本日は多くのご来賓、保護者の方に卒業生の門出を祝っていただきました。どうもありがとうございました。
式辞
第63回の卒業生113名の皆さん、卒業おめでとうございます。
この佳き日にあたり、ご多用の所、豊島区・豊島区教育委員会より教育委員長職務代理者 清田 明 様をはじめ、日頃、本校に何かとご理解、ご援助を賜っております大勢のご来賓の方々のご臨席をいただき、盛大に卒業式を挙行できますことは、誠にありがたく、本校職員一同と共に厚く御礼申し上げます。
そして、保護者の皆様方にも ご列席いただいております。本日は、お子様の卒業式、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。この三年間、PTA活動等を通してお寄せくださいました本校へのご協力・ご支援を深く感謝いたします。
さて、卒業生の皆さん、先ほど、一人一人にお渡しした卒業証書は、中学校の全課程を修了したと同時に、九年間の義務教育を修了したことを証明するものです。今、卒業の式典にあたり、これからも人間や社会に目を向け、「人間としての在り方、生き方」を考えていってほしいということを話したいと思います。
「人間としての在り方、生き方を考える」ことは、中学校生活3年間の中でも、学習を始め、さまざまな場面で考えてきました。特に、道徳の授業においては、それを大きな主題として掲げ、友達や先生方と語り合ってきたことと思います。
道徳授業地区公開講座では、60周年記念式典があった1年生の時には「愛校心」について、2年生では「規範意識」について、3年生では「生命の尊重」についてを心の教育座談会や公開授業、研究発表会で取り組んできました。
最近「自分のやりたいことはやるが、やりたくないことはやらなくていい」といった間違えた考えの風潮がありますが、世の中には「自分がやりたくてもやってはいけないことや、やりたくなくてもやらなければいけないことがある」ことを、忘れずにいてください。「やりたいこと、やりたくないこと」を行動の判断基準にするのではなく、「いいことか、悪いことかを」行動の判断基準にするのです。
「人間としての在り方、生き方」を考えるということは、それぞれについて、その考えや行動は「人間として」どうなのか、自分の「生き方」としてどうなのかということを考えることなのです。つまり、自分は人としてどう生きていくのかを考えていくことです。
池袋中学校で学んだ皆さんは、自分と真剣に向き合い、他人とのかかわりを大切にし、自然や崇高なものとのかかわりや、集団と社会のかかわりについても考えていく力をつけてもらったと思います。
これからも大切な力になりますので、今後さらに自分の中で大きく育てていってください。
卒業生の皆さん、三年間の中学時代、様々な思い出があるでしょう。私は皆さんの入学と同じ平成19年4月に本校に着任しましたので、まる三年間のお付き合いでした。皆さんの三年間の成長を見ることができて、幸せに思います。
この三年間、「安心して登校でき、満足して下校できる学校」をキャッチフレーズに取り組んできました。先日、3年生に授業を行う機会があったときに、この3年間、「安心して登校できたか」「満足して下校できたのか・卒業できるのか」に点数をつけてもらいました。平均点は「安心して登校できた」が、10点満点で8.8点、「満足して下校できていたか、満足して卒業できるか」が8.5点という結果でした。これは、卒業生から私に対しての通知表と受け止めています。おおむね高い点数でしたが、それに満足することなく、低い点数を出した生徒に対する課題を解決し、10点を目指してこれからも取り組んでいきたいと思います。
また、「先生方の言葉の中で印象に残っているものは何ですか」という問いに対し、
・安心して登校でき、満足して下校できる学校
・初心忘るべからず
・練習は本番のように、本番は練習のように
・マモルをまもる
・知・徳・体
など、私が言い続けた言葉をあげてくれた生徒がたくさんいたこともうれしい限りです。
これから、君たちは人生の中で「座右の銘」-(いつも自分の座る場所のそばに書き記しておいて、戒めとする言葉)に出会っていくことでしょう。いろいろな経験や読書などを通じて、自分の「座右の銘」を見つけてください。
皆さんは、本日、池袋中学校を卒業します。池袋中学校の卒業生であることに自信と誇りをもってこれからの人生を切り開いていってください。また、卒業生として、地域に生活する者としてこれからも池袋中学校を応援してください。
卒業生諸君の今後の健やかな成長を祈念し、限りない前途を祝し、校長式辞といたします。
平成22年3月19日
豊島区立池袋中学校 校長 江川 登