最新更新日:2024/05/13 | |
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○つけ法のよさ宮崎県のある指導主事に質問してみた。 あなたは、志水廣のことを「教科書の活用」ということでご存じでしたね。これを高く評価してくださいました。 では、なぜ、あなたの勤める市で「○つけ法」を広めようと思われたのですか? すると彼は言った。 「○つけ法は、市の授業力アップを考えると、どのような教師にも共通する言葉が必要です。手法が必要です。○つけ法は、授業力のレベルに応じて、それぞれに成果の出る方法だから採用しました」 と話された。 若手の初心者でも、中堅でも、そしてベテランでも授業力の段階に応じて、○つけ法は楽しみときびしさがある。 確かに、教育技法にはいろいろとあるが、ベテラン向きだと初心者には合わないといったことが往々にしてある。○つけ法は、広範囲である。 さすがだなあと思った。 [志水廣の公式ホームページ] ○つけ法はなぜ、適用題から始めるべきなのか理 由 1.○つけ法のスピード、正確さ、声かけを実際にやろうとするとなかなか大変だからである。 2.適用題では、本時の問題の解き方、計算の仕方は学習済みである。だから、単純に、正しいやり方で解いているかどうかを確認するだけである。必然的に9割の子どもが解決の仕方を知っている。だから、本当の意味での個別指導は、1割子どもで済むのである。 3.それでも、○つけ法のスピード、3分間で40人回るという原則、もっと具体的に言うと、正答には5秒で確認、誤答の子どもには15秒で正答になるような声かけを実施するには、すぐにはできない。十分な教材研究が必要なのである。 4.全員に○になるようにすることがいかに難しいかである。 5.適用題の○つけ法を1時間に実施するためには、1時間の最後までだとりつかないと、○つけ法の場面すらない。こんな授業では本時の成果は見えない。もし、途中で終わってしまったとしたら、その時点で何が子どもに身に付いたかの問題を急遽用意して、○つけ法を実施すべきである。 6.まず、最初に「ばっちり」、「オーケー」だけを言うのも難しい。 次に、誤答に子どもに「ここまで合っているよ」と部分肯定の声かけをするだけでもかなりの腕がいる。というのは、誤答を見て「違う」ということはたやすいが、誤答を受け入れて、「ここまで合っているよ」と言えるかどうかはかなり精神的な度量がいる。その上で、「ここをこう考えてみたらどうかなあ」と指示をだすことである。 7.適用題での○つけ法を300回はやりこなすと、体と頭が慣れてくる。即時評価・即時指導が体に染みついてくる。その上で、そろそろ、自力解決の○つけ法にいこうかという段階になる。 この自力解決の○つけ法にいくためには、子どもが9割の見通しを持たせる教材研究と技がいる。これを志水はヒント包含法と言っている。 次に、たとえ見通しをもったとしても本当に正しい見通しかどうかについては、わからないのである。問題解決型の授業では、これにも対応する必要がある。 答えの多様性(正答と誤答のいくつか)、解法の多様性 この二つをかなり予想しておき、それらに対して、十分な教材研究となおかつ声かけを訓練する必要がある。 志水塾の本部大会では、数年前から、この自力解決の○つけ法を実現するために、教材研究力をつける講習をしているのである。ピンポイントの○つけ法とか、行動の初手に○つけ法というのはこれに当たる。 志水塾の地方大会では、自力解決の○つけ法のレベルまで行く研修を組むことができない。時間的な制約があるからである。 本当に、適用題だけでも○つけ法を完全実施できれば、授業は変わる。できない子どもはいなくなる。少なくとも宿題はできる子どもが育つ。それだけ効果は大きい。 志水は、文部科学省の委嘱を受けて、愛知県豊田市教育委員会と一宮市教育委員会との共同研究を6ヶ月間やり、それらの成果を「報告書とDVD」にまとめた。 「わかる授業実現のための教員の指導力向上プログラム」→副題「算数・数学科教師の机間指導力向上のためのプログラムの研究」 どのような教材研究と授業研究を実施すればよいかについてはまとめている。また、日本数学教育学会誌にもその成果は掲載されている。こちらを見ていただければ幸いである。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ただ、上のフリップのように授業が変わった、人生が変わったという人が多くいるものも事実である。そうでなければ、志水塾が愛知教育大学で本大会を7年間、全国各地毎年10カ所で実施されるわけがない。有効だから、人が集まるのである。 もちろん、算数数学の授業を改善するために、志水メソッドだけが有効というわけではない。他にも手だてはある。だけども、今手だてがわからない人は、まずは学んでみませんか、やってみませんかと提唱している。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− とりあえず、わたしは志水塾と明治図書から○つけ法と意味付け復唱法にかんする書物を書いている。提供している。これで学んでいただくしかない。 ○つけ法と意味付け復唱法を学ぶために 1.志水塾発行 「授業力アップ志水塾ハンドブック」 2.志水塾発行 「志水塾 実践DVD1 トレーニングブック」 3.明治図書 「算数科 ○つけ法で授業が変わる・子どもが変わる」 4.明治図書 「算数科:「意味付け復唱法」のアイデアと展開 ――子どもの言葉 で算数の授業を創ろう!」 [志水廣の公式ホームページ] |
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