最新更新日:2024/09/26 | |
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東風平成29年10月 野呂一彦 「男坂・女坂」 京都に知恩院というお寺があります。大きな山門をくぐると、険しい階段があります。段差が40センチほどの階段が51段、一気に駆け上がると息が切れます。これを男坂と呼んでいます。その右側に、緩やかな段差の坂道がありました。女坂といって、この階段は段差が15センチほどです。どちらも上で合流しますが、男坂は急な分だけ距離が短く、女坂は緩やかな分、距離は長くなっています。 だれが、どの坂を上っても降りてもかまわないわけですが、その昔、着物を着た人や足の不自由な人には、40センチの段差を上るのはきつかっただろうと思います。そこで、誰もが登り降りできる緩い階段を作ったのは、昔の人のユニバーサルデザイン感覚なのかな?男坂、女坂の名前の由来は知りませんが、着物を着た女性の多くが、緩やかな階段を選んで利用したからか?急勾配で険しい坂と、緩やかで優しい坂のイメージが、その名前につながったのか? 世の中には、曖昧でわかりにくいことが多い。私たちは、曖昧なことは苦手なので、すっきりさせるために、ある程度、合理的な理由をつけて物事を解釈したがる傾向があります。それがやがて社会の常識となっていきます。この常識が覆った例の一つに「天動説と地動説」があります。16世紀以前は、多くの人は、地球の周りを太陽や月、星が回っていると信じていました。これが「天動説」。ところが、説明しにくいことが出てきて、地球自体も動いていないとモヤモヤするところから「地動説」が当たり前になり、現在、これが定説となっています。常識とか当たり前と言われていることの中には、「とりあえずこの様にしておきましょう」ということがかなりあるように思います。 男性と女性についても、もともと不確かなものなのです。身体的な特徴においても、心の性認識においてもポジションは曖昧で、人それぞれなのです。また、誰を好きになるか、ならないか、どんなタイプの人を好むか、好まないかも人それぞれです。時代は変化しています。同時に常識や当たり前も変わっていきます。近い将来、「かつて『男らしく、女らしく』という言葉があったらしい」という時代が来ます。自分らしく生きてください。男坂と女坂の間には、段差や勾配の違う無数の見えない坂が存在しているように思いました。 東風平成29年9月 野呂一彦 「学校校務員のおじさんは、」 朝早く学校に来ます。 そして、 壊れたざら板を直してくださいました。 割れた窓ガラスをはめ直してくださいました。 グランドの草刈りをしてくださいました。 スズメバチの蜂の巣を取り除いてくださいました。 「それが仕事だ」と言ってしまえばそれまでですが、目立たないところで私たちの学校を支えていてくださっています。 朝早く学校に来て、クラスの机を整理してくれる子がいます。 落ちているゴミを拾ってくれる子がいます。 剥がれた掲示物を張りなおしてくれる子がいます。 風で倒れた自転車を起こしてくれている子がいます。 泣いている子にティッシュを差し出す子がいます。 重たい荷物を運んでくれる子がいます。 「当たり前のこと」かもしれないけど、黙ってそれをできるあなたが眩しい。 伝えたい言葉は、ひらがな五文字。伝いたい気持ちは、漢字二文字。 花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 根は見えないんだなあ 【相田みつを】 10月 行事予定 1日(日)中体連新人大会 4日(水)三者懇談会→6日(金) 10日(火)後期始業式 15日(日)松阪市小中音楽会 17日(火)3年生進路説明会 25日(水)松阪市中学生駅伝競走大会 ルーティン平成29年夏休み 野呂一彦 「ルーティン」 午前8時20分、東部中の朝は、読書と学力補充(3年生)で始まります。時間が近づくと誰も何も言わなくても、それぞれが自分の意思で教室に入り、静かに時を待ちます。朝読が始まると、教室では本のページをめくる音しか聞こえません。読書に集中する静寂の時が流れます。毎日、当たり前のようにこの時間を過ごすことによって、知らず知らずのうちに集中力が身についていきます。 野球の世界で有名なメジャーリーガーのイチロー選手は、打撃を行う前に毎回同じ動作をします。投手に向けてバットを立てるしぐさはよく知られています。ラグビーWカップで活躍した五郎丸選手がキックの前に手を合わせる「拝みポーズ」も話題になりました。これは「ルーティン」と呼ばれる心理的なスキルです。同じ動作を習慣化することで迷いを排除し、自然な集中状態に自分を導いて、いつもと同じ動作ができるようにしているのです。 スポーツだけでなく、勉強や仕事、芸術など、私たちが「集中力」を必要とする場面はたくさんあります。また、自分の持てる力を十分に発揮するためには、いつもと同じ気持ちでトライすることも大切です。これを「平常心」といいます。では、いかにすれば「集中力」や「平常心」を身につけることができるのでしょうか? これです! 心が変われば、態度が変わる 態度が変われば、行動が変わる 行動が変われば、習慣が変わる 習慣が変われば、人格が変わる 人格が変われば、運命が変わる 運命が変われば、人生が変わる 一生一度の暑い夏、君自身のルーティンを身につけよう! 東風平成29年6月 野呂一彦 「あるもんでカレー」 おなかがすいた。何か作って食べようと思って、引き出しを探すとカレールウを見つけた。「そうだ、カレーライスにしよう!」 とりあえずご飯を炊いた。次に行ったのはレシピのチェック。 「簡単・基本のカレー材料」 鶏もも/豚こま肉 1枚/200g にんじん 1本 玉ねぎ 中1玉 じゃがいも 中3〜4個 カレールウ(固形タイプ、中辛) 1/2箱=6ブロック カレールウ(フレークタイプ、中辛) 大さじ6 冷蔵庫を開けて見つけたのが、こんにゃく、キャベツ、玉ねぎ。 「あかんやん!」それに豚こま肉てなんや?フレークタイプも分からん? でも、そこで諦めてしまわなかった私は、とにかく何とかしようと、調理に取りかかった。そしてできたのが、有る物で作った「あるもんでカレー」。それなりに美味しいと感じたのは私の自己満足。 美味しい肉があったら、また、にんじんやジャガイモがあればもっと美味しいカレーができたかもしれない。さらに、材料が完璧に揃わないから作り出さないというのでは、なかなかカレーに辿り着けない。 こういうことは、日常生活や仕事の中によくあることだ。そんなにうまい具合に条件が揃うとは限らない。材料を揃えたり準備をしたりすることは大切なことだが、手持ちの材料で何とか工夫するというのもまた、面白いチャレンジだと思う。「たら」「れば」を言わず、今、持っている長所を活かす試みからスタートしてみてはどうですかな?そのうち、美味しい「豚こま肉」という物が手に入るかもしれない。 学校だより平成29年5月 野呂一彦 「勝つための三要素」 野山の緑が一段と濃くなって、初夏の香りが心地よい季節です。今日も、グランドや校舎で子どもたちの掛け声や笑い声が響いてきます。各種の大会やコンクールで活躍する姿を目にします。そこで、今回のテーマは「勝つための三要素」 一、 基礎基本に忠実であること 二、 役割を果たすこと 三、 気働き 何事においても基本動作や基礎体力は大切です。高いレベルにあるプレーヤーもこの基礎がしっかりしているからこそ、様々な難しいプレーが可能なのです。しっかり身に着けておきましょう。また、行き詰ったときは基本に戻ることをお勧めします。それから、ルールを守るというのも基本です。これができないと、試合になりませんし、チームにも迷惑をかけてしまします。 二つ目の役割を果たすというのは、専門的な技術の習得が必要です。プレーヤーにはそれぞれ得意な分野があります。また、様々な場面において、役割をきちんと果たさないと作戦が実行できません。自らの個性を伸ばし、ここぞというときに力が発揮できるように練習を積みましょう。この時に大切なのは、試合の場面を想定して練習に取り組むことです。練習のための練習になっていないか常に自分をチェックしながら練習に取り組みましょう。 三つ目を身に着けるのが最も難しいことです。相手が何をしようとしているのか。味方はどのタイミングでどこにパスがほしいのか。その場にいる人の気持ちを読むこと。試合の流れがどうなっているかを読むこと。そして、自分の動きを選択しなくてはなりません。さらにはカバーリングです。プレーに失敗はつきものです。その失敗を最小限にくい止めるのは「気働き」の力です。カバーリングのうまい選手は味方の選手が失敗する前に動いています。 これらの力は、日常の生活から訓練をしていなくては身につきません。授業、掃除、クラブ、家での生活など、すべての時間が修練の場だと思ってください。 あとは「運」です。楽しみましょう。でも、こうやって身に着けた三要素は、必ずみなさんの将来に役立ちます。Good luck. 6月 行事予定 2日(金)体育祭 8日(木)前期中間テスト→9日(金) 20日(火)3年生進路説明会 東風平成29年4月 野呂一彦 「東部中 大好きです!」 田んぼに水が入り、早くも田植えの始まったところもあります。先日、登校途中の小学生が友だちと「なぁなぁ、田植えもう済んだ?」と話している声が聞こえてきて微笑ましく思いました。夜には蛙の大合唱が響いています。いい季節になりました。私が、東部中学校に赴任して四週間がたとうとしています。赴任する前には、「どんな学校やろ?」「どんな生徒に会えるやろ?」とワクワクしていました。そして、始業式、入学式、「おはようございます」という子どもたちの元気な挨拶と笑顔、一発で東部中学校が大好きになりました。 学校がきれいです。この「きれい」というのは単に学校の見た目が美しいとか、新しいという意味ではありません。丁寧に使い込まれていていい感じということです。学校の雰囲気というのは、その学校がある地域のカラーやここで暮らしたたくさんの先輩、そして、今、まさに学校生活を送っている子どもたち一人ひとりの思いがこもってできています。東部中の校舎からも素敵なオーラを感じます。 私の祖母が昔「物にはそれぞれ神様が宿っている」と言っていました。それが本当かどうか分かりませんが、道場に出入りするときは礼をします。心を込めてグランド整備するとエラーやケガをしないような気がします。きれいに磨いた体育館では、いいプレーができるように思います。丁寧に打ったボールは、思うコースに飛んでくれます。一生懸命に手入れした道具は自分を助けてくれるように感じます。鉛筆は大切に使いましょう。正しい答えを教えてくれるかもしれません。うまくいかないのは「愛」が足りないのかも。 東部中学校の校舎は、たくさんの人のたくさんの思いが詰まってできています。みんなで一緒に大切に磨いていきたいと思います。学校の校舎の半分は「愛」でできています。 |
松阪市立東部中学校
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