最新更新日:2024/03/22
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校訓「正しく 明るく 健やかに」

修了式 式辞

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 今日は平成25年度の修了式でした。そこで述べた式辞を載せます。

 先週は,品野中学校にインフルエンザの嵐が吹き荒れました。2年生は火曜水曜,1年生は水曜木曜と,それぞれ2日間の学年閉鎖でした。発症してしまい,高熱で苦しい思いをした人もたくさんいたと思います。大変でしたね。でも,健康でいることのありがた味を,改めて感じたかもしれません。今回のことをきっかけとして,健康に毎日を過ごせるよう,さらに気を配ってほしいと思います。
 今日は修了式です。年度末のこの時期の学年閉鎖でしたが,それ以外には大きな事故などもなく,今日を迎えられたことは何よりです。
 以前の集会で,「有終の美を飾ろう」と話しました。みなさん,いかがでしたか? 有終の美は飾れましたか? 学習面や生活面など,1年の締めくくりとしてふさわしい終わり方ができたでしょうか。
 あと2週間もすれば,新学期が始まり,それぞれ学年が一つずつ上がります。新しい仲間も増えます。4月にいいスタートが切れるよう,準備を進めてください。その準備とは,春休みの2週間を,夜遅くまで起きていたり,朝いつまでも寝ていたりせず,普段と同じようにきちんと生活し,やるべきことはきちんとやり通すことです。そして,4月から頑張るぞ,という気持ちを高めることです。気持ちを高めるためには,目標を立てることが有効です。できるだけ具体的に,ちょっとハードルが高いぐらいの目標を立ててください。そして,その目標の実現に向け,新たな学年で力いっぱい頑張ってください。
 さて,2週間ほど前になりますが,ソチで冬季パラリンピックが行われていました。競技の様子をテレビで見た人も多いと思いますが,パラリンピックについて,みなさんはどんな感想を持ったでしょうか。みなさんも知っている通り,パラリンピックとは,身体に障害を持った方のオリンピックです。健常者もなかなか出せないタイムを出したり,パフォーマンスを見せたり,ただただ感心するばかりです。障害を持った方が,素晴らしい力を発揮する。これは並大抵の努力ではできないでしょう。想像すらできないほどです。
 パラリンピックのような世界的な大会に参加するだけではなく,障害を持った方の中には,もっと規模の小さな大会に参加したり,普段からスポーツを楽しんだりする方もいます。そんな姿を見たり聞いたりして,私たちは勇気をもらいます。そして,夢や希望を持つことや気持ちを高め続けることの大切さや素晴らしさを学ばなければなりません。
 4月から始まる新学期。思い通りにならなかったり,苦しい思いをしたりすることもあるでしょう。そんなときは,パラリンピックでの選手の姿を思い出し,勇気を持って前に進みたいものです。
 最後になりましたが,4月4日の始業式には,全員が元気に集まれるよう願いつつ,式辞とします。

東日本大震災に係る児童生徒等の作品集HP掲載

宮城県教育庁から紹介がありました。

宮城県の子どもたちが東日本大震災での体験やその後の経験を通して学んだこと,郷土への想い等を綴った詩や作文,絵画等の作品集が宮城県教育委員会のホームページに掲載されています。
東日本大震災において多大な被害を受けながらも復興に向けてがんばっている子どもたちへの理解が深まればと思います。

下記のURAをクリックすると,宮城県教育委員会のホームページにジャンプします。

http://www.pref.miyagi.jp/site/kyouiku/sakuhin....

卒業式 式辞

 昨日は卒業式でした。そのとき述べた式辞の一部を掲載したいと思います。

 さて,卒業生の皆さん,今年度,4月を迎えるに当たり,心配なことが一つありました。それは,皆さんの学級数が一つ少なくなる,ということです。様々な影響が考えられましたが,とりわけ,体育祭の縦割り種目,特に応援合戦が心配でした。例年通り,全体を三つに分けるのか,二つに分けるのか。また,その分け方はどうするのか。
 「今年の応援合戦はどうなるんですか。中止にはしないでください」。保護者の方から,こんな声も聞こえてきました。この,難しくて重要な課題を,皆さんを中心に,生徒議会や各学級で何度も話し合い,見事に解決してくれました。ある時3年生の教室をのぞくと,この課題について話し合う場面が見られました。誰もが真剣です。そして,多くの意見が,次々と発言されます。その内容は,自分たちの応援合戦を大切に思う気持ちにあふれていました。このような気持ちと真剣さが,課題の解決へと向かわせたのだと思います。
 そして,体育祭当日。学校を二つに分けた応援合戦。圧倒的な迫力と一糸乱れぬ統率の取れた動きが,見る者を感動させました。
 感動と言えば,文化祭での合唱と,A組のトーンチャイム演奏を思い出します。
 合唱では,心地よく,美しいハーモニーと正確なリズム,そして迫力ある声量。トーンチャイム演奏では,ピンと張りつめた静寂の中,心が洗われるような澄み切った音色,そして,指揮者を見つめる真剣な眼差し。合唱もトーンチャイム演奏も,鳥肌が立つような,また,すがすがしくさわやかな感動を与えてくれました。
 応援合戦も,合唱も,トーンチャイム演奏も,本番当日を迎えるまでの努力の様子や気持ちを感じることができました。演技や演奏の背景にある皆さんの姿や思いが伝わってくるからこその感動だと,改めて思いました。

 卒業生の皆さん,皆さんは,子どもから大人への架け橋となる三年間を,この品野中学校で過ごしました。様々な経験と学びを通して,大人へと一歩近づいたことと思います。今後も,夢や希望を持ち,なりたい自分,ありたい自分を目指し,そして,社会の一員として人々の支えとなれるよう,大いに努力してください。
 こんな言葉があります。
  「雨だれ 石をうがつ 継続は力なり」
 一滴(いってき)の雨粒には,ほんのわずかな力しかありません。それでも続けて同じ場所に落ちていると,固い岩や石にも穴を開けてしまうことができます。まさに継続は力なりです。皆さんの健闘を祈ります。

 本日,皆さんが卒業することができたのは,家族の方々の支えや温かい励まし,地域の方々のご援助,先生方の指導など,多くの方々のおかげです。今日の卒業を,このように受け止め,いつまでも,感謝の気持ちを忘れないでください。そして,今日,家に帰ったら,そんな感謝の気持ちを,家族の方々に言葉で伝えて欲しいと思います。

ソチオリンピックで

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 今日の集会では,ソチオリンピックを見ての感想を元に,話をしました。

 ソチで行われていた冬季オリンピックが終わりました。先回の講話で触れましたが,私が注目していたスキー女子ジャンプの高梨沙羅選手は,残念ながら4位という結果に終わり,メダルに手が届きませんでした。これまでに,何度も世界的な大会で優勝し,金メダルの最有力候補と言われていましたが,結果を残すことができませんでした。
 「甲子園には魔物がすんでいる」と言われ,甲子園球場での高校野球で,信じられないような大逆転やミスが起きたときなどによく使われます。高梨選手が結果を残せなかった理由は分かりませんが,オリンピックにも魔物がすんでいるのかも知れません。
 ソチで期待されながら良い結果を残せなかった選手と言えば,女子フィギュアの浅田真央選手がいます。浅田選手は,ショートプログラム(SP)の演技に失敗し,トップとは20点近い差を付けられて,この段階で16位でした。演技終了後のインタビューを見ましたが,「よく分からない」という彼女の言葉の通り,その表情からは茫然自失,という雰囲気が伝わってきました。相当なショックだったことは想像に難くありません。多くの人たちが,これでは金メダルはおろか,メダルを取ることも不可能だと思ったことでしょう。もちろん,浅田選手自身も,フリーの演技でどれだけ高得点をとっても,メダルは無理だと思ったのではないでしょうか。
 日本時間21日未明,浅田選手のフリーの演技が始まりました。SPのことがあり,どうなることかと心配しながら見ていましたが,非常に難度の高いトリプルアクセルを演技の冒頭で成功させました。そして,その後も圧巻の演技。技術,表現共に素晴らしいできばえで,フリーの自己最高得点を挙げました。演技後のインタビューで,この4年間練習してきたことができたと答え,どこかすっきりとした笑顔が印象的でした。
 SP失敗の後,このような素晴らしい演技をした浅田選手の精神力の強さに感動しました。フリーでどれだけ頑張ったとしても,トータルでよい成績を残すことは不可能な状況です。結果にだけ目を向ければ,やる気が失せてしまうことでしょう。それでも彼女は持てる力を十分発揮し,最高の演技をしました。
 終わったことは仕方がない,いつまでも引きずらずに今できることを精一杯やろう,これまで積み重ねてきたことを全て出そう,こういった心境でフリーの演技に臨んだのではないでしょうか。
 浅田選手の最終順位は6位と振るいませんでした。メダルにも手が届きませんでした。期待が大きかっただけに,その結果は残念でしたが,彼女の演技にかける姿勢や精神力から,大切なことを学んだような気がしています。

雰囲気が人を作る

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 今日の集会では,雰囲気が人を作るということについて話をしました。

 明後日12日の水曜日,瀬戸市内の小中学校や教育委員会から,50名近い先生方が来校されます。小牧市の先生方もいらっしゃいます。皆さんもよく知っているように,本校では,授業に「学び合い」を取り入れ,皆さんの学力を高めようとしています。そこで,品野中の授業や,生徒の皆さんの授業での様子をご覧になるために来校されます。そして,来校された方から,授業に関する質問や意見をいただき,品野中の授業をもっとよくしていこうと考えています。また,来校された方が,品野中の取り組みを,少しでも参考にしていただければ,とも思っています。
 授業を多くの先生方が見られますので,多少緊張するかも知れませんが,普段通り,一生懸命取り組んでくれればいいです。また,普段と同じように,来校された方や本校の職員に,さわやかなあいさつをしてくれればいいです。
 さて,今,ロシアのソチでは冬季オリンピックが開かれています。皆さんも注目している選手がいると思いますが,私は,女子スキージャンプの高梨沙羅選手を注目しています。高梨選手は現在17歳。高校2年生です。一昨年卒業した先輩たちと同じ世代の人です。
 彼女がどうしてスキーのジャンプを始め,世界の頂点に上り詰めるまでの努力ができたのだろうと考えてみました。彼女のお父さんやお兄さんは,ジャンプの選手です。ですから,遺伝,という要素はあったと思います。しかしそれだけではないような気がします。周りの雰囲気(環境)が大きかったのではないかと思っています。彼女の生まれは北海道。多くの子どもたちが,将来スキーの選手になることを夢見ていることは想像できます。また,ジャンプ競技に夢中になる子どもたちもたくさんいることでしょう。そんな雰囲気の中で育ち,いつしか自分もジャンプの選手になろうという気持ちになったのではないかと想像しています。
 雰囲気(環境)が人を作る,とよく言われます。今朝も校門付近にいると,ほとんどの人が自分からあいさつをしてくれます。これは,品野中の生徒の中に,自分からあいさつをする,という雰囲気があるからです。また,先に触れた学び合いの授業でも,質問をしよう,意見を言おう,互いに聞き合おう,といった雰囲気があるからこそ,多くの生徒たちが質問し,意見を言い,互いに聞き合えるのだと思います。だからこそ学び合いが成立するのです。
 このように,雰囲気が人を作るのですが,そもそもその雰囲気とは,誰が作るのでしょう。それは,そこにいる人たちです。品野中の雰囲気は,品野中の生徒が作るのです。
 雰囲気が人を作り,その雰囲気はその人たちが作る。皆さんの成長のために良い雰囲気を,皆さん自身で,これからも作っていってください。現在,品野中は,とても良い雰囲気だと思っています。ただ,全ての場面でそれが言えるかどうかは疑問に思うこともあります。今後もさらに良い雰囲気になるよう,そして,全ての場面で良い雰囲気だと言えるように,互いに気を配りたいものです。それが皆さんの成長にとって,とても大切なことなのですから。

社会の授業から

 1年生の社会の授業を見せてもらいました。
 この時間は,ヨーロッパの環境保護の取り組みを調べ,その中で日本に取り入れるとよいと思われるものについて意見を発表し合う授業でした。
 一斉授業の隊形で,先生は,ヨーロッパの高速鉄道の車両の写真を大型テレビで見せました。また,イギリスなどの過去の写真を見せ,当時の大気汚染の様子を知らせました。そして,ヨーロッパは,昔から環境問題に向き合ってきており,だから自動車よりも鉄道に力を入れてきたことを説明しました。
 その後,班隊形になり,ヨーロッパの環境保護の取り組みを,資料集や教科書などを使って各自で調べてノートにまとめ,そして,班で意見交換に入りました。
 一人で調べているときは,黙々と調べたりノートに書いたりしており,ほとんど声は聞かれません。手が動いていない生徒がチラホラいますが,時間の経過と共にそういった生徒はなくなりました。
 班での意見交換では,自分のノートを読み上げる,資料を示して話す,といった姿が見られました。また,「太陽光発電」「水力発電」「エネルギー自給率」「自動車乗り入れ制限」といったキーワードが聞こえてきました。さらに,「いっしょだ」「誰か意見出して」といった声も聞こえます。
 授業開始30分後,コの字隊形で発表の時間。挙手によって次々と発表が進みます。
 出された意見は次の通り。〜のため,ペットボトル再利用。都市への自動車乗り入れ禁止。パリでは自転車置き場がたくさんある。ゴミをリサイクルしやすいように分別。ベロタクシーで排気ガスを出さない。環境への〜が少ない再生可能エネルギー。〜のため,風力発電。環境保護のため,公共交通機関・・・,環境定期券。
 この間先生は,生徒の発言を聞き,それをまとめて板書しています。
 8分でこの活動を終えました。次に班隊形になり,発表された取り組みの中で,日本にどれを取り入れるとよいかを班で一つ決める活動に入りました。
 ずいぶん活発に話し合っています。7分で終了し,コの字隊形になり,発表。ここでのやりとりは次の通り。
 「環境定期券」「理由は?」「理由と言うよりも消去法」「再生可能エネルギー」「理由は?」「リサイクルのように自分にかかわらず,面倒でない。自分の知らないうちにできる」「風力発電。一番安全」「反対意見があったら言ってもいいよ」「風力発電は羽根が回って鳥が巻き込まれる。騒音がある」「太陽光発電。騒音がなく安全」「でも,海の上だから騒音の心配はない」「風力や太陽に反対で,風や太陽が必要。安定しない」「パークアンドライド。空気が汚れない」「定期券に反対で,日本にはETCがある」
 この話し合いは5分ほどで終了。先生が,次回はまとめをすることを予告して授業を終えました。
 環境保護に関するヨーロッパの取り組みから,日本に取り入れたい内容を選ぶ活動は,より身近なものとして考えさせるよい手法だと思いました。ただ,時間が短かかったのが残念です。再生可能エネルギーについて,せっかく反対意見も出ているので,ここに的を絞って深めていきたかったところです。
 何とか時間を生み出す方法はないものでしょうか。例えば,ア 単元構成を再考し,知識理解の時間と話し合いの時間をそれぞれまとめて設定する。イ 割り切って,知識理解については先生がプリントにまとめておき,あるいは穴埋め問題を作り,それを提示して多少の時間を使い,取り組ませたり説明したり質問を受け付けたりする。そして残りの時間を話し合いに当てる。
 この授業は,話し合いの場面がとてもいい雰囲気で,学び合いが成立していました。だからこそ,その先を期待し,時間を生み出したいと強く感じました。
 話し合いで考えを互いに深めたり広げたりする学び合いの時間と,資料から要点をまとめる学び合いの時間との十分な両立が難しいなら,話し合いに重点を置くべきではないでしょうか。

国語の授業から

 2年生の国語の授業を見せてもらいました。
 この日はパネルディスカッションで,テーマは「中学校の部活動で,朝練をやるべきかどうか」。
 全員が,生徒,保護者,教員のそれぞれの立場で賛成と反対に分かれており,従って,立場は6種類。パネリストはそれぞれの立場から1名ずつの6名。そして,司会と計時役が1名ずつ。司会の発声でパネリストの意見発表から始まりました。話し合いの場面で,先生は,必要に応じて司会に指示を出していました。
 賛成の主な意見は,「練習時間が増える。特に冬場」「技術や体力が向上する」「早起きできるため,生活のリズムが良くなる」「健康に良い」「保護者も仕事に遅れない」「授業の取り組みが良くなる」「短時間で効率よくできる習慣がつく」。
 反対の主な意見は,「睡眠時間が不足する」「疲れる」「起きたばかりで集中できない」「早起きのため,朝食が早くなってしまう」「冬暗くて危険」「顧問として家が遠いと大変」「教員の勤務時間外」。
 生徒や保護者,教員,それぞれの立場で考えていることがよく分かります。
 次に,発表された意見に対する質問や意見を発言する時間。ここからは,パネリスト以外の生徒(フロアと呼んでいた)も発言OK。
 初めは,教員の勤務時間に関する話題。「勤務時間外だが,先生たちは分かってやっている」「教員にとって損ではなく,部員をうまくさせたいのでOK」「朝練は先生たちの意思。残業は関係ない」といったように,肯定的な発言ばかり。
 次に睡眠時間に関わって,塾についての話題になりました。「塾や習い事をしている人は忙しくて早く寝ることは難しい」「塾よりも学校を優先すべき。塾をやめればいい」「塾は補うもの」「学校で授業について行けないので塾に行く。午後練があるから朝練は不要」「学校で勉強が分からないとき,塾へ行く前に他の人に聞けばいい」。睡眠時間と塾との関わりの話だったのに,いつの間にか塾の是非についての議論になってしまいました。この辺りは司会による制御が必要ですが,やはり難しいようです。ただ,「話題がずれてない?」というつぶやきがフロアから聞こえてきたので,気づいている生徒はいるようです。
 続いて,朝練は疲れるかどうかの話題になりました。「朝練は疲れない。授業を気持ちよく受けられる」「個人差があってどちらとも言えない」「朝練をやっても眠くはない。習慣にすればいい」「朝練は同じメニューではないので慣れない」など,様々な意見が出されました。自分を基準としての発言が多いので,いろいろ出るのだと思います。「個人差」で片付いてしまうかも知れません。
 最後は,生活リズム,授業中の居眠り,自宅と学校との距離についての話題が出て終了しました。
 授業の終わりに,先生の指示によって,聞くことと話すことについての自己評価をプリントに記入しました。そして,先生は,次回はこの授業の振り返りをしようと投げかけ,今日の内容を忘れないように,プリントに記入しておくように指示をして授業を終えました。
 この授業の目標は,「友達の意見を聞いて,自分の考えを広げよう」です。話し合いは,意見がとぎれることなく,次々に出されました。時間がどれだけあっても足りないぐらいでした。そういった意味では,目標を達成できる環境は十分であったように思います。新たな視点に気づくなど,初めに持っていた自分の考えが,どのように広がったのかは,生徒の感想を待つ必要があるでしょう。楽しみなところです。
 話し合いの軌道修正や深化を,司会の生徒にゆだねるのはやはり難しいと思いました。この授業のように,先生がその都度司会に指示を出すのは有効です。また,先生が司会をしてしまう,あるいは見本を示してから生徒に任せるのも一つの手だと思います。
 以前,物語文を最初に読んだときの感想を,付箋紙に全員書かせ,それを一覧にして印刷,配付し,それをもとに読みを深める授業を見たことがあります。他者の意見に触れることは,学び合いの出発点です。時間の節約や,全員の意見を知る上で,これは有効な手法と言えます。また,国語以外でも使えるように思います。

働くこと

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 今日の集会では,2年生が今週行う「職場体験」にちなみ,働くことについて話をしました。

 今週は,いよいよ入試が本格的に始まります。これまでに蓄えてきた力を十二分に発揮し,悔いの残らないように頑張って欲しいと思います。
 2年生も,今週はいよいよ職場体験に出かけます。明日は事前訪問。準備は着々と進んできました。店や事業所に実際に出かけ,働くことを通して,いろいろな体験をし,多くのことを感じ,学んで欲しいと思っています。
 ところで,人はなぜ働くのでしょうか。働く理由,意義は何でしょうか。この問いを生徒たちに投げかけ,職場体験を間近に控えた2年生の生徒を指名しました。「収入を得て,生きるため」といった内容を答えてくれました。周りの2〜3名の生徒も皆同じ考えだったようです。同じだという人に挙手してもらったところ,ほぼ全員が手を挙げました。そして,他にないかと聞くと,「人の役に立ち,喜びを得るため」といった発言がありました。こんなに大勢の中で挙手をして発言できるのは立派です。
 私は,働く理由,意義は,三つあると思っています。
 一つは,収入を得るためです。これは生徒の皆さんの誰もが考えたことです。人が生きていくためには,ある程度のお金が必要です。そのためには働かなくてはなりません。
 あとの二つは,生き甲斐や喜びを得るため,そして,人や社会の役に立つため,だと思っています。今日の集会で,二人目の生徒が発言してくれた内容は,この二つを含んでいます。
 人は収入を得るために働きますが,収入を得るためであればどんな仕事でもいいかというと,そうではありません。夢をかなえるためであったり,好きなことであったりする仕事に就き,生き甲斐や喜びを得たいと,誰もが思うのではないでしょうか。ですから,働くことの理由や意義として,生き甲斐や喜びを得ることも,その一つだと思うのです。
 また,働くことによって,何らかの形で人や社会の役に立っています。例えば,今着ている服や食べ物。これらは,作ったり捕ったり,あるいは運んだりして働いている人がいるからこそ,皆さんの元に届くのです。もしも,そういった仕事をする人がいなかったとしたら,服や食べ物が皆さんのところに届くことはありません。そして,手に入れるためには,自分でなんとかしなくてはなりません。これは現実的には不可能です。物を作ったり運んだりする仕事以外,例えば銀行員や芸能人も,お金に関するサービスや楽しみを人に提供しています。このように,どのような仕事についても,働くことによって人や社会の役に立っているのです。
 将来,皆さんが社会人となって働くとき,夢がかなわなかったり,好きな仕事に就けなかったりする場合もあるでしょう。しかし,その仕事で働くことによって,必ず人や社会の役に立っているのです。そこに生き甲斐や喜びを見いだして欲しいと思います。
 働くことに関して,これまであまり考えたことはなかったかも知れません。今回の話をきっかけに,是非一度,改めて考えてみて欲しいと思います。

3学期始業式式辞

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 今日は,久しぶりにスロープのところで皆さんを迎えましたが,皆元気に挨拶をし,とてもさわやかな気持ちになりました。今年も何か良いことがありそうです。
 冬休みは昨日で終わり,今日からいよいよ3学期が始まりました。年末年始は,楽しいこともたくさんあったと思いますが,どのように過ごしましたか? 今のところ,大きな事故や事件に遭ったとか,大きな病気にかかったとかの報告はありません。生徒の皆さんが無事に今日を迎えられ,まずはほっとしています。
 さて,2学期の終業式では,年の初めに当たって目標を決めよう,と話しました。そして,2点について話しました。一つは,「思うだけでは始まらない。始めないと始まらない」ということ。もう一つは,「継続は力なり」ということです。この2点を常に念頭に置き,日々の生活を送って欲しいと思います。

 今日の始業式では,1月6日付朝日新聞「天声人語」を紹介し,それを元に話をしました。
 今年の干支は午(うま)。午年です。干支にちなんで,その年をどのような年にしたいかを年賀状にしたためたことのある人も多いと思います。
 例えば,丑(うし)年なら「マイペース」。卯(う)年は「跳ねる」,巳(み)年は「脱皮」。今年は午年ですから,「駆ける」でしょうか。
 馬のように,威勢よく駆ける年にしたいと思っている人も多いと思いますが,焦りは禁物。夏目漱石が,「吾々(われわれ)はとかく馬になりたがるが,牛には中々なり切れないです」と芥川龍之介らに手紙を送り,焦ってはいけない,根気が大切と,励ましたそうです。
 この一年,与えられる時間は誰にも平等です。しかし,どのような時間になるのかは,その時間を過ごす人次第です。充実した楽しい時間にしたいものです。
 3学期は,あっという間に終わります。特に3年生は,2か月後にはもう卒業です。1・2年生は,卒業式の後,2週間で修了式を迎えます。短い期間ですが,焦らず,根気よく取り組むことが大切です。
 3年生は,希望する進路の実現に向けて,また,品野中のよい伝統を1・2年生に引き継ぐべく言葉や行動・態度で示すよう頑張ってください。
 1・2年生は,新しい学年に向けて,一つでも多くのことを身に付けられるよう,また,品野中のよい伝統を3年生から引き継ぎ,新しく入ってくる1年生に示せるよう頑張ってください。
 馬が大地を威勢よく駆けるように,皆さんも,4月から新しい世界や学年で駆けることができるよう,この3学期に準備を進めてください。

大きなかぶ

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 今日の集会では,「大きなかぶ」の話をもとに,人権週間にちなんだ話をしました。

 皆さんは「大きなかぶ」という物語を知っていますか? 次のようなお話です。

 おじいさんは甘くて大きなかぶを作ろうと畑に種を蒔いて育てました。そうすると,一株の大きな大きなかぶができました。「うんとこしょ,どっこいしょ」 おじいさんはかぶを収穫しようとしましたが,大きすぎて一人では抜くことができません。そこでおじいさんはおばあさんを呼んできて,手伝ってもらうことにしました。「うんとこしょ,どっこいしょ」 かぶをおじいさんが引っぱって,おじいさんをおばあさんが引っぱって,それでもかぶは抜けません。そこでおばあさんは孫娘を呼んできて,手伝ってもらうことにしました。「うんとこしょ,どっこいしょ」 それでもかぶは抜けません。そこで孫娘はいぬを呼んできて,いぬはねこを呼んできて,手伝ってもらうことにしました。「うんとこしょ,どっこいしょ」「うんとこしょ,どっこいしょ」 かぶをおじいさんが,おじいさんをおばあさんが,おばあさんを孫娘が,孫娘をいぬが,いぬをねこが後ろから引っぱって,一列になって抜こうとしますが,それでもかぶは抜けません。それでいよいよ最後にはねこがねずみを呼んできて,手伝ってもらうことにしました。「うんとこしょ,どっこいしょ,うんとこしょ,どっこいしょ」 そうしてようやくかぶを抜くことができました。【Wikipediaより】

 このお話から,皆さんは,どのようなことを感じますか? 一人ではとても難しいことでも,みんなで協力することによって成し遂げることができる。こんなことを思った人も多いのではないでしょうか。確かにその通りです。ただ,もう少し深く考えて,登場する人や動物に注目してみましょう。ここに出てくるのは,おじいさん,おばあさん,孫娘,いぬ,ねこ,そしてねずみ,です。これらの人や動物の中には,例えばお父さんやゾウ,といった力の強い者は出てきません。みな力の弱い者ばかりです。さらに,いぬとねこは,仲が良くないと言われています。また,ねことねずみも,仲が良くないどころか,ねずみがねこの餌になってしまうこともあります。
 このように,非力で普段は仲が良くない者同士でも,力を合わせることで,何かを成し遂げることができるのです。
 さて,今週は人権週間です。「人権」とは,人が幸せに安心して生活する,幸せになる権利のことで,誰もが持っており,誰もそれを侵してはなりません。また,「人権」には,優劣や軽重もありません。どの人にも同じように「人権」があります。
 ところで皆さんは学校生活において人権は守られていますか? 誰かに,あるいは集団で,暴力を受けたり嫌なことをされたり言われたり,無視されたり,そんなことはありませんか? もしもそんなことがあるようなら,「人権」が守られているとは決して言えません。安心して学校生活を送ることはできません。誰もが安心して学校生活を送るには,もちろん,一人一人が気をつけなければなりませんが,学校や学年,学級の雰囲気,風土といったものが大切です。その雰囲気とは,「大きなかぶ」の物語のように,普段は仲が良くないかも知れない者同士が,互いに認め合い,力を合わせて協力しようとする,そういった雰囲気です。
 私は,これまでの皆さんの様子を見ていると,品野中にはこのような雰囲気はあるのではないか,と思っています。しかし,常にあるかというと,少し疑問に思うこともあります。皆さんはどう思いますか。人権週間のこの機会に,是非考えてみてください。

家庭の授業から

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 1年生の家庭の授業を見せてもらいました。
 この日は,着色料が使ってある食品を観察し,資料をもとにして着色料について考える授業でした。
 着色料はあった方がいいのか,なくてもよいのか,意見の発表から授業に入りました。あった方がいい,については,おいしそうに見える,ないと変,といった意見。なくてもよい,については,味が変わらないならなくてもいい,本来の色がなくなる,危険が高まる,といった意見。発言のときに,「〜と同じですが」「〜と反対で」というつなぎ言葉が多く聞かれ,人の意見をよく聞き,自分の意見との関係をよく把握している様子がうかがえます。
 次に,透明なペットボトルに入った水を,赤と緑に着色する実験を先生が示しました。ほとんどの生徒が違和感を感じたようでした。そこで,先生が,菓子に着色料が使ってあったらどうかを発問したところ,「イメージ通りならいい」「いい場合とダメな場合の両方ある」といった意見が出されました。
 机を班隊形にし,着色料が使ってあるチョコレートを2種類(食品1,2)観察し,資料をもとに,着色料について班ごとで意見をまとめました。資料の内容は,着色料の一覧と,危険性がまとめてあるものです。
 班での活動では,次のような姿が見られたり声が聞こえたりしました。チョコと資料を見ながら考えている。においをかいでいる。色を見てどんな着色料かを調べ,危険性も調べている。プリントにまとめている。持参した食品の箱を見て「あっ,これ着色料ないよ」。「色が濃いなあ」。「これ危ないんでしょ?」「でも比べたら危険性は低いよ」。「これ危ないなあ」。「チョコが茶色の固まりだとちょっとなあ」。「1個の中でも色が違う」。「水は変だけどチョコならおいしそう」。
 とにかく,何も活動をしていない生徒,他ごとをしている生徒はいません。
 次に,机をコの字隊形にし,全体で意見交換をしました。食品2の方が危険と考えた生徒が多数おり,その理由を発表し合いました。「外国の輸入品が多く,日本の安全基準を通っていないかも」「タール系や二酸化チタン系の着色料が多い」という意見。さらに,「食品2の方が色が濃い」「同じチョコでも色が違う」といった意見も出されました。その他の意見としては,「1の方は日本のチョコで,危険なものがない」「水に色が付くと嫌だけど,チョコならおいしそう」「植物から作られる着色料は危険が少ない」
 先生は,日本に入ってくる外国製品も,安全基準を満たしているかどうかのチェックは行われていることを確認しました。そして,実際には食品の何を見て選んでいるのかを発問したところ,「入れ物」「値段」「絵」といった発言がありました。最後に,食品を選ぶときに大切なことは何かを発問し,意見をまとめて授業を終えました。
 生徒たちは,初めに着色料についてのイメージを共有し,その後実際に水を着色する様子を見て感想を持ちました。そして,着色料が使ってある食品を観察しながら,資料をもとに意見をまとめました。これらの活動は,全て生徒の発言によって進められたのですが,生徒は実によく動き,しっかりと自分の意見を持ち,それを出し合いました。人の発言を聞くことによって,自分の気づかなかったことにまで考えを広げることができたように思います。この授業を行った先生に確認していませんが,目標は,おそらく,着色料について知り,自分の考えを持ち,食品を選ぶときの参考にしようとする態度を養う,といったものでしょう。授業を参観していてこのように思いました。授業を参観してその授業の目標がよく分かる場合は,生徒が目標を達成した,と言ってよいのではないでしょうか。

美術の授業から

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 3年生の美術の授業を見せてもらいました。
 この日は鑑賞の授業でした。ギリシャ・ローマ,中世,ルネサンスそれぞれの時代に作られた彫刻作品などを見てそれらの特徴に気づき,なぜルネサンス(再生)と呼ばれる革命的な文化活動へと発展したのかを考える,という内容でした。
 授業開始から机はコの字隊形です。先生は,(1)中世,(2)ルネサンス,(3)ギリシャ・ローマ,それぞれの時代の代表作を大型画面で提示しました。ただし,どの作品がどの時代かは知らせていません。「それぞれどんな表現がされているか見よう」という投げかけが先生からあり,相談が始まりました。数分後に終了し,気づいたことを発表しました。その内容は,(2)(3)は筋肉質。(1)は肌が出ていない。(2)(3)は体にふくらみがある。(2)(3)は肉体美。(2)(3)は筋肉の質感がある。といったものです。先生は生徒の発言を言い直すことはせず,生徒の言葉がそのまま伝わるような配慮を感じました。
 次にこれらの作品を時代順に並べ,プリントに記入しました。(1)(3)(2)と(3)(1)(2)の二つの意見に分かれました。それぞれの理由は,(1)(3)(2)については「(3)は鮮明だから最新だと思った」,(3)(1)(2)については「(2)の作品がルネサンスであることは社会で習った」「(3)は壊れているから古いと思った」といったものです。正解は(3)(1)(2)です。
 先生はギリシャ・ローマ,中世それぞれの時代の文化や宗教などについて少し説明しました。そして,ルネサンスの意味が再生であることを確認し,「なぜこれを再生と言うのか」と発問し,グループで話し合うように指示しました。ここからは班隊形です。
 相談はここでも活発です。「キリスト教」「人間」「何を再生?」といった声が聞こえてきます。ここで先生はヒントとしてプリントを配付しました。そこには,ギリシャ・ローマ,中世,ルネサンスそれぞれの時代の美術作品の特徴がまとめられています。先生は「中世はリアルじゃない,平面的とみんなも言ったが,どうしてだと思う?」と発問。すると「偶像崇拝は良くない」「偶像崇拝って分かる?」「○○」「○○」「それがなぜダメなの?」「本当は目に見えない神を人間の形として拝むのはダメ」「なぜリアルじゃないの?」「現実味をなくすから」「他の人どう?」。こんなやりとりの後,「三つの時代の関係を考えてみよう」と改めてヒントとなる発問をしました。
 班で相談しながら,なぜ再生と言うのかについての考えをまとめ,その後,コの字隊形に戻り,発表です。多くは「ギリシャ・ローマ時代は自由に個性的に作品を作れたが,中世はそれがダメになった。そしてルネサンスでまた自由に作れるようになった」「自由を取り戻したから再生」という考えでした。しかし,「ギリシャ・ローマ時代と中世をまじえてルネサンスになった」という考えも出されました。
 先生のわずかな説明の時間以外は全て学び合いが見られた授業でした。その間,他ごとをしたりボーッと何もしなかったりする生徒はいません。他の生徒と話し合ったりプリントに記入したりする姿ばかりでした。このように,他ごとをしない,全ての生徒が何らかの活動をしている姿は,一つの,あくまでも一つの理想でしょう。この授業でこれが実現できたのは,やはり学び合いがあるからだと思います。学び合いの副産物(?)がこんなところにも現れます。
 では,何を学び合ったのでしょう。様々な答えが考えられるような発問に対しては,その答えであるし,そのような結果に至った理由や考え方でしょう。また,選択を迫るような発問に対しては,やはりその理由や考え方でしょう。さらに,言葉遣いや表現の仕方も学び合ったものに含まれるのではないでしょうか。
 授業の最後の場面で異なった考えが発表されました。この授業では時間がなくてそれをていねいに扱うことはできませんでした。考えや意見の違い,あるいは困った状況などは,学び合いを通して生徒たちの理解を深めたり考え方を広げたりする絶好の機会です。先生の司会で,全体の場で話し合わせたいものです。学び合いの質を高める一つの方向がここにあるように思います。

数学の授業から

 2年生の数学の授業を見せてもらいました。
 この日は,三角形の合同条件について初めての学習でした。△ABCの3辺および3角のうちから,三つの辺の長さや角の大きさをもとに△ABCを作図します。そして,作図した三角形の中から△ABCと合同な三角形を見つける,という内容でした。
 授業開始から,机の配置はコの字隊形です。合同な図形とは何かを,近くの生徒同士で確認し合いました。そして,例えばAB=○cm,BC=○cm,∠B=○度,と三つの条件から,それをもとに△ABCを作図する作業に入ります。この問題が8個。したがって生徒は8個の三角形を作図することになります。
 3〜4名の班隊形になって開始です。先生は,班で学び合いながら描くこと,早くできたら先生に伝えること,などを指示しました。ほとんどの生徒が黙々と取り組んでいました。使った辺の長さや角の大きさを,作図した図に書き込んでいる生徒が8割程度いました。これだけ多くの生徒が書き込んでいるのはたいしたものです。特にこの授業では,どこの長さや角を使ったのかが重要です。
 次は,もとの△ABCと合同な三角形を,作図した三角形の中から見つける活動です。これも班での活動。「全部合同じゃない?」「(5)はダメでしょう」といった声が聞こえてきます((5)は三つの角が示された問題。従って合同ではない三角形が多数描ける)。ある班は,「全部いいんじゃない?」「(5)は小さくなったよ」「そうか,角だけではダメか」「そういえば長さは適当だった」「いつも合同にならないといけないんだよな」と話し合っていました。まさに学び合いです。
 この授業では,生徒たちに図形に対する理解を深めさせる可能性を感じました。班ごとで合同な三角形を見つける場面で,8班中7班が(5)は合同ではないと判断し,1班が合同と判断しました。ここで意見の食い違いが発生したのです。それぞれの判断理由を発表し,話し合い,その過程で出される考えを互いに聞き合い,さらに判断することでより深く理解でき,考えも広がります。同じ結論になった班でも,その理由は様々でしょう。これらを聞き合うだけでもいいと思います。学級全体でこういった活動を,先生の司会のもとで行い,学び合っていく経験をさせたいものです。
 これまで多く見られた,三角形の合同条件を先生が示し,合同条件をもとに合同な三角形を見つける練習をする,といっただけの授業では,このような可能性は感じなかったと思います。

命の教室

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 今日の集会では,ポスターや作文,書道など,また,女子卓球部が市の大会で団体優勝した件,さらに,よい歯の表彰など,多くの表彰を行いました。文化と運動の両面でたくさんの表彰ができたことをうれしく思いました。
 さて,先週,2年生を対象に「命の教室」を行いました。昨年も来ていただきましたが,以前春日井市で保健の先生をしていらした方を講師としてお招きし,命の大切さやいじめの悲惨さなどについて話をしてもらいました。2年生の生徒が書いた感想を全員分読みましたが,その中から一つ紹介したいと思います。1年生は,どんな話だったのか想像しながら,2年生は他の人の感想を聞き,新たな思いを持ちながら,3年生は,昨年の話を思い出しながら,それぞれ聞いて欲しいと思います。

 「生まれてこなくてよかった命は,生まれてきていない」その言葉が私の胸に響きました。生まれてこなくてよかった命なんて一つだってないんだと強く思えました。もし,生きるエネルギーをなくしてしまった子がいたとしたら,この言葉を温かくかけて,少しでも救うことができたらいいと思います。
 今日,生きたくても生きられない人がいる,生きるエネルギーをなくしてしまって死んでしまった人がいる,という話を聞いて,私が悩んでいることは,本当にちっぽけに感じて恥ずかしくなりました。もっと胸を張って堂々と誇りを持って生きたいと思いました。
 「やめて」,その一言を言っていじめなんてなくしたい,そう思います。でも,そんな簡単に言えない一言だとも思います。「やめて」「やめようよ」,そんな一言が言える人間になりたいです。そして,自分のことも相手のことも大切にして生きたいです。
 震災の津波のアナウンスをして亡くなってしまった人のように,人を思いやる気持ちも大切にし,命のバトンを次の人へとつなぐランナーとして,誇りを持って生きたいと思いました。そして,もっと自分を好きになりたいと思います。

体育の授業から

 1年生の体育の授業を見せてもらいました。
 この日はダンスの授業でした。班ごとで,これまでに学習したダンスのステップの中から5種類選び,それを披露し,他の生徒がそれに合わせてステップをするという内容です。
 これまでに学習したステップの種類がプリントして移動黒板に貼ってあり,先生は今日の授業の内容を話していました。それは,班ごとに5個のステップを決め,できれば手の動きも付け,最後に発表するというものです。話を聞いている生徒の表情が明るいのが印象的でした。
 班ごとに1列に並び,準備運動が始まりました。曲を流しっぱなしにし,先生が次々に指示を出し,見本を示しながら行っています。生徒は皆楽しそうです。ステップとステップのつなぎは「マーチ」と呼ばれるステップで,要するに足踏みです。つなぎのときに次に行うステップの注意点を伝えていました。ある班だけに行わせたり男子だけに行なわせたり,いろいろなパターンで行っていました。このときに他の生徒は「マーチ」のステップを踏んでいました。
 とにかく曲のリズムに乗って楽しそうです。見ているこちらまで自然に体が動いてくるようでした。まるでフィットネスクラブのようです。複雑なステップのときにとまどう生徒もいましたが,繰り返すことによって次第に合わせられるようになっていきました。見ていると,生徒の調整力の高低やリズム感の良し悪しがよく分かります。10分以上続いたでしょうか,結構な運動量です。最後に深呼吸をして終了。
 次が,班ごとで5個のステップの組み合わせを考える時間でした。制限時間は10分。このときも曲が流れているので,考えたり実際にステップしたりしやすいと思いました。また,楽しい雰囲気を盛り上げるのにも一役買っていたようです。
 生徒たちの様子は,実演しながら考えている,移動黒板に貼ってあるステップ名を見ながら相談,班の中で一人がステップを始め,それに合わせる,ステップのうまい生徒が教えている,手の動きを工夫して考えている,といったものでした。
 最後に,班で考えたステップの組み合わせを発表する時間でした。ただ発表を見たり聞いたりするだけではなく,全員が同じように行います。班の代表がマイクを持ってステップを指示しながら見本を示し,他の生徒はそれに習って行っていました。
 「右,左,あと2回」「オッケー,マーチ」「次は〜,イチ,ニ,サン,シ」「手を挙げて,右,左,あと10回」といったような指示です。この指示もリズムに乗っていて,他の生徒はそれに合わせて楽しそうにステップしています。全ての班が発表し終え,授業が終わりました。
 本時での学び合いについて考えてみました。まず,初めの準備運動としてのステップですが,先生が見本を示していたので学び合いとは言えないかも知れません。しかし,周りには他の生徒がステップしており,それを見ることによって学んでいたのではなでしょうか。さらにその後の班ごとの取り組みや,発表に合わせて全員がステップする場面など,まさに学び合いです。こう考えると,先生が本時の内容を説明する場面以外は,全てが学び合いと言っていいでしょう。
 先生本人に,本時では何を学び合ったのかを聞いてみました。私の気づかなかったこととして,ステップの順番という返答がありました。ステップの順番によっては,次へのつなぎがギクシャクしてしまうとのことでした。このあたりの工夫も班の中で検討していたようです。
 今後,ダンスの質を高め,表現としてのダンスを目指すとすると,この場合も互いのダンスを見合い,学び合うことが有効な手だてとなるように思います。
 体育の授業での学び合いの基本は,やはり見合うことだと思います。そして,その際,先生の意図的で有効な一言が,学び合いを深めることになるのではないでしょうか。

理科の授業から

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 2年生の理科の授業を見せてもらいました。
 ほ乳類の体毛の利点を,ビーカーに入れた水の温度変化をもとに考える。また,シマウマとライオンの目の付き方について,それぞれどのような点で都合が良いのかを考える。これらをねらった授業でした。
 ビーカーにラップでふたをした物と,していない物との温度差は約10度でしたが,そもそもラップのあり無しで何がどう違うのか,ここから議論を始めました。
 生徒からは,「水が蒸発するかしないかの違いがある」「水が蒸発するときに熱が奪われる」「蒸発しないのではなく,ラップをしてあっても蒸発はする」といった発言がありました。そこで,先生は論点を絞り,ラップのあり無しで蒸発の仕方は異なるのかを発問しました。ラップ無しの方がよく蒸発すると考えている生徒は3分の1,同じと考えている生徒が3分の1でした。
 コの字隊形になり,この点について,周りと相談しながら各自で考えました。このとき先生は,予備知識として「飽和水蒸気」について説明しました。すぐに活発な話し合いが始まりました。その後改めて蒸発の仕方の違いについて発問すると,今度は全員がラップ無しの方がよく蒸発する,と答えました。中には「飽和水蒸気について知らなければ分からなかった」と言っていた生徒もいました。
 最終的に,夏は体毛が立ってふたのない状態になり,冬はねてふたになり,温度調節をしている,とまとめました。
 最後に質問を受け付けたところ,脂汗と普通の汗との違いや,冷や汗との違いなどの質問が出ましたが,生徒はおもしろいことを考えるものです。先生はこの質問をもとに,人間が緊張すると手に汗をかくが,これは反射の一つの例であることを説明しました。そして,大昔,このことが人にとってどのような利点があるのかを相談して考えるように指示。キーワード「直立歩行以前」を生徒から引き出し,併せて考えるようにも指示しました。そして,生徒の発言をもとに,物をつかむのに便利である,とまとめました。
 次に,教科書「考えよう」の部分を黙読させ,シマウマとライオンの目の付き方について,それぞれどのように都合がよいかをグループで相談しながら考えさせました。
 すぐに意見交換したり教え合ったりする活動が始まりました。「敵から逃げやすい」「視野が広いから逃げやすい」「見やすい」「敵を見つけやすい」「立体的に見える」「これで何が良いのか考えよう」「物との距離が分かりやすい」といった声が聞こえました。また,ノートに図を描いて説明する様子が見られました。
 先生は,この活動の途中で,教科書をまとめるのではなく,考えるように指示を出しました。重要語句をまとめるような感覚で活動している生徒が見られたからだと思います。その結果,「見えるだけじゃだめ,立体的じゃないと距離が分からない」「立体的だと敵との遠近が分かる」「視野が広いから何?」といった声が多く聞かれるようになりました。
 活動終了後,先生は,教科書にない言葉が発言されたらキーワードとして板書することを伝え,発言させていきました。
 シマウマについては,「敵を見つけやすい」「逃げやすい」「早く見つけられる」「広範囲」「身を守る」。ライオンについては,「獲物との距離」「間隔」といったキーワードが板書されました。また,シマウマについて,「えさは植物なので立体的に見えなくてもいい」といった発言があり,先生はこれに対して評価していました。
 今回も,グループや全体で相談したり教え合ったりして学び合う場面が随所で設定されていました。生徒の動きも活発で,当たり前のように活動しています。ずいぶん定着してきたようです。定着することによって,次に先生として,これまで以上に内容に目を向けることができます。なお,最も重要なことは,この授業が研究授業でも,公開授業でも何でもない,普段の授業ということです。

理科の授業から

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 2年生の理科の授業を見せてもらいました。
 この授業は,「卵生」「胎生」などの重要語句の意味をまとめ,さらにセキツイ動物の体の仕組みについて考えることをねらったものでした。
 前の授業の学習内容から,思ったことや感じたことなどを発言させました。3名が挙手をし,「条件反射とは,〜」「条件反射を調べてみると,〜」といった内容が発表されました。先生は,それらの発言が聞き取りにくかったり分かりにくかったりした場合も,言い直したり繰り返したりすることなく,「もう一度言ってみて」と,再度発言させていました。また,「どう? 分かった?」「いいねえ」といった言葉かけをしていました。
 これらの発言内容をもとに,「後天的」「先天的」をキーワードに学習と本能についてまとめ,板書しました。さらに鳥類を例に,子どもが親をどのように認識するかを説明し,「すり込み」について紹介しました。
 発泡スチロールで覆ったビーカー2個,覆われていないビーカー2個に熱湯を注ぎ,それぞれにラップでふたをした物としない物を作り,合計4個のビーカーそれぞれの中に温度計を入れました。この段階でその意図が分かりませんでした。生徒も同様だと思います。先生は,この実験の意味は後で分かると伝えていました。授業を進める中で「体毛」が出てきたときにこの実験の目的は予想できましたが,今の段階では伝えない方がいいと思いました。
 今日は動物の分類について勉強しよう,と投げかけ,教科書の太字の部分6カ所に赤でアンダーラインを引かせ,それぞれの語句の意味をノートにまとめるように指示しました。活動はグループで行いました。
 生徒はすぐに取り組み始め,黙々と続けていました。しばらくすると相談する姿が見られ,「それって説明不足じゃない?」「生まれるって書いてあるから,○○」といった声が聞こえてきました。また,まとめたことを確認し合い,まとめた文章をアドバイスする様子もうかがえました。
 まとめができたグループは,代表者が全員分のノートを持って先生に見せ,チェックしてもらいました。このときの先生の言葉は,「間違った内容じゃないけど,文を工夫しよう」「うまいことまとめたね」「そうだね,これならOK」といったもの。合格したグループにはテーマ「セキツイ動物の仕組みの中で,陸上で暮らすために適していると思われるものをできるだけたくさん挙げなさい」を追究するように指示をしていました。
 制限時間12分が経ったところで,途中のグループもやめるように指示。まとめの例として,「卵から子が生まれる」では分かりにくいので,「卵から子が生まれる生まれ方」の方がいいことを紹介しました。
 これまでの授業だと,重要語句の意味を先生がまとめ,板書し,それを生徒がノートに書く,といった形が多いと思います。この授業のようにグループで相談し合って生徒自身がまとめ,それを先生がチェックすることによって,様々な効果が期待できます。目的を持って教科書をじっくりと読む,書いてある内容を把握し,語句の意味としてふさわしい表現を考える,他生徒の表現を知ることができる,読んだときに新たな疑問が持てる場合がある,先生にチェックしてもらうときにアドバイスを得ることができる,重要語句の知識の定着度が高まる,などです。
 全員に,テーマについて追究するように指示しました。制限時間は6分。活動に入る前に,陸上は水中とどう違うかを聞いたところ,「水がない」「浮力がない」「温度変化が大きい」と発言があったので,これらをヒントとするようにアドバイスしました。
 すぐに教科書を調べ,意見交換が始まりました。「足が丈夫」「手足が発達」「ああ,水中に比べて?」「浮力が無いし」「両生類は陸上として考えていいのかな」「毛に覆われている」「卵に殻がついている」「セキツイ動物の中で,陸上のものを全部考えたらどうかな」といった声が聞こえてきました。
 これもグループで取り組み,他生徒と相談することによって,新たな視点に気づいたり考えを深めたりするなど,様々な効果が期待できます。
 時間になったので出された意見を全体で発表し合いました。
 最後に先生は,ビーカー内の水の温度の結果を発表しました。発泡スチロールありでふたありが60度,発泡スチロールありでふた無しが50度,発泡スチロール無しでふたありが54度,どちらも無しが45度でした。この結果をもとに,体毛の利点を説明しよう,と投げかけ,家で考えてくるように指示して授業を終えました。

三つの話題

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 今日の集会では,「季節の移り変わり」,「物を大切にすること」,「生徒会役員認証」の三つの話題について話をしました。

 めっきり涼しくなりました。朝夕などは寒いほどです。少し前までは残暑が厳しく,熱中症を心配するほどでしたが,急に涼しくなった感じがしています。今日の集会でも,冬の制服を着ている生徒がとても多く,夏服はわずかです。季節の移り変わりを感じると共に,ちょうど今がその変わり目なのだということも感じます。
 季節の移り変わりは,気温や風の冷たさなど,肌で感じるところが多いわけですが,今日の制服の様子や樹々の葉っぱの色づき具合など,目で見て感じることも多いと思います。このように周りの様子や自然などに目を向け,季節の移り変わりを感じる心のゆとりを持ちたいものです。
 生徒の皆さんは既に気づいていると思いますが,体育館正面北側に貼ってあった巨大壁画が先日はずされました。これは「卒業生を送る会」や「卒業式」,「新入生を迎える会」のために,今の2・3年生が今年の2月に一生懸命作ったものです。ですから,半年以上も体育館に貼られていたということです。体育館ですから,授業や部活動などでボールを使う機会も多いと思います。そんな中で半年以上もこの壁画が無事だったということは,それだけ皆さんが大切にしてきたということです。     
 前任校長の永縄先生がおっしゃっていたことを思い出します。校舎内のトイレに,「トイレをきれいに使おう」といった意味の言葉が書かれた掲示物が貼ってあり,それが1年以上も破られたり落書きされたりすることなく無事だったということ。そして,品野中学校は,このように物を大切にできる生徒ばかりだということ。
 人と物とは違いますが,物を大切にすることは,人や人の心を大切にすることにつながります。品中生のこういったよい点は,これからも是非持ち続けて欲しいと思います。
 今日の集会で,生徒会役員の認証を行いました。これで正式に役員の決定です。先日の役員選挙立会演説を聴いていますと,どの候補者も意欲にあふれ,やる気が伝わってきました。これなら誰に任せても大丈夫という気がしました。しかし,残念ながら選挙の結果,当選できなかった人も何人かいます。でも,役員にはなれませんでしたが,生徒会に対する思いは強く持っているはずです。学級や委員会活動など,様々なところでの活躍を期待しています。今回役員になった人は,なれなくてもなれなかった人がいるということを頭に置き,選ばれた責任を十分に果たしてください。演説や今日のインタビューで述べたことを行動で示してください。また,選んだ人には選んだ責任があります。生徒会活動に積極的に参加し,役員に協力すると共に,役員の動きを見ながら,これでいいのかという問題意識を常に持つことが大切です。これが選んだ人の責任です。
 皆さんの行動に期待します。

※ 掲載の写真は,体育館に貼られていた巨大壁画です。

国語の授業から

 1年生の国語の授業を見せてもらいました。
 本文から自分が印象に残った文章を抜き出し,そこで見られる表現や自分が読み取った内容が,前の授業までに文章化してありました。今回の授業は,その文章を聞き合い,修正し,さらに発表し合うことがねらいでした。
 グループではなく,自由に動いて自分の書いた文章について相談し合いました。制限時間は6分です。
 すぐに動き始め,3〜5名で相談し合っています。その間,先生は生徒の間を回ってアドバイス。
 時間が少し経過すると,一人でじっくり考える生徒が出てきました。およそ3分の1の生徒がこういった動きを見せました。おそらく相談した内容を自分の文章に反映させているのでしょう。
 終了後,先生はこの活動の様子を評価しました。集まったところで,その中だけで聞こえるような大きさの声で話し,他には迷惑をかけていない点,また,一人の生徒に話しかける生徒がいた点,こういったことが良かったという評価です。
 次に,グループの中で文章を発表し合い,代表者を決めました。このときの注意点として,じゃんけんで決めない,おもしろいという観点で決めない,国語的に良いものを選ぶ,といった内容です。
 グループでの活動では,いろいろな声が聞こえてきました。「書き方がよく分からない」「ここには○○が描写され,○○喩(例えば直喩)が使われている。そこから○○が読み取れる,というように書く」「○○さん,代表になって」「え? なんで?」「じゃあもう一度発表し合おう」「○○さんの文は,○○というところが良かった」などです。
 代表者が決まった段階でコの字隊形になり,全体で発表が始まりました。先生はいすに座って聞く体制に入りました。7名が発表しましたが,そのときの先生のおもな言葉や行動を書き出してみます。
 「○○がちょっと曖昧」
 「どう? 型にはまらずにしっかりと発表できたね」
 「○○君どう? 分かった?」
 「どこが直喩? 細かく言ってみて」
 「音のないコマ送り(本文の表現)って見たことある? イメージ涌く?」
 「どう? ○○さん,どう思った?」
 擬態語や擬声語が表現の中に出てきたときにその説明をしながら板書したが,このとき,キンモクセイの小さな花を落として「パラパラという音は聞こえた?」とか,机を叩き「どんな音がした?」とか言いながら説明した。
 「すごい」というつぶやきに対して「先生もそう思う。そういうつぶやきが良いね」

 最後に本時の感想を書き,授業を終えました。
 この授業からは,先生が,言葉や表現を大切にしており,そのことを生徒に伝えようとしていることがよく分かりました。また,生徒の発言を丁寧に聞こうとしている姿勢も感じられました。
 おそらく学び合いの成果だと思いますが,また,グループの代表ということもあり,全体の場で発表された文章は表現が非常に豊かで,驚かされました。
 生徒たちが書いたこの授業の感想を読んでみたい,そして,学び合いに対してどのような感想を持ち,どのような成長が見られたか知りたい,こんなことを感じました。

読書のススメ

 今日の集会では,読書のメリットについて話しました。

 先日国語の授業を見せてもらいました。授業の中で作文を書く場面がありましたが,すらすらと書いている生徒もいれば,なかなか進まない生徒もいました。私が中学生だった頃,作文が大の苦手で,読書感想文や行事の後の作文はなかなか書けませんでした。原稿用紙半分を埋めるのに四苦八苦で,友達がたくさん書いているのを見て,不思議でもあり,うらやましくもありました。文章を書けないというのは文字を知らないということではなく,書く内容が頭に浮かばないということです。日本語は,ひらがなさえ書ければ頭に浮かんだ言葉は書くことができるのですから。
 頭に何かが浮かぶためには,やはり,想像力や思考力,感性などが必要だと思います。
 今から50年ほど前,テレビが世に出て普及し始めた頃でしょうか,ある人が「テレビばかり見ていると,人の想像力や思考力を低下させてしまう」という意味のことを発言していたようです。テレビは,音や言葉,映像などで情報を伝えます。ですから,想像力や思考力をあまり働かせなくても内容が伝わってきますので,その人の言うことも一理あるように思います。ラジオだと映像がないため,聞いた言葉や音楽から想像力や思考力を働かせないと伝わってきません。したがって,テレビよりはラジオの方が,こういった力を養うためには有効でしょう。しかし,ラジオよりももっと優れているものが読書です。
 読書は,ラジオのように場面に応じた音楽や声の抑揚が耳から伝わってくるわけではありません。全てが読み手である自分の判断で,情景や登場人物の心などを想像します。だからこそ,想像力や思考力が鍛えられるのです。
 さらに読書には,これ以外にも様々な効果があります。
 まず,言葉や漢字,表現が覚えられます。いくつかの言葉や漢字が組み合わさって一つの文章が成り立っています。そして,作者は様々な表現を用いて情景や心情を伝えようとします。こういった文章を読むわけですから,言葉や漢字,表現が覚えられるのは当然です。
 次に,人の気持ちや考え方が分かるようになります。物語の登場人物は,一人一人感じ方や考え方が違います。いろいろな会話や出来事から様々に心が動き,考えます。それを読書を通して体験できるのです。
 ある大学の研究によりますと,6分間の読書で,ストレスの3分の2が解消するとの結果が出ています。音楽を聴いたり仲の良い友達と会話するよりもストレスを解消する効果は高いそうです。ですから,読書はストレス解消にも役立つようです。
 さらに,読書によって集中力を高めることができます。集中しないで読書をしても,内容はなかなか理解できません。読書することによって,また,内容を理解しようとすることによって,知らず知らずのうちに集中しているのです。
 ざっと挙げただけでも,読書にはこれだけ良いところがあります。まだまだ他にもあるような気がします。なんと言っても,自分の好きなときや空いた時間を使って読書することができますから,時間を有効に使うことにもつながります。
 読書の効果を期待するのではなく,とにかく気に入った本を読んでみましょう。そして,楽しく本とつきあっていければ最高です。秋の夜長に読書もいいものです。ただし,睡眠時間には気をつけて・・・。
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学校行事
4/1 学年末休業日 3日まで
4/3 入学式準備 新3年8時45分登校
4/4 入学式 始業式 新2 3年9時15分登校
瀬戸市立品野中学校
〒480-1203
愛知県瀬戸市広之田町2-5
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