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東部中たより「東風」

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東部中学校通信 Vol.21
平成31年2月 野呂一彦
「人間力」
 今年のNHK大河ドラマは、日本マラソンの発展に大きく貢献した金栗四三の物語です。彼が出場したのは、1912年に行われたストックホルムオリンピック大会です。彼は、前年に行われた国内予選会で、当時のマラソン世界記録を27分も縮める大記録を出していました。しかもその時、彼が履いていたのはマラソン足袋と言われる足袋でした。こんなエピソードが残っています。オリンピック当日は猛暑でした。彼は走っている途中、日射病で倒れてしまいました。近くの農家の人が介抱してくれましたが、目を覚ましたのは翌日だったそうです。連絡ミスもあって、オフィシャルには彼は「行方不明」として処理されていました。オリンピックの競技規定には「棄権」はあっても「行方不明」はありません。その後、54年経ってから、スウェーデン・オリンピック記念行事から金栗に招待状が届きます。現地におもむいた彼はゴールテープを切りました。記録はなんと「54年8ヶ月6日5時間32分20秒3」です。もちろん世界最長記録!
時代は進歩し、陸上競技も変わりました。より速く走れるようシューズやウェアが開発され、トラックも整備されました。道具の進化はスポーツの世界だけではありません。世の中は便利な道具であふれています。インターネット、スマートフォン、コンビニエンスストア、AIを搭載した自動運転の車ができるのももうすぐです。多くのことが簡単にできてしまいます。ここで忘れてほしくないのは、人間そのものは、100年前とそれほど変わっていないということです。人は、長い時間をかけて成長します。温かい手のぬくもりや、優しい言葉がけが人の心を育てます。いつの時代もこれは変わりません
 最新技術を否定するつもりはありませんが、技術は人のためにあるものです。とかく人の世界はままならぬもの。故事に言うところの「塞翁が馬」なのです。今の自分におごらず、引きずらず、冬の次は春。素敵な近未来を幸せに生きるために、私たちは人間力を磨きましょう。Never too late !

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