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「思い考える」の教え痛感

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[新校長日記]


座右の書「福武の心」

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 年間の教育活動を振り返る時期だ。今年、学校評価シートが新しくなった。ひろく保護者にも評価いただこうと、開かれた学校づくり協議会が取り組み、田中靖子副会長が中心となって改定した。保護者も参加して勉強会も開いた。全家庭と協議会委員に評価シートを配り、結果が集まってきているという。保護者や地域の支援の姿勢が心強い。評価の指摘を真(しん)摯(し)に受け止め、新年度の経営計画の中に生かしていきたい。


 校長になって間もなく2年。判断を下す際、あの方ならどうするだろうと思い浮かべる人がいる。福武書店(現ベネッセ)の創業者、故・福武哲彦氏だ。幼いころ父親と生き別れた私にとって父のような存在だった。


 私が福武書店に入社したのは76年。社員200人弱の地方出版社だった。終戦後の混乱期に出版業を興した哲彦社長はもと小学校教師。学校のような雰囲気で、年度の区切りも始業式、終業式と呼んだ。9月になれば「2学期が始まった」。月曜には全社員を集めて講堂で朝礼があった。そこでの訓話や社内報での発信をまとめたのが「福武の心―ひとすじの道」。私の座右の書、哲彦社長語録である。


 赴任する前、現会長の福武總一郎氏から「志を持てよ!」の励ましの言葉と共にいただいた。新年度の学校経営計画を立案する今、読みかえして心に留まったのが次の二つの訓話だ。


 ●「これでいいんだ」と思うな(83年2月17日)


 「いま私たちは来年度の計画を立てているが、いちばんうれしく思うことは、今年はよくやった、これでいいといったムードが全くないことだ。満たされたと思えば、後は欠けるだけである。夢と希望に満ちた計画も、未来を先取りする姿勢も生まれてこない。現状に満足したら意欲は減退し、守りの姿勢になって発展は望めなくなる。立ち止まるということは、退くと同じだと思わねばならない」


 ●思いに思い考えに考え続ける(84年5月14日)


 「『思う』ということは『気がつく』事につながる。思いは頭の働きをよくし、ひらめきを生み、よいアイデアを生み出す源泉である。わたしは朝起きたら、まず今日は何をやってやろうと思い、思い続けながら出社する。思いに思い、考えに考え続けて30年。それが今日の福武書店をつくりあげた。目覚めたときから毎日『思い考える』くせをつけていただきたい」


 痛感するのは、こうした教えは学校経営にも通じるという確信に似た思いである。


 1年を振り返って自省する。学校で、よくやったと子どもや教職員をほめる。ついでによくやっていると自分自身をほめ、慢心してはいないか。学校のことが分かったつもりになり、感度が鈍ってはいないか。


 子どもたちに基礎基本の学力をつけようと始めた朝の音読や計算ドリルの取り組み方はベストだったのか。学校を開き、教育活動を保護者や地域に知ってもらう活動はホームページや掲示板、学校便りだけで十分だったか。土曜スクールの講師や、毎朝の街頭での交通安全指導にあたる地域の方に、やりがいがあったと感じてもらえるような対応が出来ていたか。


 一つ一つの取り組みを思い起こしてみる。限られた時間と教職員数を考えると、より効果を上げる工夫や改善、個々人の資質向上が必要なのだ。いつも心を新たに、みずみずしい精神を保ちつづけようと思う。


                 足立区立五反野小校長  三原 徹

  (2006年2月11日 朝日新聞第2東京面に掲載されました)


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