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東部中たより「東風」

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東部中学校通信 Vol.22
平成31年3月 野呂一彦
「知足」
 金閣寺からきぬかけの道を下ると、竜安寺という禅寺があります。「りょうあんじ」というその寺は、枯山水の庭が有名です。方丈の縁に座って庭を眺めると、どの角度から見ても十四個しか見ることはできないように十五個の石が並べてあるのだそうです。昔の造園家もなかなか洒落たことを考えるものです。かえって昔の人の方が小粋な遊び心を持っていたのかもしれません。
 方丈の北側の軒下には、水戸の黄門さまの寄進とされる蹲踞(つくばい)が置いてあります。蹲踞とは、茶室に入る前に手や口を漱ぐための水を張っておく石のこと。残念ながらレプリカだそうですが、ここに刻まれている文字は、「吾唯知足」。どの漢字にも口が付いています。如何なる意味かと考えたりしていますと、なんとなく、ゆっくりと流れる時間に包まれていくようで、心地よい気分になってきます。人はどんな時に幸せを感じるのでしょう。
 2018年の日本で一番幸せな県は福井県。以下、東京都、長野県と続いて、我が三重県は13番目。ある研究グループの発表を目にしたことがあります。どのように決めたのかは知りませんが、「幸福度」という言葉は、気になります。世の中はずいぶん便利になりました。竜安寺が建立された室町の時代にはなかったものが、今はたくさんあります。さて、昔に比べて今の人は幸せになったのでしょうか?どうも便利さと幸福度は、一致しないように思われます。
 では、どうすれば「幸せ」を捕まえることができるのでしょうか。「幸せ」という奴は、あまのじゃくです。追いかけると逃げるし、与えようとすると返って来る。私は常々、周りの人が喜んでくれる顔を見て満足できる人は、「幸せ上手」だと思っています。
「幸せ」のヒントが、蹲踞(つくばい)に刻まれていました。
「吾唯知足」
「私はこれで十分だから、あなたがどうぞ」

たまには、こういうのもいいかな。
 
4月 行事予定
8日(月)着任式・始業式・認証式・入学式 
9日(火)対面式・部活動紹介
20日(土)授業参観5限目
22日(月)振替休日

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