最新更新日:2024/04/27
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「定義や定理」集:はじめの言葉

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はじめに

 算数・数学科の授業は問題解決型の授業で構成したい。このことは、筑波大学附属小学校から今日に至るまで揺るぎがない。問題解決型の授業をするためには、子ども一人一人の自力解決の促進と保障、そして子どもの豊かな算数数学的な表現をもとにしたコミュニケーション活動が前提となる。前者は○つけ法で、後者は意味付け復唱法でといのうのが現時点での研究実践の成果である。
 特に、授業の上手な教師とそうでない教師との力量の差は、授業で生まれる子どもの言葉をいかにして真意を受け止め、数理にもっていくかである。すなわち、以前から授業中での教師と子どもとのコミュニケーションを分析する中で、算数の言語の大切さに気付き、算数の言語に興味・関心をもっていた。算数の教科書で使われている言葉に興味を持ち、志水ゼミの学生の力を借りて集めて整理した。その成果は、愛知教育大学より『教科書における算数言葉集』を刊行した。
 今回、本書が生まれたきっかけは、梅園小学校が岡崎市教育委員会から研究指定を受け、活用力育成にかかわってもととなる算数科の言語力をきちんと整理することから始まった。特に、算数科の授業では、どんな言葉を子どもに言わせたいかを明確にすることが今日求められているという私の助言に梅園小学校が応えてくださった。特に、算数科で「理由」や「方法」を述べようとするためには、「定義」や「定理」が明確でないと使えない。算数の教科書『わくわく算数』(啓林館)の代表的な言葉について「定義」や「定理」を抽出する作業をした。また、実際の授業では、子どもらしい表現が登場するので、この点についての例示を盛り込んだ。その成果は、平成19年の研究発表会にデータをCDにして公表した。
 その後、平成20年度に「定義」や「定理」の抽出を教科書の全体に広げて精力的にまとめた。これが、本書である。19年度の下地があったとはいえ、まとめるにあたって神尾校長先生のもとで梅園小学校の職員が精力的に動いてくださった。厚く厚く感謝したい。
 現在、新学習指導要領も告示され、算数科では、「表現力」の育成が目標に新たに追加された。この定義や定理集は、子どもの言語表現をサポートするものとして、とても貴重な資料と言える。今回、愛知教育大学よりブックレットとして刊行できることは時機を得たものと言えよう。ぜひとも教師が正しい定義と定理を知って授業で使って、子どもに使わせていただいたい。
 本書は、教材研究の基になる資料である。授業で使う用語について教科書ではどのように定義しているかを知ることによって、算数の授業がより正確な言語表現がなされていく。ぜひとも、教室に1冊手元において辞書的に利用していただきたい。
 
                     平成20年2月吉日
                     愛知教育大学 志水 廣

「志水 廣の公式ホームページ」
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