最新更新日:2013/03/25
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ありがとう五反野小学校!さようなら五反野小学校!

地域が育てる子どもの心

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[新校長日記]


あいさつの大切さ授業で
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 学校公開週間の最終日の22日、土曜日だが、授業があった。4年1組の教壇に立って子どもたちの顔を見ていたら、松岡茂子さんはドキドキしてきた。「最初にゲストティーチャーから自己紹介をしてもらいます」。担任の山本治美教諭から紹介され、すっと気持ちが落ち着いた。

 毎朝顔を合わす交通ボランティア仲間の「開かれた学校づくり協議会」副会長、井口信昭さんから頼まれ、ゲストティーチャーを引き受けてしまった。
 
 五反野で生まれ育ち、五反野小学校を卒業した生粋の五反野っ子だ。現在も両親と学校のすぐ近くで住らす。息子さん夫婦も近くに住み、来春には孫が小学校に上がるという。親と子と孫と4代、足立の住人だ。

 自分が小学4年生だった44年前、近くに住むおばあさんが、登下校時に必ず交通安全の声かけをしてくれていた。少し怖かったけれど顔を見ると、「交通ルールを守らなきゃ」と思った。

 きっかけがあれば地域に役立ちたいと考えていた。昨秋、児童の交通安全指導と声かけのボランティアを募ると聞き、迷わず手を上げた。あれから1年、毎朝、街頭立っていると、あの光景が目に浮かぶ。

 元気な挨拶ができる子ばかりではない。声の出ない子、反応のない子、いろいろだ。高学年に声の出ない子が多い。そんな子がある日、小さな声だけれどあいさつを返してくれた。心がとても温かくなった。地域の子どもたちはみんな孫のようなもの。自分がどんな気持ちでこの場所に立っているのか、子どもたちにも知ってほしい。

 授業は道徳、テーマは「声にならないあいさつ」。こんな話から始まった。朝のラッシュ時、改札口に立ち、「おはようございます」とあいさつする駅長の横を乗客が無表情に通り過ぎる。京子さんは「どうして駅長さんに応えないのだろう。自分はあいさつしよう」と考えたが、いざとなると声が出ない。

 子どもたちが駅長と京子の役を演じてみる。駅長にあいさつされたとき、京子はどんな気持ちだったろう。ひるがえって、自分は今まで、どんな気持ちで毎朝、地域の人にあいさつしていたのだろう。

 「京子さんが、声が出なかったのはなぜ?」「そのときの駅長さんの気持ちは?」。礼儀の大切さを知り、誰にも真心をもって接することの価値に気づいて欲しい。子どもの心の内面に迫りながら考えを深めていった。

 「おばさんも最初は恥ずかしかった。でもみんなと仲良くなりたいと思った。『おはようございます』という元気な声を聞くと、すがすがしい。みんないい子になってねと願ってるの」。

 週明け、松岡さんの手元に子どもたちからの礼状の束が届いた。「あいさつの大切さがわかった。今後は自分からあいさつしたい」「家族におはようを言ってなかったけれど、これからは言おうと思う」「いろんな人にあいさつするようにしている。やっぱり気持ちがいい」。

 思い切ってゲストティーチャーを引き受けてよかった。子どもたちと心が通じた。礼状を読んだ松岡さんは、自分もすごく元気をもらったような気がしたという。全員、自分からあいさつが出来るようになる、そんな日が来たらいいと考えながら、今日も信号機の下に立つ。

 地域が子どもを育てる。暖かい地域の眼に見守られながら、五反野の子どもたちの心に、礼儀と人を思いやる心と、素直さが確実に育っていく。

                  足立区立五反野小校長 三原 徹

    (2005年10月29日 朝日新聞第2東京面に掲載されました)





子どもたちは教師の鑑

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[新校長日記]


生き生き学ぶ姿に学ぶ
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 荒木克之教諭(31)の担任する2年3組に異変が起きている。「子どもが変わってきた」。同僚教師が感嘆の声をあげたのは5日午後、15分間のパワーアップを再現した校内研究授業だった。

 研究授業は4つのパートに分かれていた。最初は、一茶の句の暗唱だ。模造紙に書かれた8句を、子どもたちは諳(そら)んじている。それぞれが、句の中でどの部分に感情を込めて読みたいか考えながら声を出す。

 「感情を込めて暗唱できる人?」。荒木教諭の声にパッと手があがる。暗唱する子の口元を見つめ、耳を澄ませて聴いていた周りの子が、暗唱した子の気持ちになって感情を込め、復唱する。そこに、人の気持ちを読み取ろうとする学びがある。

 続いて、国語の教科書の「きつねのおきゃくさま」の朗読だった。森で拾ったヒヨコやアヒル、ウサギを太らせてから食べようと世話をするが、「神様みたいなきつねのお兄ちゃん」と信頼され、気持ちが変わる。最後は、命をかけてオオカミからみんなを守り、恥ずかしそうに笑って死んだキツネの話だ。

 全文が子どもの頭に入っている。目は、宙にある情景を追っている。各自の朗読するパートが決まっており、自分のパートを見事にこなしていく。

 集中して聴いていないと、滑らかには進まない。一人ひとりが舞台の袖で出番を待つ名優のようだ。時に一人で、時には全員で、グループに分かれて流れるように読み継いでいく。そこにも他の子の感情を読み取り、自分のものとして調和していく学びがある。横や後ろを向いている子など一人もいない。朗読を終えた子どもたちの顔には、全員でひとつの作品を仕上げた深い満足感が漂っていた。

 3番目はフラッシュカード。「おそい」のカードがめくられたら、「はやい」。「ちぢむ」なら「のびる」。言葉を瞬時に読み取り、対義語を答える。最後は10マス計算。縦に並んだ数字に足す数を担任が指示し、10のマス目に答えを書き込む。子どもたちの頭はフル回転だ。あっという間の15分が終わる。

 子は親の鑑(かがみ)、というが、まさしく子は教師の鑑でもある。いかに授業力を向上させるか常に考え、よいと思えるやり方はすぐに取り入れるなど、学び続ける姿を身をもって示してきた。

 いま授業に向かう子どもたちの表情は生き生きとし、夏休み前とは全く違う。転機の一つは、学校理事会が企画した校内研修だった。講師の板橋区立新河岸小学校の杉渕鉄良教諭(46)から、先生が「先(ま)ず生き生き」と聞いた。昨年ともに1年を担任し、今年は国語専科の中田麗子先生とのチームティーチングにも影響を受けた。二人とも授業力の確かな教師だが、素直に学ぶ荒木教諭も素晴らしい。

 授業の工夫は、毎朝交代で発表する1分間スピーチ、週1回課す作文など、数えればキリがない。算数の単元名を読み上げるときも感情を込めるよう促し、話す力をつけさせている。こうして子どもたちの学びを導き、自らの授業力も磨く。

 荒木教諭は、朝5時半に自宅を出る。体育記録会に備えて、早朝練習に励む6年生の指導のためだ。7時には学校に着き、校庭に白線を引いて、子どもたちの登校を待つ。その担任の背中を子どもたちは見ている。

 17日から1週間は学校公開、授業参観週間だ。成長した子どもたちの姿に、驚き喜ぶ保護者の顔を見るのが楽しみである。

                  足立区立五反野小校長 三原 徹

    (2005年10月15日 朝日新聞第2東京面に掲載されました)

親と教師がっちりスクラム

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[新校長日記]


保護者会で信頼をはぐくむ
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 一気に秋の気配が漂い、外で体を動かす子どもたちも心地よさそうだ。「19,20、21…」。学年を超えた縦割り班で、朝の児童集会や休みの時間を利用して、長縄跳びを楽しんでいる。夏休みが終わり、元気な声が校庭に戻ってきた。今年の6年生は後輩の面倒見がいい。

 その6年生の保護者会が9月15日、図書室で開かれた。集まった保護者は52人、全体の7割を超す。親も熱心な学年なのだ。ときどき楽しそうな笑い声も聞こえる。

 説明しているのは2人の学級担任。1組の田村秀子教諭と2組の藤谷緑教諭だ。昨年からペアを組み、授業の進め方も生活指導も相談しながら進めてきた。息がぴったり合っている。

 まず藤谷教諭が、夏休みのプール教室に多くの児童が参加したこと、6年生の選手だけが参加する区の水泳大会で女子が健闘し、区で3位に入賞したことを紹介する。本当に女子の活躍はすごかった。応援に行った校長も、プールサイドで見ていて鳥肌が立つほど感激した。「ガンバレ日本!」ならぬ「ガンバレ五反野!」だった。「ねえねえ、うちの子よ」。選手の保護者の顔が誇らしげだ。

 続けて成績表について。二期制を採用する五反野小では、前期末の10月に渡す「あゆみ」が今年最初の成績表になる。説明資料には、各教科の評価の観点と評価基準が解説されている。

 社会科のうち、日本の歴史や国際社会に関心を持ち、進んで調べようとしているかという観点の場合、的確な内容で進んで発言し、新聞、ワークシートの作成に意欲的に取り組めば「よくできる」。新聞やワークシートを完成させていれば「できる」。これなら、「どうしてうちの子が3段階の2なのか」といった疑問は起こらない。

 今回の保護者会の最大の関心事は9月末の日光自然教室だ。昔風に言うと修学旅行。田村教諭が替わって説明する。「いろいろな子が活躍できる場を用意しました。子どもたちには東照宮でガイドはつかない。自らがガイドになり、班のみんなに説明しようという企画です。」「きれいな10円玉を1枚持たせてください。湯元の源泉に浸して変化を見る理科の実験もします」

 定番の肝試しもある。日光自然の家の周囲を回る。校長がとっておきの怖い話を用意した。2日目の夜は、国語の時間に学習した俳句作りに挑戦する。1人2句を詠み、作品は区の行事「一茶祭り」にも出す。こうした様子を、学校ホームページで実況中継するこを約束した。

 加えて今回はビッグな企画がもうひとつ。杉並区在住の写真家、村松雪絵さんがゲストティーチャートして写真学習プログラムを担当する。日本写真家協会が今年から始めた企画だそうだ。この校長日記を読んだ村松さんが、「ぜひ五反野小の子どもたちに」と申し出てくれた。

 事前に副読本を使ってカメラワークの授業を受け、全員に1台ずつ無償提供されたレンズつきフィルムで、自由に撮影する。プロの眼で各自2点ずつ選んでもらった写真を引き伸ばし、作品鑑賞会とスクラップブックをつくる授業をする。

 6年生の行事は12月まで目白押だ。10月、連合運動会。11月、NHK放送体験教室。12月、国会と最高裁の社会科見学。卒業まで半年、今できる体験と学びを重ねてほしいと、保護者も教師も心から願う。信頼に裏打ちされた保護者と教師たちのスクラムは固い。

                  足立区立五反野小校長 三原 徹

    (2005年9月17日 朝日新聞第2東京面に掲載されました)

町の秋(10月11日)

 ななかまどが鮮やかに色づいて・・・ 深まっていく秋。
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感嘆符 アクセス2万回突破!

 いつも、五反野小学校のホームページをご覧いただいてありがとうございます。
 昨日(10月4日)、このホームページへのアクセス回数が2万回をこえました。たくさんの方が、五反野小学校を応援してくださっているのだと、教職員一同、喜んでいます。
 子どもたちの日常の学校での学びの様子を知っていただけるよう、今後も発信を続けます。応援してください。
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