最新更新日:2013/03/25
本日:count up2
昨日:9
総数:419307
ありがとう五反野小学校!さようなら五反野小学校!

教師を育てる研究授業

画像1 画像1
画像2 画像2
画像3 画像3
[新校長日記]


先輩の助言で視野広がる
----------------------------------------------------

 なるほど教師を育てるというのは、こういうことなのかと、深くうなずく体験をした。


 5年生社会科の公開授業が、18日午後あった。足立区内を流れる綾瀬川は04年、水質が全国ワースト1だった。20年後、川がどうなっていてほしいか。環境はどう守られるのか考え、日本の産業や国土について考えを深める地区研究発表授業だ。綾瀬川は身近な素材なので調べる活動もでき、子どもたちの意欲も高まるだろうと期待がわく。


 授業を進める田中琢也教諭は今年、都の教育研究員に指名された。毎年、都が意欲ある教師数十人を選ぶ。研究員はテーマを決め、自らの教科指導力を高める自主研究を続けてきた。


 7年間、五反野小学校で指導を受けた歴代の校長、副校長も成長を見ようと、参観にかけつけた。区小学校社会科研究会の日にも当たり、区内外から80人近い教師が集まった。


 児童30人は緊張したのだろうか、いつものような伸びやかさがない。発言も途切れ途切れ。田中教諭にも緊張が見える。


 教室の壁に張られた調べ学習のリポートを見ながら、自分でできることは何か、対策は詳しく考えてあるかをキーワードにまとめて授業は終わった。


 終了後、研究協議会が開かれた。圧巻は、助言指導講師として招いた伊豆大島・波(は)浮(ぶ)小学校の磯村裕行校長の発言だった。かつて区の社会科研究の指導的立場にいたベテラン教師だ。


 「教育の弱点はいつもゼロからスタートして、研究が積み重ねられないことだ。子どもが45分間、あの席に座っていてよかったと思えただろうか。私は授業が始まって15分後には飽きていた。前の授業からの学習内容の確認に時間をとられ、地域の水質汚染の防止や改善のためにできることを考える、という本筋に取り掛かったのは授業開始後27分。45分間で子どもたちにどんな変容を期待するか想定して授業を構成していたか」


 「子ども同士が、できることは何だろうと話し合う場面を設定し、自分で考えよう、考えなければという状態に追い込む努力をすること」


 授業展開の具体的改善点の指摘から、授業案構成の視点に話は広がる。


 「自分の生活との接点を考える、ここが大事。綾瀬川がテーマなら上流や中流との関係を考える。上流域で農業をしていれば農薬が流れ込むかもしれない。中流域の埼玉県では生活排水も流入する。それを受けて下流域の足立の綾瀬川が息づいている。水質汚染を見えるエリアだけでとらえ、『ごみを拾う』『持ち帰る』が成果の学習だと5年生の視点としては狭い」


 磯村校長の指導は続く。


 「経済優先・生産第一主義の時代があり、それが公害を引き起こした。その反省から生まれた『人間優先』も考え方としてはおごり。環境という広い概念の一部として人間もいる。地球という土台が無いと人間も生存できない。環境優先という考え方を子どもたちが持てるような学びにしてほしい」


 45分の授業を観察しただけで、これだけの指導をする。磯村校長の考察の鋭さや感性の一端を深い感銘とともに学ばせていただいた。田中教諭は汗をかきながら大きくうなずいている。授業案の構築も指導手法の視点も、限りなく奥深い。


 柔和な笑顔ながら歯にきぬ着せぬ磯村校長の助言指導こそ、研究授業に果敢に取り組んだ田中教諭の一番の成果だ。



                  足立区立五反野小校長  三原 徹

    (2006年1月21日 朝日新聞第2東京面に掲載されました) 

折々の表情 仕事の励み

画像1 画像1
画像2 画像2
画像3 画像3
[新校長日記]


日々 心に残る子らの笑顔
----------------------------------------------------

 校長の一日は、どうなっているのか。穏やかな日和となった12日を振り返ってみる。


 朝5時起床。7時半出勤。パソコンを立ち上げ、その日の予定とメールをチェック、学校日誌など報告書決裁。


 7時55分に校門前に出る。当番の保護者や地域ボランティアも集まり、交通指導担当の教師とともに持ち場につく。あいさつ隊の子たちも校門前に並び、登校して来る子の出迎えだ。8時、一人一人に大きな声で「おはようございます!」と声をかける。出勤途中の町の人にも同様に。全員が登校し終わる8時15分には、延べ400回以上、声をかけ、元気が沸いてくる。


 8時20分から朝の職員顔合わせ、1分間スピーチ。この朝は1年担任の高草木政浩教諭から冬休みに野口英世記念館に行った話。若いころからの何枚かの写真が、紙幣と同じ構図のものだったそうだ。8時30分から、メール返信と文書決裁。


 9時40分から校内巡視。大塚光代教諭が受け持つ2年1組で色画用紙にクレヨンで絵を描いていた。人物も風景も、大きくのびのびと描かれている。大塚教諭に聞くと、「大きく描こう」と指示してもイメージが伝わらない。「ちょう(超)、でかく!」というのだそうだ。


 黒板に大きく「お話びじゅつかん」。続けて色画用紙、クレヨン。下書きは画用紙と同じ色のクレヨンか白、はい色などで、などと注意書きがある。読んだ本の中で心に残ったことを描き、題名を工夫してみんなに紹介する、国語と図工を一緒にしたような授業だ。


 子どもたちは一人一人が挿絵作家だ。敬君の絵は縦横に曲がりくねったジェットコースターのレールが、紙面いっぱいに描かれている。敬君の気持ちは頂上のコースターの中にあるのだろう。本は「かいけつゾロリのきょうふのゆうえんち」。子どもたちは怪傑ゾロリシリーズが大好きだ。シリーズの本を手にしている子は何人もいた。沙季さんの絵は「おばあさんのひこうき」の編み針を持つおばあさん。編み上げた飛行機に乗る自分を想像する表情が実にいい。


 挿絵を写す子が多いが、和也君は違っていた。「トムソーヤの冒険」でイメージを膨らませ、大河へこぎ出すイカダとすれ違う客船の絵を描き上げた。大きな外輪がついている。船首に立つ船長の雄姿。子どもたちがどんな題をつけるのか、完成が楽しみだ。


 昼休み、歓声に誘われて校庭に出た。大喜びでボール遊びや縄跳び、鉄棒などで思い切り体を動かしている。私の手にはもちろんデジカメ。ホームページに紹介できるネタ探しだ。「校長先生、写真撮って」「ホームページに載りたい」と声がかかる。「校長先生、絶好調!」。子どもたちから、だじゃれが飛ぶ。思いがけなく素晴らしい表情が撮れることもある。望遠で狙う子の表情は自然だ。


 写真は2、3行のコメントをつけて即アップ。保護者や地域の方から「見てるよ」の声を掛けてもらう時、学校が温かく見守られていることを実感する。


 2時から来客対応、電話応対、文書作成、HP掲載情報承認、校長会報告書作成。2年生の読書の取り組みについて担任らと懇談。PCメンテナンスでスケジュール管理を改善。


 21時帰宅。新校長日記の原稿執筆、読書、ネットサーフィン。少しまぶたが重くなってきた。子どもたちの笑顔を思い浮かべつつ、24時就寝。


                  足立区立五反野小校長  三原 徹

    (2006年1月14日 朝日新聞第2東京面に掲載されました) 



雑誌連載「地域運営学校の志気」紹介

 今年度の4月から「学校マネジメント」(明治図書)という教育雑誌で、毎月、五反野小学校の取組みを紹介できる機会にめぐまれています。以下のものは、5月号の内容です。(校長 三原 徹)


『朝の課外の取組みで基礎基本のパワーアップ!』


 地域運営学校である五反野小学校で、理事会が1番に望む教育成果は、子どもたちに基礎基本である「読み書き計算」の指導を徹底し、学習内容をしっかり身につけさせるということだ。


 朝登校し、校庭で元気に遊んでいた子どもたちが教室に入り、まずは読書で心を落ち着ける。そして8時40分、緊張のまなざしで子どもたちが身構え、校内が静まり返る。瞬間、学校中に流れるファンファーレ。子どもたちの手がいっせいに動き出す。全校一斉で行う、基礎学力定着のための「パワーアップタイム」が始まった。


 教室の前面にあるTV画面のタイム表示が秒数を刻んでいる。子どもたちは、配られたプリントの解答欄に、一斉に答えを記入していく。全問出来た子は画面を確認し、自分の回答に要した時間を記録する。どの子の眼も真剣だ。私語一つなく問題に取り組んでいる。鉛筆を滑らせる音だけが教室に響く…。


 パワーアップタイムは、学校理事会の意向を取り入れて始めた学校独自の取組みだ。すべてのクラスに担任と副担任が全校体制で張り付き、朝一番に正課の時間外の時間を使って、学校オリジナルの算数と国語のプリントに取り組んでいる。


 算数のオリジナル教材は全学年共通で利用する百マス、百題計算と、早く終わった子どもたちのために、学年ごとの内容の計算練習問題が用意されている。国語の漢字は、学年で習う漢字が夏休み前までに前倒しで学習できるよう、プリントをつくった。月曜と木曜日は音読(10分間)。火、水、金曜日は百マス計算や漢字練習(計15分)に取り組む。


 基礎基本の定着については、学校理事と教師とで全国の優れた実践校を視察訪問したり、優れた実践者を招いて勉強会を持つなど、協働して効果を高めるための研究を重ねてきた。


 9月以降は、辞書を引いて熟語の理解を増やすなどの学習も取り入れている。週に1度は進級テストがあり、子どもたちは自分の学習の定着度合いが確認できる仕組みだ。


 加えて昨年秋からクラスごとで進めてきた音読も、12月からは全校の児童の前で、保護者や地域の方も自由参観で見守る中で、学年ごとの発表を始めた。木曜日の児童朝会の後、お得意のタイトルの音読を披露する。どの学年の声がそろっているか、元気がいいか、活舌はどうかなど、他の学年と比較したコンテストのようなものだ。

 1年生が元気いい。昨年から学校選択制が導入され、学区外からも子どもが入学し、他の学年に比べ4割も人数が多いのだ。他の学年の担任教師も子どもたちも、負けてなるかと挑戦意欲に燃えている。校長室の窓越しに音読のハーモニーが、今日も心地よく響いている。

検索対象期間
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
学校行事
3/20 委員会
3/21 春分の日
3/22 卒業式リハーサル
3/23 修了式
給食終
 モバイルページ(携帯サイト)
 アクセス専用QRコード▼  
〒120-0015
東京都足立区足立3-11-5
TEL.03-3889-9304
[弱視]03-3889-7673
FAX.03-3889-9305