最新更新日:2024/04/27
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笑波瀾万丈20 ☆職場の雰囲気の変化

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☆職場の雰囲気の変化

 受験してからのヒロシを取り巻く職場環境は、がらりと変わった。職場の皆さんは、腫れ物にさわるようだった。それまで青年部の集まりで、私の自宅まで遊びに来ていた仲間は去って行った。長いの付き合いでも去って行った。これほどまで、人間とはかくも残酷に豹変できるものかと思った。
 一番辛かったのは、合格通知が届いたときのことであった。職員室で教頭先生に合格しましたと出勤時に伝えた。すると、教頭先生は喜んでくださった。そうか、良かったなと言ってくださり、黒板に祝合格とメモ書きされた。ところが、更衣室から職員室へ戻るとそのメモは消されていた。これで私は決心した。勉強するのだと踏ん切れた。
 そうは言っても、来年の3月まで職場に勤めねばならない。幸いだったのは、同学年の先生は普段通りに付き合ってくださった。これはとても精神衛生に良かった。
 ある日、県内の分会(小学校・中学校)から署名が送られてきた。入学するなという署名である。本当に憲法を知っているのか、護憲護憲と言いながら学問の自由に反対するのだから憲法違反も甚だしい。この署名はヒロシにとって今後の励みとなった。35歳くらいまで持っていた。あるとき、こんなのどうでもいいわと吹っ切れた。それで捨てた。
 「許す」ことができない出来事がある。だから、署名を捨てたのは8年後くらいである。
 合格が決まり、次の準備に入った。自宅から大学まで片道50kmある。鉄道だと時間がかかりすぎる。従って大学院にはクルマで通学しようと、運転免許を取りに教習所に通った。校区に自動車学校があり、そこを3ヶ月くらい通って免許を取得した。
 不思議なことに、合格後には今後のことについてそれほど不安はなかった。反対されて行くのだから、勉強するしかない。この道しか選択の余地がなかったからである。たぶん、心の底で学びたいという欲求を抑えられなかったので、不安はなかったのだと思う。

教訓:人は我が身大事。無情に触れればこそ、温かみが身にしみる。



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