最新更新日:2024/04/27
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グループでの話し合いの複雑性

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グループ学習はこれまでの一斉指導から比較すると、とても複雑な方法である。

以下は、実際に私が出会った授業の場面である。

〇 あるグルーブは多様な考えが出て盛り上がる。
△ あるグループは同じ考えばかりで「ああ、そうなの」でおしまい。
× あるグループは多様な考えの意味が分からず。シーンとなる。
〇 あるグループは、3人が解答できて、1人ができていない。そのとき、3人は、頑張って1人に代わる代わる教えてうまくいった。明るい顔になる。
× ところが、別の作用になることもある。あるグループは、3人が解答できて、1人ができていない。そのとき、3人は、頑張って1人に代わる代わる教えるが、できていない1人はだんだんと暗くなり悲しそうな顔になった。この間、教師はその子に関わらなかった。これは教え合いでもなんでもない。つらい気持ちが残る方法である。
△ あるグループは、1人が解答できていた。他の3人に教えるかというと、そうではない。静かに、顔を見つめ合うだけである。交流そのものがになかった。
〇だれど、△ あるグループは、3人が普通の考え、1人が卓越した考えがでていた。だから、グループ学習のときには、盛り上がっていた。だけれど、その後の一斉学習では発表することをためらっていた。なぜなら、自分達で1人の卓越した考えに納得してしまったからである。

このように、グルーブ学習は、多様な場が生まれる。これらに適切に教師が応えているかどうか。そこが問題なのである。40人だと10グループの考えが生まれる。もっと言えば、1グルーブの中の考えは、6通りあるので、60の考えが生まれても不思議ではない。どんどん複雑化していく。

自力解決の後、何の指示もせずに「はい。グループ学習」という授業はワンパターンの典型である。確かに子ども達は素直に話し合うが、話し合った後、子ども達は喜びを感じているかどうかが問題である。喜びを感じたら成功であるし、逆にしらけてしまったら失敗である。

なぜ、グループ学習は複雑になるのか。それは、上の段のフリップを見ればわかる。情報が行き交うのである。このことが、多様な考えを生み出しで素晴らしい効果を生むことがある。逆に、みんな同じ考え方、同じ答えだと話し合う必然性がないのでエネルギーは下がる。さらに言えば、情報の交流は、「知」の交流と共に、「心」の交流もある。
よくできる子どもは新しい「知」を話したい。しかし、できない子どもにとっては、できないことを知らせたくない。つまり、「心」を閉じたいのである。算数科は問題を解決してから交流が始まるのに、解決できていなかったことに対する挫折感を見せたくないのである。
教師は、安易に失敗してもいいよというが、何度も失敗してきた子どもには過酷な仕打ちである。

だから、志水は、自力解決のときにはどの子にもできるだけ解決できるようにと、机間指導の技法として○付け法を提唱しているのである。

もちろんグルーブ学習のよさもある。一斉指導では発言できなかった子どもがグループなら話し合いに参加できることも事実である。だったら、全員ができるようにしたからグループ学習に入ればよい。

下の段のフリップを見てほしい。教育課程審議会の答申から抜粋したものである。グループ学習のことについて何と書いてあるのか。「時に、協働的に」と書いてある。「いつも」とは書いていない。このことの意味を理解した上でやるべきである。

グルーブ学習をやるならば、自力解決の悩みの共感、解決の喜びの共感などがあり、新しい「知」の創造になるようにしたい。




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