最新更新日:2010/06/11 | |
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研修会を終えて・6私は、今まで、これまで学んできた社会科教育や国語教育や人権教育等の教育と、ICT教育とは、どこか一線を画すような気がしていました。 しかし、10月に堀田先生に教えていただいたり、今回のシンポジウムの中で堀田先生、玉置先生、中村先生のお話を聞かせていただいたりしながら、ICT教育は、さまざまな教育活動において、まるで空気のような、自然にあって自由に使えるツールのようなものなんだいうことを改めて実感しました。 シンポジウムでの講師の先生方のお話は、非常に明快で、ICT教育とは何かというこれまで抱いていた私の疑問を解き明かすものでした。 また、シンポジウムの中で、中村先生が、私に、パソコンを使うことと使わないことの是非について問われた時、「今回の発表でパソコンを使わない私の方法はベストではなかったのだろうか。」という思いが頭を過ぎりながらも両者の良さを伝えた私の発言に対して、中村先生が、パソコンを使わないアナログによる教育活動の大切さを強調されました。このことは、私にとっては、まさに「目から鱗」でした。と同時に、私の心の中にあったパソコンを使わないことへの引け目のような思いもいくらか払拭したような気がしました。 さらに、研究発表会の後の反省会の時に、玉置先生が、東京大学の佐藤学先生が提唱してみえる「学びの共同体」の話を出されたことも、私にとっては大きな驚きでした。なぜかというと、佐藤先生はかつての教授学研究会や「国語教育を学ぶ会」でお話を聞かせていただいたことのある先生で、アナログでの教育実践を指導されている全国的に有名な先生だったからです。ますます私は、ICT教育が何かとても身近な教育だと思えてきました。(これは余談ですが、ICT教育で活躍してみえるM先生はかつて国語教育の研究大会に一緒に参加した懐かしい先生だったことも、私にとってICT教育と他の教育とのつながりを強く感じさせる要因の一つでした。) 今回の研究会について、多くの参観者の方々から、励ましのお言葉をいただけて、私も一職員としてたいへん光栄で嬉しく思いました。ただ、私がパワーアップタイムや模擬授業をさせていただくことができたのは、この太郎生小学校の先生方の常に前向きに研修しようとする姿勢に勇気づけられたことと、校内研修会が常に「情報発信型」の研修の場であったからだと思います。 校内研修会はまさに私がこれまでに経験したことのない斬新な内容でした。ですから、私は「校内研修会で、どんなことを研修するのだろうか。」といつもドキドキワクワクした気持ちで臨みました。もちろん、実物投影機やフラッシュカードの活用方法を学ぶ研修会はたいへん楽しかったのですが、圧巻はやはり「この本を読んで感想文を書いてください」と「自分の好きな(脳科学に関する)本を読んで、要旨をまとめなさい。」でした。いつも子どもたちに「さあ、作文を書きましょう」と言って書かせている私たちが、「自ら書く」というのは少し苦しいけれども楽しく、自分の力になると実感できる研修でした。そして、改めて書くことの難しさと大切さとをひしひしと感じることのできる研修でもありました。 さて、私はやっと実物投影機等のICT機器が少し使えるというスタートラインにたったばかりです。今後の課題は、まだまだ山積していますが、まず、3人の先生方から教えていただいた、「学習の苦手な子どもたちにとってもよりわかりやすいICT機器を使った授業の創造」と「ICT教育の中に子ども同士の学びを入れる教育の創造」を目指して教育実践を積みたいと思います。反省会の中で話された「先生は、教えることのプロだが、子どもは、授業を受けるプロなんだ。」という言葉も肝に銘じながら・・・。 最後に、研究発表会でのパワーアップタイムの時に、俳句を発表することに少し自信がない子のそばで、思わず口ずさんだ子どもの姿も私に大きな感動を与えてくれました。 今回の研究発表会は私自身のこれまでの研修のあり方に一石を投じるような、私にとっては、記念すべき研究発表会でした。 研修会を終えて・5私にとっても10分間のパワーアップタイムという形の学習形態が、これほど充実できたということは初めての経験でした。取り組む前は、基礎基本をどう育てていけばいいか、当たり前のことをテンポ良くすることでどれだけ子どもたちの力が表現されていくのか、半信半疑の部分もありましたが、手応えをはっきり感じることができました。そして、楽しく取り組めたこともとてもいい経験でした。 今回の研修を通して「アナログとICTの関係」「ICTの活用は授業のための手段である」ことに気付くことができたことは大きな収穫でした。 今までPCを利用することは苦手ではなかったのですが、活用する技術そのものが目的になっていたような気がします。今回の研修がなければ、フラッシュ型教材を作ることだけに力を入れるだけに終わっていたかもしれません。 アナログ的な要素をいっぱい加えつつ、ICT機器を利用することで、あくまでそれが手段であり、重要なことは発問や授業をどう組み立てるに行き着くことが実感できました。 実物投影機の使い方をとってみても、先生たちからいろいろなアイデアが出され、楽しく自由に利用していることが刺激になりました。そして何より子どもたちが大きな声を出して、授業に集中する姿を毎日見て、自分たちの実践が充実していたことを感じました。 研修会を終えて・4話に入れないのはどうも悔しいものです。そこで、そっと理科の時間に使ってみました。どんなものか。 それが実に便利なのです。子どもたちの「へちまの観察カード」を映した発表の授業や実物の根を映した授業では、子どもたちはじっと前を向きそれをもとに意見を出し合いました。小さなカードを黒板に張ったり手で持って発表していたりしていた授業とは比べ物にならない集中した時間になりました。 おもしろい! 使うのも面白いけれども、子どもたちがマグネットスクリーンに向き合いながら、意見を出し合う授業。「これか!」 それからは、国語の学習では漢字の答え合わせを実物投影機で行うと「あれ!そんな筆順で書いていたの?」「鉛筆の持ち方そうなの?」と今まで見過ごしていたことを発見したり、ハネやハライなどをしっかり書くようになったりしました。 たった、週4時間の授業ですが、今では「授業の前には必ずスイッチを入れる」ようになりました。 しかし、まだ私は「面白い」域に達してはいません。モジュール学習(パワーアップタイム)を極める(慣れてもいませんが)ことが必要です。音読、速読、百人一首、フラッシュカードを使った計算、C型の引き算等々。 ただ、基本は教師の授業力です。「子どもたちに分かる授業づくり」。そんな研修を続けていきたいと思っています。 発表会に来ていただいた先生から「いい研究しているな。」という言葉をいただきました。先生や子どもたちの前向きな姿勢・笑顔から感じていただいたのだろうと思います。楽しく、面白い研修の場づくりもしていくつもりでいます。 |
津市立太郎生小学校
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