最新更新日:2024/04/29
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笑瀾万丈35  一通の手紙

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一通の手紙
☆筑波大学附属小学校へのお誘い
 9月4日のことだった。
 ヒロシが帰宅したら手紙が届いていた。見れば三輪辰郎とある。恩師からである。
 どうしたんだろうか。ヒロシは手紙を読んだ。
 今度、筑波大学附属小学校で教官の公募があるので、来ないかというお誘いであった。
 またまた、驚愕の場面がやってきた。
 神戸市と筑波大学附属小学校とは何の縁もない。なのに、こういうお誘いが来るなんて、びっくり仰天であった。
 早速、奥さんに相談して行きたいと話したら、不安そうな顔であった。
ともかく詳しく知りたいと思い、三輪先生の家に電話をした。すると、現在、附属小学校の算数科の教員のポストが一人空いている。それを補充したいという。前任者が東京教育大学の出身者だったので、附属小学校は大学に人事をお願いしたそうだ。
 あわてんぼうのヒロシは、即座に
「行きたい。」と返答した。
 すると、恩師からは、「そんなにすぐに決めなくてもよい。慎重に考えてほしい。」と諭された。
 へぇー、こんな道もあるのかと、半信半疑であった。
「それで、附属小学校に行ったらどうなるんですか。」と質問した。
「それは、算数の研究を一生するということだ。」
「その後、どうなるのですか。」と、たたみかけた。
すると、三輪先生はゆっくりと、
「志水君は地元でそれなりに活躍すると思う。もしも来るとしたら、附属小学校で一生終わる人が多い。そのほかは、大学に出る人、教育評論家などさまざまである。とにかく、一生勤める気持ちで来てほしい。でも、よく考えてほしい。」
 とても配慮した声かけであった。
 再度、奥さんにこのことを話して、東京に行くことについて話した。
「私は福岡(小倉)から神戸に嫁いできたのでやっと慣れてきたのに…。と言いつつも、最終的に、あなたの好きなようにしたらいいよ。」と言ってくれた。
 神戸の実家の母にも相談してお願いした。とにかくヒロシは長男なので
母親のことが気にかかるのである。
 翌日、朝、校長室に行って、附属小学校への転任の話をしに行った。
記憶が怪しいのだが、校庭の隣の敷地に多聞台幼稚園があって、園長はかつての上司だったので相談したかもしれない。
内田校長は、「分かった。教育委員会に連絡しておく」と話された。
「正式に、まだ決まったというのではありませんが」と話したのであるが、「そこまでの話ならば人事は進むと思う」と話された。



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