最新更新日:2024/05/17
本日:count up3
昨日:27
総数:440842
新規「授業力アップわくわくクラブ」サロン会員のご案内  新規「授業力アップわくわくクラブ」サロン会員のご案内 

「志水メソッドによる授業づくり」

画像1 画像1
「志水メソッドによる授業づくり」
http://www.meijitosho.co.jp/shoseki/shosai.html...
はじめに

 志水メソッドとは何か。算数数学の授業について、○つけ法・意味付け復唱法をはじめとする指導方法・技術である。では、なぜ、私の研究は、ここに行き着いたか。私は、学級の全ての子どもに算数が「わかる」「できる」ようになってほしいと願って研究してきた。○つけ法や意味付け復唱法は、「わかる」「できる」ことを支援する強力な道具であるからだ。その意味するところは、子どもの思考の外化を促し、外化されたものに対して評価と指導が一体化してできるからである。言い換えると、「確認」と「見届ける」ことを保障するからである。しかも、○をつけると子どもは本当に喜ぶ。意味付け復唱法を使うと、子どもの発言の真意がわかる。
また、問題解決型の授業を構成するためにも、これらの方法が有効だと考えている。新学習指導要領では、思考力・判断力・表現力の育成を掲げているが、○つけ法・意味付け復唱法はこれらに十分役立つ方法である。○つけ法は思考力の源である自力解決を促し、意味付け復唱法は表現力を育成し、コミュニケーションを促していくからである。
ところで、私は、授業力を次の公式で定義している。
授業力={(教材把握力)×(子ども把握力)×(指導技術力)}×(精神エネルギー)
この4つの要素があること、しかもかけ算であることの意味を考えてほしい。上のうち一つでも低い数値だと授業力は低くなってしまう。だから、バランスよく伸ばすことが必要である。
○つけ法や意味付け復唱法は単なる技術ではない。上の公式から考えても技術だけでは授業は成立しない。確かな教材把握力、子ども把握力があって、また愛で育てる精神エネルギーがあってこそ実を結ぶものである。
 本書では、志水による○つけ法・意味付け復唱法の理論的な背景と志水メソッドを活用している実践者による報告をまとめたものである。
 できるだけ最近の成果を取り入れて執筆・編集した。
 立場上、多くの教師の授業を参観し指導している。年間200本は見る。
この人たちが、少しずつ○つけ法や意味付け復唱法を取り入れて、教師の授業力が伸びていく、子どもの問題解決力・表現力が伸びていくことを見てきた。私にとってとても嬉しいことがらである。
 この本のベースになったのは、愛知教育大学公開講座である。毎年、6月に実施し、全国から福岡から茨城まで広範囲にわたって土日の2日間の講座に130名近くの方が集まる。地元よりも県外の方の方が多いのが特徴である。内容は、志水メソッドについて講話を中心にして実施している。第1章は、この講話がとてもわかりやすかったので、これを加筆、修正してまとめた。第2章は、志水による最近の研究の成果を述べた。○つけ法・意味付け復唱法についてさらに理解が深まるものと言える。内容的に第一章と重複する箇所があるが、大事な事柄なのであえて削除しなかった。第三章は、志水メソッドの実践報告である。ベースは、公開講座のゲストの講師による研究実践報告である。これらの方に感謝している。
 この本では編集部にお願いして、特別にDVDを付録としてつけることにした。○つけ法・意味付け復唱法をわかりやすく志水自身が語ったものである。ぜひともご利用いただきたい。
 なお、この本の補足としては、私と長野県岡谷小学校とでつくった『DVD付、算数科:学ぶ喜びを育む学習の創造−志水メソッドとの出会い−』(明治図書)を見てほしい。この本に載せられなかった適用問題定着法や二人対話法が取り上げられている。
 最後になったが、ぜひとも、すべての子どもが算数を「わかる」「できる」ようになることを願っている。
                平成20年9月28日
                愛知教育大学教職大学院
                志水 廣

「定義や定理」集:はじめの言葉

画像1 画像1
はじめに

 算数・数学科の授業は問題解決型の授業で構成したい。このことは、筑波大学附属小学校から今日に至るまで揺るぎがない。問題解決型の授業をするためには、子ども一人一人の自力解決の促進と保障、そして子どもの豊かな算数数学的な表現をもとにしたコミュニケーション活動が前提となる。前者は○つけ法で、後者は意味付け復唱法でといのうのが現時点での研究実践の成果である。
 特に、授業の上手な教師とそうでない教師との力量の差は、授業で生まれる子どもの言葉をいかにして真意を受け止め、数理にもっていくかである。すなわち、以前から授業中での教師と子どもとのコミュニケーションを分析する中で、算数の言語の大切さに気付き、算数の言語に興味・関心をもっていた。算数の教科書で使われている言葉に興味を持ち、志水ゼミの学生の力を借りて集めて整理した。その成果は、愛知教育大学より『教科書における算数言葉集』を刊行した。
 今回、本書が生まれたきっかけは、梅園小学校が岡崎市教育委員会から研究指定を受け、活用力育成にかかわってもととなる算数科の言語力をきちんと整理することから始まった。特に、算数科の授業では、どんな言葉を子どもに言わせたいかを明確にすることが今日求められているという私の助言に梅園小学校が応えてくださった。特に、算数科で「理由」や「方法」を述べようとするためには、「定義」や「定理」が明確でないと使えない。算数の教科書『わくわく算数』(啓林館)の代表的な言葉について「定義」や「定理」を抽出する作業をした。また、実際の授業では、子どもらしい表現が登場するので、この点についての例示を盛り込んだ。その成果は、平成19年の研究発表会にデータをCDにして公表した。
 その後、平成20年度に「定義」や「定理」の抽出を教科書の全体に広げて精力的にまとめた。これが、本書である。19年度の下地があったとはいえ、まとめるにあたって神尾校長先生のもとで梅園小学校の職員が精力的に動いてくださった。厚く厚く感謝したい。
 現在、新学習指導要領も告示され、算数科では、「表現力」の育成が目標に新たに追加された。この定義や定理集は、子どもの言語表現をサポートするものとして、とても貴重な資料と言える。今回、愛知教育大学よりブックレットとして刊行できることは時機を得たものと言えよう。ぜひとも教師が正しい定義と定理を知って授業で使って、子どもに使わせていただいたい。
 本書は、教材研究の基になる資料である。授業で使う用語について教科書ではどのように定義しているかを知ることによって、算数の授業がより正確な言語表現がなされていく。ぜひとも、教室に1冊手元において辞書的に利用していただきたい。
 
                     平成20年2月吉日
                     愛知教育大学 志水 廣

「志水 廣の公式ホームページ」
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

配布物