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東風12月号

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東部中学校通信 Vol.8
平成29年12月 野呂一彦
「幸せ上手」

 朝、廊下を歩いていると、校舎内に風で吹き込んできた枯葉を拾ってくれている子がいました。友だちと一緒に何やら話しながら、せっせと拾っているのですが、何がそんなに嬉しいのかと羨ましく思うほど楽し気でした。そのとき、ふと思い出したのが、昔、国語の授業で習った枕草子の一説。

 枕草子「清少納言」第146段
 うつくしきもの 瓜に描きたる児の顔。雀の子の、鼠鳴きするに、躍り来る。二つ三つばかりなる児の、急ぎて這ひ来る道に、いと小さき塵のありけるを目ざとに見つけて、いとをかしげなる指にとらへて、大人などに見せたる、いとうつくし。(略)
 【現代語訳】
 かわいらしいもの。瓜にかいてある幼い子どもの顔。すずめの子が、(人が)ねずみの鳴きまねをすると飛び跳ねてやって来る(様子)。2、3歳ぐらいの子どもが、急いではってくる途中に、ほんの小さなほこりがあったのを目ざとく見つけて、とても愛らしい指でつまんで、大人などに見せた(様子)。

 12月は、人権の月です。人権感覚、人権週間、人権フォーラムなど「人権」という言葉をいっぱい耳にします。「人権」は、人が幸せになる権利ですから、「じんけん」を「しあわせ」に置き換えて読んでみてください。幸せ感覚、幸せ週間、幸せフォーラムという具合です。
 
 可愛らしいものを可愛らしいと思えることは幸せです。美しいものを美しいと思えることは幸せです。日常の何気ない一瞬に「幸せの種」を見つけて書き留めた清少納言の感性に驚くと同時に、彼女は「幸せ上手」なのだ思いました。「幸せの種」は、気づいていないだけで私たちの身の周りにたくさん落ちているものなのだと思います。この機会に、幸せ感覚を磨いて「幸せ上手」になってください。
 落ち葉を拾っていた子たちは、落ち葉と一緒に幸せの種を拾っていたのだと思います。

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