最新更新日:2024/09/26 | |
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東部中たより「東風」平成30年3月 野呂一彦 「ありがとう」 寒い冬の休日、とある駅前の道を歩いていますと、募金を呼び掛けているグループがありました。「よろしくお願いします。」白い息を吐きながら呼び掛けています。たくさんの人が歩いています。立ち止まって募金に協力している人もいれば、ポケットに手を突っ込んで足早に通り過ぎる人もいます。私は後者でした。「今、急いでいるから」「自分がしなくても」「ほんとに困っている人に届くの?」目を合わさず通り過ぎる自分を自分の中で肯定しています。 別の日、やはり同じように募金を呼びかけている人たちがいました。その日は何となく、立ち止まって百円硬貨を箱に入れてみました。「コトッ」まだあまり貯まっていない音がしたけど、「ありがとうございます」と大きな声と笑顔が返ってきました。ちっちゃなことだけどいい一日がいただけた気がしました。 困っている人に声を掛けるとき、英語では「Can I help you ?」と言います。直訳すれば「私はあなたを助けることができますか?」ですが、一般的には「お手伝いしましょうか?」くらいの軽い意味。恩着せがましくなくて実に良い表現だと思います。ちなみにポルトガル語では、「Posso te ajudar ?」と言うとジルマさんに教えていただきました。 ヘアードネイションに参加したことを作文に書いてくれた人がいました。ヘアードネイションというのは、美容院で切った髪の毛を必要な人に役立ててもらうために寄付することです。自分にできることを、それを必要としている人のためにトライしたという内容の作文でした。とても尊い行いだと思います。誰かに褒められるためでもなく、物やお金のためでもない、見返りを期待しない純粋な行為は本当にかっこいいし、美しい。日本語の「ありがとう」は、「有り難し」つまり、有ることが難しい「めったにない。珍しいこと。」から来ているそう。でも、「ありがとう」は、いっぱいあってほしい。そして「あなたの微笑みが私の喜びです。」こんな台詞を一度でいいから言ってみたい。 |
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