生なのですが、書画カメラを使っての授業実践の報告でした。「ICTを使ったわかりやすくて楽しい授業」ではなくて「楽しくてわかりやすい授業の道具のひとつがICT」なのです、この先生の実践は。
 きっとこの先生はICTがなくたってわかりやすくて楽しい授業をされるのだろうと思えるような方でした。でも、そこにICT。従来の普通の授業、授業スタイルの中でさりげなく使われていながら強力に威力を発揮している書画カメラの様子がうかがわれました。
 結局は「教師の授業力」。それを強力に助けるのがICTであることがよくわかりました。研修会の後、早速声をかけました。アドレスも教えていただきました。今後もいろいろ教えていただけたら、と思っています。
 目指すべきは「分かりやすくて楽しい授業」。そのためにICTをどの場面で、どのように使っていくか。あんな使い方、こんな使い方、工夫しだいでいろいろあるような気がしてきました。わくわくします。
 でも、それには各教室一台はプロジェクターと書画カメラがあるといいなあ・・。欲張りかなあ・・。そんなこんなの研修報告でした。
【中林の感想】 
 今、太郎生小は書画カメラが2台、プロジェクタが3台、スマートボードが1台あるのですよ。児童数38名の小規模校で。それでも足りないという職員。困ったものです。でも、ちゃんとノートにメモしていたので合格。
 今年、さらに書画カメラを追加しますよ。各教室に1台を目指して。

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 実践報告は、もっと聞いていたいと思えるようなものばかりで、「質問はありませんか」と言われたときに手を挙げそうになっていました。「後で個人的に聞きに行こう」と考えやめましたが・・・それほど引きつけられるものでした。
 実際、終了後、亀山西小の先生のところに駆け寄り、辞書引きのノウハウを教えていただきました。参考資料を学校の方に送ってくださるとも言っていただきました。実践家は、心も広いなあと感激してしまいました。それも待てず、帰りに本屋とオオクワによってお薦めの本とマジックを買って帰りました。もちろん辞書引きのワークも(^_^)v
業者の方にいただいたフラッシュ教材のDVDも使えそうですし、パワーアップで使えそうなネタもいただけたし、読んであげたい本にも出会えたし・・・。あ〜早く学校に行きたい。授業をしたいという気持ちになれました。
会場はやっぱり男性が多かったのですが、今日の実践発表では、4人のうち3人が女性でした。それも、「アナログ人間です」と言われている方がすばらしい実践をされているのです。「私もなんだかやれそうな気がする〜♪」というような勇気をもらえました。
 愛知県の先生は大阪に次いで2回目でしたが、お話にもユーモアがあり具体的でかっこつけないところがまたかっこいいです。その先生に「太郎生小は楽しい学校ですね。一緒に働きたいです。」と言っていただきました。幸せを感じられた、研修会でした(*^_^*)
 
【中林の感想】
 4人の実践提案は中身も、提案の手法もとてもよかったと思います。引きつけられました。素晴らしい研究会だったからこそ、メモは書籍の中にではなく、ノートにとりましょうね。
 終了後、太郎生小の若い先生が、講師の先生のところに挨拶に行ったり、提案をされた方のところに行き、メモを取りながら話を聞いている姿を見て、うらやましく思いました。私ももっと若い時期にこんなおもしろい教育機器に出会ったら、さぞかし授業が楽しかっただろうなと思ったからです。 

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 今日は、ICTを用いた授業のあり方を勉強しました。初発の感想です。正直なところ物足りない思いをしました。ICTの機器を多少使いこなせば、できるなという思いを持ちました。
 基本は、子ども達をどういう姿にそだてるか、そのために何をぶつけるか、何をするかだと思いました。その一つの手法としてICTをどう使うかだと思います。ICT機器の特性や使い方を熟知していることは、大事だと思いますが。
 今日は、4校の先生が実践発表をしていただきましたが、ICT機器を使ったから子ども達がこう変わったという目を見張るものを感じとることは出来ませんでした。見る目、聞く力がなかったのだと思いますが。
 太郎生小学校の子ども達に対して、何のためにICTを使うのか勉強したいと思います。今日は、ありがとうございました。お疲れさまでした。
【中林の感想】
 なるほどね。提案には子どもの姿がでていなかったということはありましたね。
 野口先生は「教育は善意のある強要だ」と言われます。私もそう思います。つまり子どもの意志や姿とは関係なく、子どもたちに教え込むのが教育だというわけです(もっとも、子どもの実態抜きに行う教育もまたありえませんが)。
 私は、「子どもたちに基礎学力を定着させたい。そのために一斉授業を工夫している。ICTを使えばより効果的」という主張が提案にはすっきりと出ていたように思います。
 ICTに万能の力を求めないということです。 
 太郎生小学校の子どもたちのためにお互いにがんばりましょう。
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研修会・その3

 全国に目を開き、志を高く持っている(つもりの)太郎生小学校の教育。
 今回のような大きな規模のセミナーは、絶好の機会です。それは学ぶだけではありません。人とのつながりを求める機会です。

 亀山の先生とはやや強引なつながりを作っていました。

 また、パネリストとして登壇された愛知県教委の先生との会話もありました。その先生はご自分のブログに次のようなことを書かれています。

 「会場では11月の発表会で伺う太郎生小学校の先生方からご挨拶をいただく。ちょっとした会話だが、どの方からも太郎生小に誇りと自信をもってみえることが伝わってくる。中林校長先生がうらやましい限り。」
http://www.enpitu.ne.jp/usr9/bin/day?id=98434&p...


 保護者の皆さん、このような前向きな研修ができるのも、またその研修で学んだことを授業に生かしたいと考えることができるのも、学校が安定しているからなのです。だからこそ休日に研修するゆとりができるのです。
 確かに休日に研修に行き、研修会が終わってからも講師をつかまえて話を聞いてくる職員は立派だし、すばらしいけど、そんな職員がいる学校にしているのは、保護者の皆さんの理解と応援のおかげなのです。もちろんそれらのすべてのことは授業や行事などの学校の教育活動を通して子どもたちに反映していきます。
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Q−Uテスト

 Q−Uというのは、クラスの友だち関係などを調べるためのアンケートです。
 太郎生小学校は少人数ですから、子どもたちのことは職員はかなり把握しているつもりです。それでも、一人ひとりの内面を知ることは簡単ではありません。
 それを客観的に考えるための一つの視点が、このQ−Uテストなのです。

 複式のクラス編制が変わっています。昨年度とは違った結果がでている児童もいます。この分析結果とクラスでの様子を合わせて話し合っているところです。

 下は書画カメラを使って説明しているところ。研修会には、書画カメラ、プロジェクタ、マグネットスクリーンは必須です。一番若い先生がいつも準備してくれます。
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前任校

 今日、所用があったので、前任校におじゃましました。

 用件が終わり、帰ろうと玄関まで来ると、ちょうど高学年の下校の時間と重なりました。すると、大勢の子どもたちが私に声をかけてくれるのです。6年生や5年生がいました。
 「パソコンをしたなあ」「カルタで百人一首をした」「四字熟語の勉強したことあるなあ」などと、授業のことを子どもたちが覚えていて話題にしてくれました。

 私は1週間に一度、そのクラスに入っただけですが、1年2ヶ月経った今も記憶に残っていることに驚くとともに、声をかけてくれたことがとてもうれしいです。

 体も大きく、顔つきも大人びて見えました。健全に成長していました。

校内研修(5月20日)

 太郎生小学校の校内研修は模擬授業などをすることが多いのですが、今回は珍しく「理論編」でした。

 研修担当者から、「学力と速読との関係」について問題提起がありました。「学力が高い児童は速読ができる。学力と速読には相関関係があるのではないか。速読を鍛えることで、学力も上がるのか」「今の速読の力を調べておき、今後の伸びとの比較をしたい」「速読を鍛える方法」などというものでした。

 学力とは何かということで話がはずみました。それは知能テストか、市販のテストで計れるのかなどなど。
 学力については、「生きる力」や「活用力」といった計りにくいものを目標にするようになってから、いっそう混乱しているように思います。やっぱりこの際は、基礎基本、具体的には算数なら4年生の四則計算までをしっかりとできるというようなことに限って議論すべきではないでしょうか。
 太郎生小学校は「パワーアップタイム」で反復習熟学習を行っています。モジュール学習という学校もあります。「そのパワーアップタイムに漢字の練習をしたから、漢字の力がつくのは当たり前。算数の計算をして、その力がつくのは当たり前。それ以上の力に派生するのだろうか。例えば、音読や速読をパワーアップタイムにしていると、算数の力も伸びるということはあるのだろうか」という議論もしました。
 これについては私たちはデータを持ってはいませんが、「イエス」という実証結果もでています。私たちは数字での客観的なデータを出すのはこの点では難しいかもしれないけど、経験的な手応えを考察することは可能だと思っています。
 
 速読の実態を数字で把握しようということでは一致しました。その方法についても足並みをそろえる必要があるので、実際に研修会の場で練習しました。「では、校長先生、速読で読んでください」とストップウォッチを持った研修担当者。私は拒否する勇気はありません。1秒間に11文字程度の早さで読みました。「では、校長先生のように皆さんも読んでください。1分間です。では、はじめ」ということで、全員が読み始めます。それが上の写真です。
 下の2枚は議論しているところ。手を挙げていると、いかにも「真剣に」説明しているように見えますね。まあ、実際にも真剣ですけど。
 
 後半は場所を変えて、ICTの講座です。スマートボードの使い方の学習をしました。使っている先生もいますが、まだその基本を学んでいないので、スマートボードで何ができるのか、この場で確認します。「講師」は職場で一番年上と一番若い人の二人。この両極端が、楽しい職場を作っています、と私は思っています。
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はげみになります

 昨年、東京で行われた「ICT活用による元気な学校づくり」に参加しました。その時のパネリストの一人に、岐阜県の井上校長先生がいました。井上先生の発言のすべてが強烈でした。こんな先生がいるのかと思ったほどでした。

 昨年の8月10日にこのサイトに次のようなことを書いています。

 岐阜県のI校長の話はなかなかユニークで、私は興味を持ちました。「学校ほど物を捨てないところはない。物の片付けが校長の仕事」とか、「職員会議は30分でいい。毎週行う」など、スローガンやきれいな美辞麗句を並べるような話では断じてありませんでした。I先生の個人のホームページを見たら、これまた勉強になることが多い。I先生のことを知ることが出来たのは今回の大きな収穫でした。さっそくI先生の著書を注文しました。


 さて、その井上校長先生に先週、パナソニック教育財団の助成式の場でお会いしました。自己紹介代わりに「たろうっこ」をお渡しして、話をさせていただきました。11月末に井上先生がお勤めの本庄小学校が研究発表会をするということも聞きました。
 さて、翌日、メールが入りました。井上先生のブログに太郎生小のことを採り上げたいというのです。

http://edu.jrscomware.com/inoue/data/bbs/kyoiku...

 これは中林を持ち上げすぎており、その部分はちょっと書きすぎです。
 でも、「小規模をフルに活かした教育のパンフを見てみると、本校と同じようにICTを活用した授業、地域の方を招いての学習、モジュール学習、太郎生小の合唱や行事など特色ある教育活動が紹介されていた。掲載されている子どもたちの写真をみると、とってもよい表情で、素晴らしい学校であることがよく分かる」と書いていただいてあります。
 私たちが大事だと思っていることを、そのまま評価していただいたことはとてもうれしいし、励みになります。とりわけ、私が尊敬する井上校長先生のコメントであるだけになおさらうれしいです。
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多くのアクセスありがとう

 連日、たくさんのアクセスをいただいています。平日は60を下回ることはありません。

 児童数38,保護者数29という小規模校です。保護者のアクセス率は、3月にアンケートを取ったところ、60%あまりです。つまりアクセス数にすると、保護者は約20です。職員ののべアクセスは15から20ぐらいとすると、太郎生小学校の直接の関係者以外のアクセスが毎日コンスタントに20を超えている計算になります。
 
 太郎生小学校のホームページに関心を持っていただいている教育関係者はお一人の例外もなく、小学校教育に強い関心をもっていらっしゃる方でしょう。そんな方が20人前後、アクセスしていただていることを、太郎生小学校の保護者の皆さんに報告したいと思います。
 太郎生小学校のホームページでは子どもたちの姿を発信しています。多くの学校では子どもたちの写真を載せることを避けている今日、太郎生小学校のホームページは保護者や地域の信頼を得ながら、子どもたちの輝いている姿をカラー写真で載せています。
 太郎生小学校の子どもたちの真剣な姿に感動したという声を聞かせていただいたこともあります。
 輝いているのは子どもたちだけではありません。職員も、全員、意欲的です。職員室では授業の打ち合わせをする光景は日常茶飯事です。また、「みんが楽しめる校内研修」も活発です。
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パナソニック教育助成

 今日の出張の会場に着きました。東京タワーの近く、芝パークホテル。分科会の助言者は堀田先生で、太郎生小学校の研修分野の第一人者です。勉強できそうで大変ありがたいです。
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 上の文章は、会場から携帯で送ったもの。アスタリスクの下のこの文章は、自宅に戻ってから、書いています。
 パナソニック教育財団の助成金贈呈式は前半のセレモニーの後、後半は「くるま座ディスカッション」が行われました。似たような研究校が集まり、ディスカッションをします。実際には時間制限があったので、各校の説明(約3分)のあと研究者からの助言、そして最後に若干の話し合いという流れでした。
 各研究校からはたった3分間のプレゼンです。でも、これがなかなか聞き物でした。パワーポイントを使わないプレゼンは新鮮です。事前にA4に1枚のプレゼン資料を提出してあり、それが印刷して配っていただいてはありましたが、その資料を棒読みする先生は誰一人いません。さすがです。かくいう、私も資料に書いてあることは極力言わないようにしました。
 今回、思ったことの一つは、富山県の「山室中部小学校のすごさ」です。改めて影響力の大きさを実感しました。全体会でのあいさつをされたパナソニック教育財団の遠山理事長は「富山県のある小学校」という言い方ではありましたが、山室中部小の子どもたちのことや研究体制を高く評価されました。
 私は、太郎生小の研究のきっかけは昨年度の山室中部小の研究発表会に参加したことです、と言うと、なんと札幌の屯田南小の校長先生もその研究会に参加されていたようで、その時の資料を持ってきておられました。
 さらに、助言者の堀田先生は「2日前に、その学校に行っていました。山室中部小は校長先生他、10人の教員が今年異動となったが、それでも研究はしっかりと継続されている」と言われました。
 私たちの班の中で、この富山県の小学校のことを全く知らない先生には迷惑だったかもしれませんが、大きな影響を与えた研究です。今年は11月13日が研究発表会とのことです。都合がつけば、ぜひもう一度、行きたいと思います。

 太郎生小の研究テーマは「ICTを学校全体で活用して、基礎学力を向上させる」というオーソドックスなものです。この種の審査があるような研究では、どちらかというと、どこの学校でもしているような研究ではなく、ユニークな、あるいはマニアックな研究が評価される傾向があると私は思っています。だから、太郎生小のようなごくまっとうな、あたりまえの研究が採択されたことは、ありがたい反面、意外でした。
 すると、助言者の大島先生(横浜国立大学)が、「太郎生小の研究を押したのは私かもしれない。応募レポートを読んでいると、何か意気込みが伝わってきた」と言っていただきました。ありがたい限りです。大島先生とは、懇親会の席でも、話をたくさん聞かせていただきました。研究を進める視点についても、いくつか具体的なアドバイスをいただきました。ぜひ、頭に置いて、今年の実践を進めたいと思っています。

 また、堀田先生は、太郎生小学校がやろうとしていることを研究されている方です。その堀田先生が、太郎生小学校に大いに関心を示してくださいました。そして、「がんばってください。きっとうまくいきますよ」と激励してくださいました。
 堀田先生には、研究の評価をどのようにしたらよいか、アドバイスをいただきました。数字があったほうがいいか、どうかについても。分かりやすい答えでした。
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「たろうっこ」での作文

「たろうっこ」には子どもたちの作文を載せています。実名を記して。このことを保護者の皆さんはどのように思われているでしょうか。
 一般的には個人情報保護の観点から学校からの情報公開はあまり進んでいないようです。「学校便り」にしても、子どもが特定できるような写真や作文は載せないことが多いようです。
 学校側の立場からいうと、そういった個人情報は載せない方がはるかに安全です。
 しかし、ご存じのように昨年度の「たろうっこ」にも子どもたちの作文を実名を記して掲載してきました。今年も、作文など、個人が特定できることも話題にしています。
 なぜ「たろうっこ」はあえて子どもの作文を載せるのでしょうか。

 それは太郎生小学校の教育にとって価値があると思うからです。
太郎生小学校は小規模校です。小規模をフルに生かした教育を意図的に行っており、保護者の理解も得ていると考えています。しかし、同時に小規模の限界もあります。その一つがクラスの児童数が少ないためどうしても受ける刺激が少なくなりがちだということです。
 クラスの児童数が少ないことはプラスとマイナスがあります。マイナスを克服するための工夫も当然しています。その一つは「鍛える」をテーマにした全校活動です。「新聞紙ファッションショー」や「全校百人一首大会」「全校なわとび大会」など、意図的に異学年との関わりを作り、子どもたちに摩擦や刺激を与えようと考えています。
 「たろうっこ」でほかの学年の子どもたちの作文を読むことも、知的な刺激になるだろうと考えています。共通の行事であっても、受け止め方は様々です。目のつけるところ(観点)も一人ひとり異なっています。だからこそ、ほかの児童の作文は勉強になると思うのです。
 実名を記しているわけは、作文を書いたのはほかならぬ○○さんであって、Aさんという書き表し方はかえって一生懸命作文を書いた子どもに失礼だと思うからです。
 また、○○さんはこんな素敵な作文を書いているんだなと保護者の皆さんに知ってほしいという気持ちもあります。実際、「たろうっこに出た作文を近所の保護者にほめてもらったので、子どもは喜んでいました」という話を聞いたこともあります。ぜひ、ほめる材料にも使ってください。自分のお子さんはもちろん、近所のお子さんをも。
 保護者の信頼がなければ、子どもたちの作文を学校便りに載せることはできません。保護者の皆さんが、38人の児童をそれぞれ我が子のように温かく見守っていてくれるからこそ、子どもたちの名前を出すこともできるのです。
 学校教育は保護者の理解に支えられていることを、「たろうっこ」の作文をとってみても実感し、ありがたく思っています。
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伴奏

 5月6日の市民歌発表会の伴奏は太郎生小学校の教員が務めました。このような大きな音楽発表会の伴奏を、太郎生小学校の職員を指名していただいたこと、同僚としてとてもうれしく思っています。
 おかげで、日々一緒に練習している太郎生小学校の子どもたちにとってはとても歌いやすい環境となりました。

 伴奏は目立ちすぎず、しかし歌いやすくなくてはなりません。ピアノソロの発表とは違った難しさがあります。ましてや今回は200人ほどの混成部隊です。そろっての練習は当日の午前中のみ。会場も、ピアノも、当日までは試すことができません。
 午前中の最初のリハーサルを持参のICレコーダーで録音し、休憩の時にイヤホンを使って聞いているのを私は見ました。伴奏の速さや音のバランスを確認していたようです。こんな努力をしているからこそ、素晴らしい演奏ができるのですね。
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しばらく更新できません

 いつもアクセスいただき、ありがとうございます。

 3日から5日まで、このサイトは更新ができません。

 5月6日は、「このまちが好きさ コンサート」です。太郎生小学校の児童全員が津の市民歌発表会に出演させていただきます。通常の時間に登校させてください。

仕事日記(5月1日)

 5月1日は振り替え休日です。6日の「このまちが好きさ コンサート」に出るためです。

 平日の休みを利用して、奈良県橿原市の小学校を訪れました。授業を見せていただくためです。
 普通、他の学校の授業を見せてもらう機会はたいへん限られています。「研究発表会」などという、参観者があることを前提にした授業公開の時に参観させてもらうぐらいで、日常の授業を見る機会は全くと言ってもいいほどありません。
 しかし、5月1日、普通の橿原市立の小学校のあるクラスをずっと参観させていただく機会を作ってもらいました。太郎生小から数人の参観を快く受け入れていただいた担任および校長先生には心から感謝しています。そんな機会を与えていただいた厚意に応えるためにもしっかりと勉強させていただきました。

 太郎生を8時に出発しました。橿原の学校には9時20分頃到着しました。2時間目は体育です。3時間目は算数、4時間目は国語、5時間目は道徳です。

 午前9時30分から午後3時まで数人が3年生のクラスに張り付き状態で見せていただくのです。普通ではあり得ないことです。しかも、5月1日、まだ学級のルールが定着していない時期です。

 参観させていただいたみんなが「温かいクラスやった」「居心地のいいクラス」などという感想を持っています。そのことは最初の体育の時間に実感しました。体育は子どもの「地」が出やすい教科です。参加者向けの特別な授業をやりにくい教科です。
 縄跳び、鉄棒、ドッジボールなどをテンポ良く行っていました。運動量はすごいです。でも、鍛えられている子どもたちはこともなげに早いテンポの運動をこなしていました。
 なわとびも、鉄棒も、ゲーム形式になっています。ゲームにしにくいと思われる鉄棒も、ゲームなのです。それも、男子対女子という、これもちょっと考えにくい対抗戦。文書に「鉄棒の逆上がりを男女対抗のゲーム形式で行う」と書いてあれば、私なら「?」と思ってしまうでしょう。しかし、参観させていただくことの素晴らしさは、「子どもの事実」を見られることです。その「事実」はどうであったかというと、逆上がりの練習としてこの男女対抗のゲーム形式はとてもいいと思いました。百聞は一見にしかずということです。
 子どもたちは楽しみながら逆上がりを繰り返していました。さらに驚いたことに、逆上がりができる児童がたいへん多いのです。できない児童も、足がかなり上がっており、もう少しというところです。このゲーム形式の練習が功を奏しているのでしょう。
 さらに男女対抗についても、私の発想にはない組み分けですが、非常にうまくいっていました。担任曰く「男女対抗の方が、男女の仲が良くなる」というのですが、そうかもしれないと思いました。子どもたち同士の応援の声が大きくて、温かくて、元気いっぱいで、伸び伸びして解放されていました。
 体育は運動場ですが、担任の声はあまり聞こえません。指示を出すことは少ないのです。それでも見事に統率がとれていました。運動場の隣の幼稚園か保育園では音楽をかけて運動会をしていました。でも、それを見ようとする児童は私が見た限り一人もいませんでした。みんな体育に集中していました。

 教室でも、担任が大きな声でしかる場面はありませんでした。行事の悪い子はいますし、大きな声を出す子もいます。でも、そういった児童への対応も見事でした。

 5時間もずっと同じクラスを参観させていただいくわけですから、「きれいごと」ではすみません。外部の人に見せたくない「実態」もあるはずです。実はそういったことをこそ、参観させていただきたかったのです。何日もかけて準備をした特別な授業ではなく。

 動き回る児童への担任の関わり方や理解に時間がかかる児童への関わり方。「素晴らしかったです」という一言で済ませるのではなく、今後の私たちの課題にしたいと思いました。

 「学び」はたくさんありますが、もう一つだけ。百人一首のことです。太郎生小学校も百人一首にはどのクラスも取り組んでいます。美杉中ではいい成績だということも聞きました。
 しかし、橿原市のこのクラスの百人一首には度肝を抜かれました。担任の読む速さが太郎生の4倍ぐらい速いのです。早口で、休みなく読み続けるのです。ICレコーダーに録音してきましたので、一度時間を計ってみようかと思っています。
 一緒に参観させていただいた太郎生の某職員は1枚も取れなかったそうです。私は9枚取りました(^^)。でも、某職員のために「弁明」すると、某職員の相手をした児童は奈良県で一番になったことがある「名人」でした。このレベルの高いクラスで、さらにトップクラスなのでしょう。でも、相手は3年生なんですよね、1枚か、2枚は取らないと……。
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学校便り

データ

津市立太郎生小学校
〒515-3536
三重県津市美杉町太郎生2128-1
TEL:059-273-0324
FAX:059-273-0746