最新更新日:2013/03/25
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ありがとう五反野小学校!さようなら五反野小学校!

充実した英語活動研究授業の協議会(6月30日)

 29日の午後、3年1組のクラスが行った英語活動の研究授業は、講師に、文京学院大学 外国語学部 教授で子ども英語教育センター長、教育学博士の、アレン玉井光江先生をお迎えした。
 アレン先生を加え全教員で参観したあと、協議会(振り返りと学びの場)を行った。
 通常の教科の授業ではない「英語」だけに、参観した同僚教諭たちも、小学校英語という新しい領域に対して、自分はどういうスタンスを取ればいいのか、どう評価すればいいのか判断に迷うところがあったようだ。「どう見ればいいのか」「どう考えればいいのか」など、講師のアレン先生にアドバイスを求める声が相次いだ。
 
 アレン先生からは、「英語教育のキーワードは『たくましさとしなやかさ』。」「言葉を学ぶことは、新しい自分を創り上げていくこと。」「教師が先頭に立って、子どもたちのロールモデルとなってあげよう。失敗も見せてあげよう。」「いままでは『やる』ことに意味があった。これからはコンテント・ベース(内容重視)。」など、暗闇に差す一条の灯りのように、本質を抑え、ご自分の信念も披露くださりながら、示唆に富んだ講義をいただいた。
 参加した教師たちも全員、童心に帰って身振りつきの「I Love You」の歌を覚えるなど、導入と授業のおわりに子どもたちといっしょに歌う歌の指導もしていただき、中身の濃い、大きな学びの午後(3時間)であった。

 アレン先生、大変ありがとうございました。

                  五反野小学校長 三原 徹

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1年生への創作民話読み聞かせ(6月29日)

 28日。1年2組の4時間目の国語の時間をもらい、創作民話の読み聞かせをした。これで1年生は3クラスともお話ししたことになる。
 昨日は、茨城県潮来市と行方郡の校長会の方33名が視察に来校され、対応で時間がぎりぎりになってしまったが、1年2組の子どもたちは高草木教諭の言うことを聞いて、みんな前を向いていすに座り、行儀よく校長が教室に来るのを待っていてくれた。
 お話は、他のクラスと同じで斉藤隆介氏・作の「ソメコとオニ」と「ひばりの矢」の2作だ。斉藤隆介氏の創作童話は「モチモチの木」が有名だ。「ソメコとオニ」がおわると、「え〜、もうおわり?」「もっとききたい!」というリクエスト。準備の「ひばりの矢」も追加でお話した。
 写真は、話を聞いた後、高草木教諭から「また、校長先生のお話を聞きたい人?」の問いかけに、「はい!!」と手を上げる子どもたちだ。

       この手の高さ!!!  …次のお話を仕込まなくては! 

             6月29日  五反野小学校長 三原 徹
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茨城県潮来市・行方郡校長会が学校視察で来校(6月28日)

 茨城県の潮来市と行方郡の小中学校の校長先生がた33名が本校に視察でご来校くださいました。
 バスで潮来からお越しになられたのですが、9時過ぎにはもう到着されました。ずい分と朝早く出発されたのでしょう。お疲れ様でした。
 五反野小学校が文科省から研究実践を指定されたコミュニティスクールへの取組み過程と現状についてご紹介し、関心のある項目については突っ込んだ説明もさせていただきました。
 予定の11時半までしっかりと、充実した視察をしていただけたのではないかと思いますが、いかがだったでしょうか? 本校の取り組みの紹介に、来校いただいた各学校の参考となるものがあれば嬉しいです。

                五反野小学校長 三原 徹
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夏の日差しを受けてぐんぐん育つ花壇の植物達(6月27日)

 梅雨がどこかへ行ってしまい、ここ数日は真夏を思わせる暑さが続いています。
 新しくできた鉄筋のへちま棚の下ではへちまの苗が、1年生が世話をする植木鉢の中では朝顔が、3年生が世話をする植木鉢の中では鳳仙花が、夏の日差しを跳ね返すように、ぐんぐんと大きくなっていってます。
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トンボ!

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 さっき、野田副校長の世話でヤゴがトンボに羽化した話を紹介し、ふと校庭を見ると、トンボを引っ張っている子どもたちがいる。
 梅雨の晴れ間に、寸暇を惜しんで校庭の整備をしている。聞いたら体育委員の子どもたちだそうだ。
 「これは私達のお仕事だから」と、周りでサッカーに興じている友達を横目に見ながら、うらやましがる風もなく黙々とトンボを引いている。

 いい子でしょ!? 五反野小学校の子どもたちは!

                  五反野小学校長 三原 徹

雨の日は外遊びができません(6月23日)

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 雨の日は外遊びができません。教室や廊下で騒ぐことも禁じられています。そこで子どもたちの思いついた手は??
 「校長室に行って、折り紙を教わろう!」3年生の児童5名が、2時間目と3時間目の間の大休みの時間に校長室へ遊びに来ました。
 緑色の折り紙で、アマガエルを折ろうというのです。時間切れで、折りかけのままおいて、3時間目の授業に行きました。
 校長室のドアは開いたまま。雨の日の休み時間は、ちょっと遊びに来る子どもたちで、校長室がにぎやかです。

                五反野小学校長 三原 徹

文部科学省から、学校給食を視察いただきました(6月22日)

 本日、文部科学省から田中給食調査官、学校給食係・中西様、健康教育企画室・緒方様の3名の方が五反野小学校を視察くださいました。また、東京都の学校健康推進課からも飯田副参事と黒葛原(つづらはら)栄養士が、足立区教育委員会からは中川学務課長と吉村学校給食係長がお越しくださり、学校給食の実態についてつぶさに見ていただき、またいろいろとご質問いただきました。

 「食」についての教育を意識しない家庭が多くなっていると聞きます。子どもたちに給食を通して学んでほしいと思っているのは、人はみな他の生き物のいのちや自然に支えられて生きているということです。お昼になればあたりまえのようにおいしい給食が出て、あたりまえのように食しているけれど、給食ができるまでにどれだけ多くの人が手をかけて、この給食になったのかを知ってほしいということです。
 そこにいのちの大切さを感じ、働く人たちへの感謝の心を持ち、こころから「ありがとうございます。いただきます。」といえる子供たちに育ってほしいと思うのです。

                 五反野小学校長 三原 徹

写真上から
1.給食室で調理の様子を視察中の文科省・田中給食調査官と東京都・黒葛原(つづらはら)栄養士
2.今日の給食を試食する視察団の皆様
3.本校栄養士の小田先生に、食育に関する質問が集中

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愛知県春日井市小中学校の校務主任の先生方来校(6月21日)

 6月21日、愛知県春日井市は小中学校の校務主任である9名先生方が、本校の視察に訪問してくださいました。春日井市は本校で活用している校務ソフトの開発会社がある町であり、お世話になっているとの感覚から、つい力を入れてコミュニティスクールの取り組みや校長の考える学校改革等についてもお話させていただきました。
 春日井市の先生方、遠方をお疲れ様でした。
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「今日の給食」あふれる愛情

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[新校長日記]


ホームページ一番人気
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 給食の時間はいつもにぎやかだ。牛乳、きなこ揚げパン、五目スープ、ツナ入りサラダと冷凍ミカン。きなこ揚げパンなんて最高の人気メニューだ。「こんどは、もっと大きい揚げパン作って!」。お願いコールを聞く栄養士の小田孝子先生の顔がニコニコしている。

 今年3月、異動の内示を聞いて、小田先生は思わずため息をついたそうだ。「小学校へ戻るなんて」。小学校に20年勤め、中学へ変わって12年たった。このまま中学の栄養士で終わるものと思っていた。中学なら献立や味付けは大人向けに1種類考えればよい。小学生の場合、低・中・高学年ごとに味付けや食材の量を変える必要がある。

 栄養士になりたての33年前、校内調理が主流だった。ベテランの調理師たちがどこの学校にもいて給食の献立を決め、口を挟む余地などなかった。栄養士の仕事は旬の食材をバランスよく使い、児童の成長に必要な栄養素をどう供するか考えることだ。懸命に勉強したという。

 赴任して学校要覧を開き、「縁があったんだな」と妙に納得した。昭和27年創立。五反野小学校は自分と同い年だ。

 新入生にとって初の本格的な給食の出る4月14日。献立は牛乳とカレーライスとサラダとフルーツゼリーだった。最初は戸惑っていたようだが、おいしかったと見え、よく食べてくれた。ホッと一安心。

 それから毎日、1年生の教室に出かけた。勘が戻るにつれ、子どもたちがかわいくなってきた。和風の煮物は苦手だが、「今日の料理は1年生のみんなのことを考えて味付けしたので、きっとおいしいと思うよ」と話すと、食べてくれる。恐る恐る口に運ぶ顔がとてもかわいい。「量が多くて食べられそうもなかったら、少しおなべに戻していいよ」と声をかける。

 「食」に関して指導もする。食材のこと、献立のこと、食事のマナーのこと。目を輝かせて聞いてくれる。

 何度もお代わりする子がいる半面、好きでない子は給食とにらめっこ。次にはにらめっこをする子がいなくなるよう工夫しようと思う。完食が目標だ。

 勉強も遊びも存分にできるよう元気な体をつくってほしい。民間委託の給食会社員を指導しながら献立に工夫を凝らす。小田先生にプロ根性と子どもたちを見る目の温かさを感じる。

 5月の連休明けから小田先生は、学校のホームページにデジカメで撮った給食の写真とメッセージの掲載を始めた。給食の日は毎日だ。文章を書くのは難しいが、給食について知ってもらえて楽しいという。行間には子どもたちへの愛情があふれている。

 「今日の給食は牛乳、きつねうどん、フライドポテト、杏仁(あんにん)豆腐です。油揚げは特注品。甘めに煮ました。好きでない子もいるのです。うどんはみんな好きです。あっという間に売り切れましたが、その前にポテトが即完売! 煮物のお芋は好きでなく、油で変身すると大人気の食べ物になってしまうのです。『次はもっとたくさん作ってあげるね』なんて、安請け合いをしてしまいました」

 4月末にホームページ(http://www.adachi.ne.jp/users/adgota/)をリニューアルした。小田先生の「今日の給食」が一番人気だ。「『給食室』からの毎日の情報はいいね」と、称賛や激励を多くの方からいただく。校長はひそかにニンマリしている。

    足立区立五反野小校長    三原 徹

      (2005年6月11日 朝日新聞第2東京面に掲載されました)


あふれる感受性を大切に

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[新校長日記]


「生きる」昆虫から学ぶ
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 夏が近づき、子どもたちの待っていたプール教室がまもなく始まる。それに備えて清掃をした。足首ほどの深さまで水が抜けたところで、いったん排水を止めた。3年生が歓声を上げ水に入る。ヤゴ救出作戦の開始だ。泥をすくって集めるグループ、その泥を容器に受けてヤゴを探すグループ。たくさんのヤゴを助け出すことができた。立派なトンボになれるよう最後までしっかり育ててほしい。

 3年1組は、生き物大好き学級だ。担任の坂本治枝教諭が自宅からバラの花を持ってきた。香りにひかれて教壇の前に行列を作る。落ちた花びらもかぎ、「落ちてもいいにおいがする」と発見を報告してくれる。もちろん虫も大好きだ。その1組で感動的な話を聞いた。

 みんなで青虫を飼おうということになり、学校の菜園で探したが、見つからなかった。知人にお願いしてキャベツの葉と13匹の青虫をわけてもらったのは、5月の連休明けだった。

 「フンだらけだ」「汚い」と嫌がる子たちに、坂本教諭は栄養士の小田孝子先生から分けてもらった新しいキャベツの葉をわたし、「引っ越しをさせてあげよう」と提案した。まとめて飼っていた箱から、班ごとに2〜3匹ずつを引き取った。自分たちの幼虫となると話は別だ。

 触ると、ぷにょぷにょしている。体もフンも緑色だ。「キャベツしか食べてないから緑色になるのかな」「フンもキャベツのニオイがするよ」「かわいいね」「きれいだな」。みんな懸命にお世話した。最初はこわごわだった女子の方が頑張った。

 ある日、1匹の青虫の体から小さい黄色い虫が出てきた。蜂の産みつけた卵が幼虫となり、体を食い破って出てきたのだ。青虫が弱っている。黄色い虫を捕ったが、青虫は死んだ。

 それからは「農薬のついたキャベツも体に悪いかも」と水道でよく洗ったものを与えるなど一段と熱がこもった。

 さなぎになったのは数匹だ。5月末、運動会の前日、うち一つの羽が透けて見えてきた。運動会当日の朝、「チョウチョになってる!」。1羽のモンシロチョウが虫かごにつかまっているのを、当番が発見した。羽化の直後は羽が縮んでいて飛べない。「運動会が終わったら放してあげよう」。教諭の提案に、みんな納得した。

 運動会が終わり、われ先に教室に駆け戻ってみると、すっかり羽も広がっていた。窓のところまで連れて行ってかごの口をあけ、外に放してあげた。

 「さよなら」「元気でね」と涙ながらに手を振る子どもたち。運動会の練習と同時に始まった青虫生育体験は、運動会の当日に感動の終幕を迎えた。

 後日、子どもたちが書いた3行日記には「人間は何年もかけておおきくなるけれど、チョウは早く大人になるんだね」「どの虫も全部は大人になれないんだ」「人間にはお母さんがいて守ってくれるけど、青虫は自分の力だけで大きくなるんだ」といった感想が並んだ。

 「人間はお母さんが守ってくれる」。その言葉には家族への絶対的な信頼がある。家庭が見えるようだ。なんと幸せな子だろう。目を見てしっかりと話を聞くお母さんなのだろう。

 子どもたちは、あふれるほどの感受性を持っている。大人が忘れてきた、小さなものを大切にする心を持っている。その心を持ち続け、成長してほしい。坂本教諭の、子どもの心に寄り添った指導に拍手を送りたい。
 
   足立区立五反野小校長 三原 徹

      (2005年6月4日 朝日新聞第2東京面に掲載されました)



運動会練習で縮まった距離

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[新校長日記]


教師も子どもも育つ
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 21日は運動会。日差しが強く、汗ばむ陽気だった。1年生は入学して2カ月だが、どの競技、演技も最高の頑張りをみせてくれた。子どもは育つということを実感する。

 「おかあさんに上手だったっていわれたよ」

 「よさこいエイサー琉球王が、かっこよかったって」

 みんな満足げだ。学校生活を送れる大きな自信をつけたことだろう。

 その疲れも抜けきらぬ25日、1年生は初めて、荒川土手に出かけた。五反野小学校は生活科の授業として、春と秋と冬に1、2年合同で土手探検をする。季節によって変わる土手の植物や虫を観察したり、草花で遊んだりするのだ。1、2年が縦割りグループに分かれ、2年生に草花やそれを使った遊びなどを教えてもらう。摘んで学校に持ち帰り、しおりづくりもする。

 子どもたちは、採った草花などを入れるポリ袋、軍手、虫めがね、虫かご、図鑑、水筒などを手に手に持ち、土手に向かった。

 1、2時間目の探検で、草花や虫をみつけ、持ち帰って3時間目に図鑑などで確認し「みつけたよカード」に絵や文字で表す。しおりを作って完成だ。

 1、2年合わせて6クラス、200人近い集団を引率する教師に、ひときわ背の高い男性がいた。1年2組の担任、高草木(たかくさき)政浩教諭(41)、教師歴18年のベテランである。

 身長178センチと、五反野小学校で一番の長身で声も大きい。体育会系で色が黒く、バレーボール、水泳はじめ、何でもござれ。生活指導主任でもあり、いままで受け持ったのは、ほとんど5、6年生だった。「何をしているんですか」。言葉は丁寧だが、低い声でビシっと注意する。「さ、それでは68ページを開いて」。一転して高い声で授業に誘う。メリハリが持ち味だ。

 小学校の教師は全学年の担任を経験するのが望ましい。しかし、実現させるのはなかなか難しいのが実情だと聞く。

 教師たちの気力が充実し、学校の勢いが増している五反野小学校は、いまが思い切った布陣を試みるチャンスだ。異動に伴う教師の新陣容がはっきりした3月末、新年度の組織編成にあたってそう考えた。かくして、1年担任、高草木教諭が誕生した。

 4月当初、新入生の目に映る高草木教諭は「すこしこわかった」。子どもの目の高さは、ほぼ1メートル、はるか上から先生の声が落ちてくる。教師の方も戸惑い気味だった。5、6年生なら話せばわかるが、1年生には、どう対処すればいいのだ。

 全校朝礼のときなど、優しい声で廊下に並ばせる。のっぽの熊が、手をつないだヒヨコたちを引率する、校長の目にはそんな風に映った。

 5月も終わりに近づき、子どもたちにきくと、「今はそんなにこわくない」「なにをしたらしかられるかがわかった」。運動会の練習を通して、双方の距離が一気に縮まったのだろう。

 いま、高草木教諭には悩みがひとつある。腰痛だ。子どもの話を聞こうとすると、どうしても前かがみになり、腰に負担がかかる。

 それでも、毎日が楽しくて仕方ない。教師としての幅を広げる貴重な経験を、教え子たちとともに積み、確かな自信につながっていくからだ。よい学校は、教師も子どもも育てる。誰にでも学びのある、そんな学校になりたい。

          足立区立五反野小校長     三原 徹

  (2005年5月28日 朝日新聞第2東京面に掲載されました)


朝のパワーアップタイム:創意工夫の漢字学習(6月7日)

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 ドラクエの音楽とともに始まる朝のパワーアップタイム。今朝の学習はどんなことをやっているのかなと、低学年の教室を回ってみた。

 へぇ〜っと感心したのが、2年1組の大塚光代教諭の教室で行われていた漢字の学習だ。

 五反野小学校では、その学年に出てくる漢字を「夏休みまでに全部覚えよう」と、子どもたちに働きかけ、朝のパワーアップタイムを使って、漢字と熟語の学習を進めている。

 漢字を覚えるのに、とにかく書いて書いて、手に覚えこませるというやり方もある。だが2年1組の今日のパワーアップタイムは違った。

 たかい=「高」は高校の「高」であることから、人の一生は全部漢字で表すことができるのだという話を、子どもたちは大塚教諭から聞いていた。「生」「保」「幼」「小」「中」「高」「大」「社会人・・・。みんなの目が輝いている。

 どうすれば、学習することが子どもの身についていくのか、それぞれの教師達の創意工夫がそこにある。

 見つけたよい指導法を教師みんなで学びあい、共有し、お互いが活用することで学校全体の教育力が上がっていく。

 面白い試みだね、大塚先生。

                  校長 三原 徹

朝の運動場(6月7日)

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 五反野小学校の運動場は乾くと砂ぼこりがひどい。少し風が吹くと舞い上がり、学校周辺の住民の方に迷惑をかけてしまう。

 校庭にはスプリンクラーが設置されているが、故障が半数に及び、散水でなく水溜まりつくりの機械と化しているため、使用できない。

 だから、運動場が使える晴れの日は、こうして主事の小川啓一さんが広い運動場に水道から散水をしてくれる。子どもたちが思う存分運動場で動き回れるようにと丁寧に黙々と水を撒いてくれている。こうした陰の力に支えられて、子ども達の学びが積み重ねられていく。

                 校長 三原 徹

見る見る上達、演奏の力

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[新校長日記]


地域の支援、貴重な指導
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  朝7時過ぎ。出勤すると、子どもたちが何人か来ていて、運動場に引かれたラインを確かめるように歩いている。

  開催が迫る運動会に、今年はじめてフラッグ隊が登場する。旗を揚げながら、金管バンドの演奏にあわせて縦横に行進する。そのメンバーがおさらいをしているのだ。

  金管バンドのメンバーも続々登校してきた。手に手に担当の楽器を持ち、朝礼台の前に集まってくる。

  待ち構えていた音楽専科の寶田(たからだ)雄介教諭から指示が飛ぶ。金管バンドとフラッグ隊が整列して大脱走マーチが流れる。メロディに合わせて前に、横に、斜めに、複雑な行進が始まる。

  金管クラブの子はおとなしい子が多かった。今年から「はい!」と返事をさせることを心がけたそうだ。屋外で動きながら演奏するマーチングを取り入れたところ、元気になったという。

  楽器の中ではトランペットが一番人気だそうだ。主旋律を演奏でき、花形と思うらしい。しかし、地味だけれども、土台を支えるテューバやユーフォニウムなども欠かせない。それを理解して、こうした楽器を選ぶ子もいる。

  6年生を送り出して1ヶ月余り。新4年生を加えた新生金管バンドクラブは、まだ安定した音を出すには程遠い。子ども自身が悔しい思いをしている。だから、練習を重ねる。親兄弟や祖父母、地域の方に成果を見てもらうと一生懸命だ。

  五反野小学校の子どもの大半が進学する第十一中学の金管バンドは、日本一の栄光に何度も輝いた。耳の肥えた地域住民にとって、いまの五反野小の金管バンドは満足のいく仕上がりではないかもしれないが、温かく見守ってほしい。

  寶田教諭の専門はピアノと声楽。金管やマーチングバンドは専門外だが、地域に住む日本マーチングバンド指導者協会員の須永昌弘さんに指導をお願いした。餅は餅屋だ。当を得た指導をうけ、見る見る上達していくのがわかる。

  須永さんを紹介したのが、4年担任の倉橋公子教諭だ。自分の学年の練習指導だけでも手いっぱいだろうに、朝のマーチングの練習にも参加する。多くの眼を通して指導することで、レベルを少しでも引き上げてやりたいからだ。

  地域ボランティア、担任も一体となったチームワーク。「こうした体験は6年間の音楽教師生活の中で初めて」と寶田教諭は言う。

  教師といえども、すべて自分で指導できるわけではない。その道に長(た)けた保護者や地域の方のご支援がぜひともほしい。

  今回、学校から保護者や地域の方に学習支援ボランティア、つまりゲストティーチャーとして登録するようお願いした。

  地域の昔を知る人、戦争体験や被災体験を語ってくださる人、華道や日舞といった伝統文化に詳しい人なども希望だ。赤ちゃん産んだ経験の語り手なら、おかあさん全員が有資格者だ。「自分の特技や力が役に立つのではないか」とお考えの方がいらっしゃれば、まず学校へ声をかけていただきたい。

  ゲストティーチャーの指南も受けながら、金管バンドは練習に追い込みをかけている。小学校の一番の思い出は運動会だ。連休明けから練習を積み重ねてきた。どの子の顔もきりりと引き締まり、体中に力がみなぎっている。21日は五反野小学校の運動会の日だ。時間のある方はぜひお出かけいただきたい。

             足立区立五反野小校長 三原 徹

  (2005年5月21日 朝日新聞第2東京面に掲載されました)

子どもの話、聞き返して

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[新校長日記]


5W1Hを大切に
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 五反野小学校の校長室にはソファがあり、10人までの来客はここで応接する。それ以上のお客様がある場合、図書室が臨時の応接室となる。

 6日朝の校長室の混雑は半端ではなかった。90分間に200人近くが入れ替わり立ち代わりやってきた。新1・2年生が1人ずつペアになって校内を回る学校探検隊の一団だ。

 校長室や事務室、職員室、保健室に給食室、家庭科室に理科室などが記された探検カード(見取り図)を片手に、校内を歩く。カードには行く先々での行動が指示されている。例えば校長室では、校長先生に自己紹介をし、握手をして訪問確認の印を押してもらう。事務室では図工で使う色画用紙の置き場所を見つける、といった具合だ。各部屋に張ってある文字(校長室は「お」)を見つけ、カードに記入していく。すべての部屋を回ると、隠されたキーワードが明らかになる仕掛けだ。

 2年生は昨年も探検した。新担任の梶田知代教諭の話では、「2年生は1年生にメダルをあげるんだよ」「暗号指令みたいなのがあった」と記憶をたどり、「理科室には骸骨(がいこつ)がある」「職員室は先生が仕事をするところ」など、自分たちなりに1年生にどう説明するのか入念に準備を進めたという。悩んだのが事務室と主事室で、これは後日、聞きに行こうという結論に落ち着いたそうだ。

 直前の4月28日は顔合わせの日だ。ペアを組む1年生と互いに自己紹介をし、一緒に手をつないで探検する練習もした。

 当日。少し得意げに鼻の穴を膨らませて、2年生が1年生をエスコートして校長室までやってくる。「はじめまして。私は1年○組の○○○○です。よろしくお願いします」

 私は汗だくになりながら握手をし、特製の「とおるちゃん」印(○の中にひらがなで「とおるちゃん」と刻んである)を押していく。「エーッ、とおるちゃんだ」「とおるちゃんだって!」。子どもたちは大喜びだ。

 今年のキーワードは、校長室の「お」から始まる「おくじょうにあつまりましょう」だった。回り終えて指令のわかった子どもたちは、歓声を上げて屋上をめざす。屋上では担任たちが待っていて、探検完了の子どもたちにエールを送っている。

 5月は行事が目白押しだ。学校探検、運動会、荒川土手探検。体験を重ね、驚くべき速さで子どもたちは成長する。帰宅してから、意気込んで学校での体験を話すだろう。話したくてたまらないのだ。自分から話そうとする、その気持ちを大切にしてあげたい。

 家庭で、子どもの話を聞いていただいているだろうか? 自分の言いたいことを一生懸命に言おうとするあまり、なにを話しているのか理解できないといった経験はなかっただろうか。

 ここでお願いがひとつある。かわいいからといった気持ちが先にたち、察しのよい親にはならないでほしい、ということである。そんなときは、話を5W1Hに整理しながら聞いてあげていただきたい。(1)いつ(2)どこで(3)だれが(4)なにを(5)なぜ(6)どのように、六つのポイントだ。ひとつひとつ聞き返す物わかりの悪い親を演じることにより、子どもは自分の考えを整理して伝えられるようになる。

 人に正確に自分の気持ち、考えを伝えること。生きるために大切な能力である。それが、実は、こんな些(さ)細(さい)なことで身についてくるのだ。

   足立区立五反野小校長    三原 徹

         (5月14日 朝日新聞第2東京面に掲載されました)



教育活動、目に見える形に

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[新校長日記]


学校マニフェスト説明
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 4月27日午後、五反野小学校の保護者は忙しかった。学校総会とPTA総会、PTA歓送迎会が立て続けに開かれたからだ。忙しい保護者のみなさんに負担をかけすぎないよう、PTAの行事に相乗りする形で学校総会の開催を決めた。仕事を休んで駆けつけてくださった方も多かったと思う。

 学校総会は昨年、私が校長に就任してから始めた。学校経営計画の保護者向け説明会だ。今年度の重点教育活動を経営計画にまとめ、保護者や地域住民にも「05年度の大切にしたい教育活動」、いわゆる学校マニフェストとして発表する。

 学校経営計画は教育課程とともに1月末ごろまでにまとめ、学校理事会で細部まで審議してもらう。今回も2、3月の2回、審議していただいた。

 「教育課程の中の進路指導の項目の最後に『勤労体験等』と書いてあるが、働く意味は何か意識づけができるような展開を心がけないと、体験学習に終わってしまう。その辺りを工夫していただきたい」といった具体的な提案をいただいた。

 理事会の承認を得た学校経営計画に加え、04年度末の「保護者・地域アンケート」の結果にもとづく年間教育活動評価の内容も加味し、「05年度の大切にしたい教育活動」として学校総会用の資料を用意した。

 今年度は10項目の重点課題を挙げた。

 4月の区学力調査の結果、明らかになる学習課題をもとに、特に学習習慣の改善に重点を置いた学力アップ対策を進める▽基礎基本の習熟、算数・国語の選択学習、郷土・英語・情報など、特色を出した柔軟なカリキュラムを編成、実行する▽ルール、マナー、しつけの面でも家庭や地域と協力して学ぶ力を育てる▽本格的な不審者対策訓練、毎月の避難訓練に取り組み、校外学習マニュアルを見直して、学校安全対策と危機管理を強化する▽いじめや不登校児の生活指導をはじめ、学校ぐるみで教育相談機能を充実させる▽あいさつ運動をさらに進め、家庭との連携をいっそう強化する、などだ。

 特に昨年の教育活動アンケートの中で、保護者や住民の願いとして浮かび上がってきたのがしつけに関する要望だった。

 「子どもを良く理解し、いじめのない学級づくりに取り組んでほしい」

 「子どもたちのまちがった行動はきちんと指導し、正してほしい」

 「自主性や助け合う態度を育んでほしい」

 「基本的な生活習慣や社会的なルールを身につけ、善悪の判断ができるよう育ててほしい」

 確かに昨年の区の学力総合調査でも、五反野小学校の算数・国語の学力は区平均と比べ相当高いが、生活習慣や意識調査の結果は平均レベルだった。

 しつけは子どもに対する最大の贈り物だ。特に子どもたちの生活習慣や意識の改善は、学力向上に直結する。

 学校総会に参加した保護者や地域住民には、前回のこの欄で紹介した都教育委員、内館牧子さんの「しようさせよう七つのルール」の話を改めて披露し、「学校と家庭・地域でしっかり子どもをしつけていこう」と訴えた。

 引き続いて開かれたPTA総会、PTA歓送迎会の席上でも、子どもたちのしつけがあちこちで話題となった。これこそが保護者自身が深く感じていたことだったのだ。

             足立区立五反野小校長 三原 徹
      (2005年5月7日 朝日新聞第2東京面に掲載されました)



子の「しつけ」 まず親から

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新校長日記


地域の力、必要な時代 
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  渋谷公会堂で19日午後、都の小中高校長を対象とした東京都教育委員会の05年度教育主要施策概要説明会があった。都教育委員の内館牧子さんが登壇し、こんな話をされた。

  「今春、ある工業高の入学式に招かれて驚いた。名前を呼ばれた生徒が、黙ってその場にヌッと立つ。半分ぐらいしか返事をしなかった。返事をした生徒も壇上まで声が届いたのは半分くらい。保護者はと見れば、返事をしない我が子を、デジカメで一生懸命撮っている。『しつけ』はどこにいった。」

  話の導入部は、18日の朝日新聞に載ったベネッセ調査「学校選択は口コミ頼み」の記事だった。学校選択制を導入している地区の小学校に通う保護者への調査によると、学校側から示される情報より、親同士の会話や地域の評判を頼りに学校を選ぶ傾向がある。中学を選ぶ際に「とても重視した」のは、「いじめや不登校の生徒が少ない」(45.5%)、「生活指導やしつけがしっかりしている」(44.8%)など。「学力が高い」は15.3%、「放課後や夏休みなどに補習や学習会がある」は、8.9%にとどまり、校区外の公立中学を目指す保護者は「いじめ」「しつけ」を重視していた。しつけは本来、家庭でするもの。「そこまで学校に求められて、学校も先生も大変だ」と励まされた。会場の苦笑と拍手が出た。校長たちの実感なのだ。

  そして「〜させよう」「しよう」など7つの呼びかけを、保護者に働きかけていこうと語った。

 「毎日きちんとあいさつさせよう」「他人の子どもでも叱ろう」「子どもに手伝いをさせよう」「ねだる子どもにがまんをさせよう」「先人や目上の人を敬う心を育てよう」「体験の中で子どもをきたえよう」「子どもにその日のことを話させよう」

  保護者自身がしつけの何たるかを、あまり経験しないで大人になったのかもしれないと感じる。知らないことは教えられない。子の成長とともに、保護者も親としての学びと成長をしていかなければならない。学校はまず、親に同じ教育の土俵に上がってもらう努力をすべきではないのか。保護者が親になるための教育を、プログラムとして用意すべきではないのか。

  若い教師たちの頑張りだけでは追いつかない。教師は保護者からの要求をどう実現しようかと、懸命に努力するので精一杯の場合が多い。

  そこで地域の出番である。保護者を育てるには、人生経験を積み、しつけの何たるかを熟知するあなたの力が必要だ。いまほど、地域の力を教育が必要としているときはない。

  五反野小学校の朝のあいさつ運動に、新しい同士が加わった。新3年生の22人だ。上級生たちが、私と一緒に朝のあいさつを校門でしているのをみていて、早く校長と一緒にあいさつしたいと、新年度のあいさつ隊募集をまっていたのだという。

  その子どもたちは、全校児童の登校を見届けた保護者や住民が校門まで帰ってくるのを待つ。お礼を言を言うためだ。「ありがとう。」「よくできたね」の一言をかけてもらえるのがうれしいのだ。
 
  みんな地域の子どもだ。心をかければ必ず応えてくれる。育つのではない。育てるのだ。みなさんの孫と同様のこの子どもたちのために、みなさんの息子や娘と同様の保護者たちを「親」に育てていくために、どうぞ力を貸していただきたい。

            五反野小学校長 三原 徹

    (2005年4月23日 朝日新聞第2東京面に掲載されました)

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