最新更新日:2024/06/01 | |
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笑瀾万丈30 音楽会当日一年生の一組、二組の子ども達全員が講堂の壇に入場した。指揮者が登場した。上月先生である。そして、ピアノの前にヒロシが座った。 会場からどよめきが起きた。きっと、ピアノの点検に来た人だと思ったのだろう。ところが、ヒロシはピアノから離れる様子はない。 心配そうな空気が流れてきた。 一年生の児童は、準備練習をヒロシと共にしてきたのでにこにこしている。会場の300名が、かたずを飲んで見守っていた。 上月先生の指揮棒が振り落とされた。ヒロシの指がピアノの鍵盤の上で踊っている。弾きながらうっとりするヒロシであった。三拍子のワルツ調の曲をヒロシは三分間見事に弾いたのであった。 終わった瞬間、安堵の空気が漂った。 |
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