最新更新日:2024/05/25
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三、『AandB』への教育への適用

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 三、『AandB』への教育への適用  
 「新しい学力観」について考えてみます。新しい学力観は明らかに評価の観点から登場してきました。四つの評価項目の順序が変わりました。
(1)関心・意欲・態度、(2)数学的な考え方、(3)表現・処理、(4)知識・理解です。
この変更は画期的なことです。従来、知識偏重からの脱却するためにはいい政策でした。もっと授業を楽しくして子どもの意欲を高めて下さいという願いです。
 さて、ここからが問題です。位置づけは理解できても実際の運用を正しくしないと道を誤るのです。AorBの視点に立つと、今までの全面否定になってしまいます。つまり、過去は間違っていてこれからは正しいということになります。
 そうすると、新しい学力観を提唱するお偉い人は年配の人が多いでしょうが、その人達は過去の人間ですから新しい学力観を主張すること自体意味がなくなります。そうではないのです。過去にも子ども主体の素晴らしい授業実践もあったのです。過去があって現在があり未来があるのです。だから、過去のいいところに学び新しい学力観を目指していけばいいのです。だから、「新しい」という文字ばかりが強調されると危険です。AandBの立場に立てば、年配の方は自信を持って新しい学力観を主張できます。      
 さて、上の評価の四つの観点について考えてみましょう。私の専門は算数科教育学ですが、この歴史をひもとくと二つの主張の対立ばかりです。即ち、「知識・理解、技能」対「数学的な考え方、関心・意欲・態度」の繰り返しです。生活単元学習、系統主義、現代化運動、基礎・基本、問題解決運動など対立の繰り返しです。その結果、どちらの主張も勝ったとえ言えません。それは、AorBの立場に立ったからです。
 算数科ではどちらが欠けても失敗するのです。問題解決をしようとしてもかけ算九九の基礎的技能は大事なのです。新しい学力観で関心・意欲・態度の面ばかり強調されますが、授業が表面的な楽しさだけで終われば、結局子どもに基礎的な学力がつかないのです。文部省は決して知識・理解・技能を軽視せよとは言っていません。現場で指導にあたる人は、文部省が出した資料をもっと吟味してほしいものです。
 AandBの立場で、(1)から(4)までがバランスのとれた四拍子ひろった学力観が必要です。特に、算数科は累積性の強い教科なので基礎的なことが「分かる」「できる」ことが絶対必要なのです。それを子どもたちに保障してから、さらに思考力・表現力・判断力をめざしていくべきです。
 そう考えると、今度の新しい学力観は教師にとってしんどいことなのです。これまでだと、どちらかの立場に立てばよかったのが、みんな大事だよと言われているのですから。
 AorBからAandBへの視点に立つと、指導と支援、個別学習と集団学習、問題解決型授業と説明型授業、管理職と教職員、などの関係が見えてくるはずです。対立ではなく共生・共創へと調和を図るように考えてみて下さい。






船井幸雄の人間学の教育学的応用  [1]   「 AorB」から「AandB」で考えよう

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人間観編
 船井幸雄人間学の教育学的応用     
「`AorB」から「Aand B」で考えよう                                             
   
                                                                                一、はじめに
 故郷神戸の地震をきっかけに論文「船井幸雄の人間学に学ぶ教育のあり方」を書きました。(現在、「夢現大3」に再収録しています。)これは,船井幸雄氏の著作物より学んだことを教育の世界へ置き換えたものです。船井幸雄氏は経営コンサルタントの会社の会長であり、また、人間学の研究の専門家です。なぜ、この論文を書いたかというと、船井幸雄氏は以前から時代の転換期であることを予測しており、また、これからの時代を乗り切る一つの指針を持っていると思っていたからです。
 この論文では、五つのキーワード<
(1)運のつくこつ、
(2)長所伸展法、
(3)創造の理、
(4)本物をめざすこと、
(5)プラス発想>にそって教育への応用を述べました。この五つは船井氏の基本となる哲学です。この論文を基に新しい論文を書きました。船井幸雄編著「THE FUNAI」:『本物教育のすすめ』(ビジネス社)に納められています。是非読んで下さい。
 これから、船井氏の人間学を基に教育のあり方について述べます。ただし、上の論文と同じことを書くのは精神衛生に悪いので、それを読むことを前提として話をすすめます。できる限り新しい視点で書くつもりです。                      
二、AorB から AandBへ   
 現在は時代の転換期です。何が起こっても不思議ではなくなっています。だから、何を信じたらいいのか分からなくなっています。しかし、はっきりしてきたこともあります。  船井氏は、それを「AorBからAandBへの時代」とを主張しています。確かにそうです。アメリカとソ連の対立の解消、自民党と社会党の共同政権、経済的国境の消滅、地球的規模の交流など統合化が見られてきました。
 教育の世界でも文部省と日教組とが和解したのはAandBの表れです。だから、物事を見つめるのにAorBではなくてAandBを考えていくとよいのです。言い換えると、対立から共生・共創の社会への変化です。
 船井氏は、『日本の最前線』(PHP研究所) という本の中で次のように述べています。  「いうならば世の中全体が要素還元主義から要素同化主義にかわりはじめたのです。『AorB』から『AandB』になろうとしています。」 そこで、船井氏は「包み込みの発想」が大事で あると言っています。AもBもお互いが慈愛を持ち長所を生かして調和をとることです。
 遠藤周作氏も『らくらく人間学』(青春文庫)の中で二分法なるものの弊害を説いています。
 また、元東京工業大学の森政弘氏も「まじめ」と「不まじめ」にあてはまらない「非まじめ」思考法を提唱し二分法からの脱却を説いています。


第13回 7月第2週「挑戦する意欲を引き出す〜発言編〜」

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授業力アップわくわくクラブサロン会員のみなさま

こんにちは。
「ユニバーサルデザインに基づく学級経営」動画を配信します。
第13回 7月第2週「挑戦する意欲を引き出す〜発言編〜」

    授業力アップわくわくクラブ 近藤雅子
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