そぼかい　１１月号

『はぐくむ心　大きな心』

本校には、素直で素朴な子どもが多いです。赴任以来、子どもと共に過ごす中で、私の心にいつも浮かぶ子どもの姿です。その背景には、家庭の温かさや絆の強さと、地域との様々なつながりがあると考えます。ここでは、２つのことを紹介します。

１つ目は家庭です。１０月２日（日）の祖母懐スポーツフェスティバルでは、どの子も精一杯、競技に参加し、大いに楽しむことがでました。その子どもの競技に一喜一憂するお父さんやお母さん。さらには、お爺さんやお婆さんの姿、多くの地域の方の応援もありました。その晴れの姿を写真に撮ろうと、カメラは子どもに集中し、お昼休みには、どの場所でも楽しく会食する家族、町内会で輪になって昼食を食べる光景。このように家族や地域の方々の温かい付き合いが、子ども達に安心をあたえ、人と優しく接する大切さを教えているのではないでしょうか。

２つ目は、子ども達の安全を見守る「ゼロの日交通当番」。地域の方々が、登校時に交差点に立ち「おはよう」の言葉と共に、子ども達の安全を見守る活動です。優しい朝の挨拶に応える子ども達の大きな挨拶、他の地域では「最近は子どもが挨拶をしなくなった。」と言われる中で、本校の子ども達の大きな声での挨拶は、当番の方々の日頃の優しい声かけと、地道な活動の成果ではないか、また、その子ども達の列につき添うお母さん達の優しい姿がそうさせているのではないかと、心から感謝いたします。

　このようにして、家庭や地域の多くの方々が自分たちを大切にしてくださっていることを、身をもって感じ取ることで、大人や社会に対する信頼感を高めていると考えます。それはやがて、子ども達が大人になって社会に出た時、「社会のために役に立つ人間になろう」という気持ちを持つための基礎となるのではないでしょうか。

『親が、祖父母が、地域の方が、子どもの教師でもある』