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最新更新日:2023/05/20 |
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みんなちがって みんないい![]() ![]() おそらは ちっとも とべないが とべる ことりは わたしのように、 じべたを はやくは はしれない。 わたしが からだを ゆすっても、 きれいな おとは でないけど、 あの なる すずは わたしのように、 たくさん うたは しらないよ。 すずと、ことりと、それからわたし、 みんな ちがって みんな いい。 私の大好きなこの詩は、金子みすヾさんの「わたしと ことりと すずと」です。彼女は、明治36年山口県の仙崎に生まれ、地元の高等女学校を卒業後、童謡を書き始め、次々と感性豊かな作品を発表しました。あの高名な西條八十先生に、「若い童謡詩人の巨星」と期待された人でしたが、26歳の若さで世を去りました。その後、長い間埋もれていた遺稿が見いだされ、最近特に、その深遠な自然観や人間観が、注目を浴びるようになった人物です。 この詩は、多分大正末期に書かれたものでしょう。80年以上も前に、これほどみずみずしい感性で、自然や人間を見つめていた人がいたことに驚かされたものです。 私が感動したのは、「みんな ちがって みんないい。」という表現を通して、優劣のみを競うことから、お互いのよさを認めたうえで、他人を大切にするとともに、共生することの意味を「問う」ているところです。それは現在、私たちが忘れがちな側面ではないでしょうか。 今子どもたちは、一人一人違う個性的で、尊い花のつぼみをもっています。これから、それぞれに美しい花を咲かせるために、家庭や学校や地域で温かく見守っていきたいものです。 平成17年12月吉日 校 長 谷川 博 |
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