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最新更新日：2024/09/20 |
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南風あったかげん記−１３８−
☆★☆ 人形浄瑠璃文楽 岩倉公演 ☆★☆
「おもしろかったね。」「そうだね。」 興奮さめやらぬ中で、ホールを出るお客さんが口々に言葉にしていました。 伊達娘恋緋鹿子でお七が階段を上り半鐘を打ち鳴らす場面は、思わず応援したくなるようなリアリティがありました。 その後、大夫（たゆう；語り）、三味線、人形遣いのそれぞれに解説がありました。 大夫は、一人で情景描写から複数の人を演じ分ける点で落語と似ていますが、竹本義太夫が創り出した義太夫節で語られます。昨日の竹本津駒大夫の熱演は見事でした。 三味線は、舞台全体の進行役。犬や猫の皮を使った太棹三味線で、大夫の伴奏や、情景や心情の描写を撥だけで表現します。 そして、大夫と三味線のコンビネーションのもと、人形遣いが３人で一体の人形を動かします。主遣い（おもづかい）が首と右手、左手の担当左遣い（ひだりづかい）、両足の担当足遣い（あしづかい）と共に人形に命を与えます。解説してくれた三林京子さんの弟、桐竹勘十郎の説明はユーモアにあふれつつ、その動きは見事の一言でした。人形の動きは決まっているものではなく、左遣いと足遣いは、主遣いが操る人形のかしらから肩の動きを見て瞬時に判断しているのです。つまり主遣いの無言の指令がここから出ているのです。 体験コーナーでは、私も立候補し、左遣いをやってみました。右手で棒（何というか忘れました）を持ち、２本の指をひもにかけます。指を交互に動かすと、手のひらが開いたり閉じたりしました。全体の動きに会わせて左手を動かすのですが、根本的な問題がありました。人形の前に出ないと、自分が動かしている左手がどうなっているのかわからないのです。左遣いの人は、人形の背後から、練習で鍛えられた勘で動かしているのです。恐るべし。 日高川入相花王では、川を渡りたい清姫と、渡らせない船頭との巧妙なやりとりが続いた後、ついに清姫が川に飛び込み泳ぎ出します。途中、蛇の姿、般若の顔に変わり、とうとう反対側の岸に到達します。その間、観客は完全に引き込まれてしまっていました。 そういえば、サンダーバードの人形を作ったジョン・ブルンダールは、その前に日本で人形浄瑠璃の修理などをしていたそうです。名作サンダーバードの人形には、人形浄瑠璃の血が流れているとは、日本人としては痛快です。 校長 土 井 謙 次（syaraku@tcp-ip.or.jp） 南風あったかげん記−１３７−
☆★☆ 勉強にはやり方がある−その２４− ☆★☆
《 知識を使えるようにする；３ 》 前回の内容は今回のシリーズのポイントでしたが、それに関連した実例を紹介します。 以前担任した生徒で、「弱点ノート」を作成していた子がいました。実際に「弱点ノート」という名前だったかどうかはわかりませんが、ノートに間違えた問題を貼ったり、書き写したりして、右側に正解を書いていたのです。 さらに驚いたのは、なぜできなかったのか、間違えたのかが自分の言葉で書いてあるのです。なかには類似の問題を貼ってあるページもありました。 勉強法としては、たいへん高いレベルです。×を○に変えようとしている点、自分の学習方法を振り返っている点、関連するところの復習をしている点など、必要な事を全てやっていました。 日頃は部活動や生徒会を頑張り、塾へも行かず、忙しい中で時間を有効に使って独力で頑張っていた生徒です。そこで編み出した自分流のノートだったのでしょう。成果が十分表れていました。 部活動の運動部では、なぜ試合に負けたのか、勝つためには今後練習方法をどう工夫すればよいのかを考えて実行する事が重要です。勉強も同じなのですね。 校長 土 井 謙 次（syaraku@tcp-ip.or.jp） 南風あったかげん記−１３６−
☆★☆ 日航ジャンボ機事故 ☆★☆
この日が来るといつも思い出します。 今から２２年前の今日、私は中国にいました。名古屋のオーケストラの一員として、南京・上海の親善演奏旅行の途中でした。大谷康子さんをソリストに、新世界とメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲、渡邊浦人の交響組曲『野人』を演奏して回りました。 ８月１２日は私の誕生日なので、南京か上海、または蘇州（だったか記憶にありませんが）、そのどこかの食堂でパーティーを開いてもらっていました。ただ、食堂のテレビ画面に日航のジャンボ機が何度も映っていた事だけは覚えています。日本で何があったかは知る由もありませんが…。 帰国したのは１５日だったと思います。名古屋空港まで迎えに来てくれた兄にそのことを知らされ、「知らんかったの？日本中てんやわんやだ。」と言われて、事の重大さを知りました。 それ以後の動きは、保護者のみなさんならご存じの通りです。原因究明や生存者報道、現場の写真集の是非、遺族報道など、日本がそれまでに経験した事がないことが問われました。間違いなく、昭和の重大事件の一つになりました。 ＪＡＬは昨年４月に安全啓発センターを開設し、事故の直接原因とされる後部圧力隔壁や後部胴体をはじめとする残存機体、コックピット・ボイスレコーダーや、事故の新聞報道や現場写真に展示を始めました。 ５２０名の犠牲はあまりにも重すぎます。しかし、多くの過ちからその度に立ち直ってきた事も、人類の軌跡の一部です。今日の日を安全航行のチェック日として、事件を風化させない事を祈りたいと思います。 校長 土 井 謙 次（syaraku@tcp-ip.or.jp） 南風あったかげん記−１３５−
☆★☆ 勉強にはやり方がある−その２３− ☆★☆
《 知識を使えるようにする；２ 》 今日のテーマは、「２度同じ間違いをするな！」。 多くの人は、問題集を解く時、○があると喜び、×があるとがっかりします。しかし、これは間違い！ ×があったら喜びましょう。なぜなら、問題集は弱点を見つけるためにあるのだからです。×を○に変える事が勉強なのですから。 これを考えると、問題集の次のようなやり方はだめな方法です。 ア やりっ放しで答え合わせをしない。 イ ○・×をつけただけでやり直しをしない。 ウ ○・×をつけて、×を赤で直すだけ。 これは全てダメです。ウの人はけっこういるかも…。 問題集は次のようにやりましょう！ � ”�ず時間を計る。（集中できます。） �◆，垢阿謀�えを合わせろ。 �� ○×をつけて答えを直さない。 �ぁ 澆量簑蝓⊆�信がなかった問題の前に印を付ける。 �ァ 澆量簑蠅呂發Π貪戮笋襦�わからなければ、理解できるまで、人に聞いてでもやる。 �Α，修離據璽犬防寇技罎鯏修蝓■各�後と、７日後の日付を書く。 �А，修瞭�にもう一度印を付けた問題をやり直し、３日後と７日後のどちらも正解ならその付箋紙を捨てる。 いかがでしょうか？お試し下さい。 校長 土 井 謙 次（syaraku@tcp-ip.or.jp） 南風あったかげん記−１３４−
☆★☆ 中学生海外派遣 ☆★☆
学生時代に先輩から、「外国には借金してでもいいから若い時代に行っておくべきだ。」と聞かされましたが、実際に行ってみるとまさに同感でした。百聞は一見に如かずといいますが、こと海外に限ると全てが違います。食べ物はもちろん、電車の切符の買い方からトイレまで違います。それこそ実際に行き、全身で感じないとわからない世界です。 しかし、行ってみると何とかなるのも海外です。当然ですね。同じ人間、根っこは同じなのですから…。 昨日からマレーシアへ旅立ちました。ホームステイ中心の、交流が目的です。今回お世話になるホームステイ先の方を、次は日本に招待するという計画があるそうです。１回限りに終わらない、素晴らしい企画だと思います。 私は、海外に行く時には、いつも心がける事があります。それは、「日本と似ているようで違う事を見つける。」「日本と違うようで、似ている事を見つける。」というものです。やってみると意外と難しく、五感をフルに働かせてないと、また積極的に自分の足でかせがないと見つける事ができません。さらに、時間が経てばたつほど、脳みそが慣れてしまって、気づかなくなってしまうのです。 そのような事を考えながら、前任校の海外派遣を引率した時の個人的な感想をまとめたものが「ブリスベン見てある記」です。 http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/kaigaihaken/mi... 読み返すと、当時の様子が浮かんできます。ついでに紹介します。 一昨年の中国ＯＤＡ視察が「中国ＯＤＡ見てある記」です。詳しい内容は、後日に紹介します。 http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/oda/index.htm 韓国研修をまとめた時のものです。まったく主観的な文化比較論が、今読むと面白いです。 http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/kankoku/index.htm その続編 http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/kankoku2.htm 読み返すと、記録してまとめておく事の大切さを痛感します。５人の南中生が、どんな体験をおみやげに持ち帰ってくれるか、今から楽しみです。 校長 土 井 謙 次（syaraku@tcp-ip.or.jp） 
南風あったかげん記−１３３−
☆★☆ 人形浄瑠璃 文楽−２− ☆★☆
校長日記９０号で文楽の紹介をしました。いよいよ明日が岩倉公演です。９０号でも紹介したとおり、文楽の単独公演は日本広しといえども岩倉市のみです。当日券があるかどうかはわかりませんが、もしあれば絶対お薦めです。2003年には人形浄瑠璃文楽として世界無形遺産に指定された、日本を代表する伝統芸能です。 明日の出し物を紹介します。 伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ) 火の見櫓の段 八百屋久兵衛の娘お七は、恋人の吉祥院の小姓吉三郎が今宵、切腹しなければならない原因となった天国の剣を武兵衛のもとから盗み出そうと決意します。町々の木戸が九つの鐘を合図に閉められてしまうため、剣が手に入っても渡すことができないと思ったお七は、火刑を覚悟で火事でもないのに、火の見の半鐘を打ち鳴らします。文楽では有名な出し物です。 日高川入相花王（ひだかがわいりあいざくら）渡し場の段 十世紀、朱雀天皇の時の事。弟の桜木親王に皇位を譲ろうとする天皇に対して、皇位を狙う別の一派があり親王の命を狙っています。親王は山伏に身をやつし、安珍と名を変え追っ手から逃れていました。やがて、熊野の真那古庄司のもとにたどり着いた親王は、恋人と巡り逢い、道成寺へと向かいました。ところが、庄司の娘・清姫は親王とも知らず、安珍に恋していたのです。嫉妬した清姫は、すぐに安珍の後を追うのでした。夜、清姫は日高川に差し掛かりました。道成寺はもうすぐです。川岸には一艘の船と船頭がおり、清姫は川を渡すように頼みますが、船頭は安珍から清姫が来ても川を渡さないように頼まれており、懇願する清姫を冷たくあしらいます。安珍への思いがどうしても断ち切れず、嫉妬に狂う清姫はとうとう自力で川を渡る決心をしました。岸に立ち水面を見ると、そこには一匹の大蛇の姿が映っていました。 嫉妬の念から大蛇に姿を変えた清姫は、安珍を追って川を渡るのでした。 あの玉三郎が歌舞伎で清姫役をやって評判になった作品です。 校長 土 井 謙 次（syaraku@tcp-ip.or.jp） 南風あったかげん記−１３２−
☆★☆ 勉強にはやり方がある−その２２− ☆★☆
《 知識を使えるようにする；１ 》 暑い日が続きますが、その中を海外派遣としてマレーシアへ５名の生徒が旅立ちます。健康に気をつけて、交流を楽しんできてほしいと思います。 さて、このシリーズも、理解、整理、記憶と進み、いよいよ最終ステージ「知識を使えるようにする」に移ります。 今日は、「問題集を限定しろ！」です。覚えた知識を使えるようにするためには、実際に問題を解いてみなければいけません。しかし、ここに落とし穴があるのです。 多くの失敗は、あれもこれも手を出しすぎて、全て中途半端に終わる場合です。ザルを何枚重ねても水はすくえませんね。特に分厚い問題集や参考書は、量が多すぎて、記憶に必要な「繰り返す」ができません。これでは定着しませんね。 それよりも、薄めの１冊を確実にマスターすることが最も楽で、最大の成果が得られるのです。 「薄い」ということは、試験によく出る重要な問題しか載っていないということです。また、繰り返すことで記憶が定着します。 まず１冊を完全にマスターしてから、次に移ればよいのです。１冊目に欠けていた問題だけをやればよいので効率的です。 「問題集は限定し、繰り返す。」これが鉄則です。 校長 土 井 謙 次（syaraku@tcp-ip.or.jp） 南風あったかげん記−１３１−
☆★☆ 勉強にはやり方がある−その２１− ☆★☆
《 知識を記憶する；７ 》 このブログを始めて、昨日で３ヶ月になりました。３ヶ月で１万５千を超えるアクセス数には驚いています。今後とも内容の充実に心がけますので、よろしくお願いします。 記憶する編の最後は、「チェック欄を作れ！」です。 前にも書きましたが、そもそも勉強って何か？ ○ → ○ ；できることができても当たり前。 × → × ；できないことができなかったら進歩がない。 × → ○ ；できないことができるようになって初めて勉強したと言える。 だからこそ、� ，任�ないものを見つける �◆，任�ないものをできるようにする �� できるようになったことを確認する そのためのチェック欄なのです。 図は一例で、Ｑに問題、Ａに答え、左にチェック欄があります。一度○になれば、次回から飛ばしても構いません。試験前に、もう一度復習をする程度でよいのです。効率化のためです。 読者の方からメールをいただきました。テーマは「私の記憶法」でした。次のような内容です。 部屋の壁に覚えなければならないことを書いた紙を貼っておく。覚えたら、その紙を剥がすことができる。その紙は別に綴っておいて、最後にもう一度復習をする。 というものです。仕事が一目で見えるよい方法ですね。企業でよく行う「みえる化」ですね。ありがとうございました。みなさんの「私の勉強法」を教えてください。よろしくお願いします。 校長 土 井 謙 次（syaraku@tcp-ip.or.jp） 
南風あったかげん記−１３０−
☆★☆ 勉強にはやり方がある−その２０− ☆★☆
《 知識を記憶する；６ 》 「漢字ドリル」「計算ドリル」この言葉に、懐かしい響きがしませんか？ ドリルとは、物に穴をあけるためのあの回転する工具ですが、それが転じて、知識・技能を習得するための反復練習、または反復練習による指導法を指すようになりました。記憶は反復なのです。 私は、暗記の基本は、ドリルだと思っています。ただし、答えが見えるものは、暗記したとは言いません。暗記した気になっているだけで、本当に覚えたかどうかが確認できないからです。 答えを隠せるドリルを作りましょう。 たとえば、英単語なら、下図のような暗記用の目隠しシートをつかって、意味を隠しながら言っていく。歴史なら、重要語を虫食い状態にして、別の蘭に答えを書いておく。赤字で書いて赤い下敷きで字を見えなくするのも一つの方法でしょう。何でもいいのです。自分にあったやり方を工夫してみてください。 校長 土 井 謙 次（syaraku@tcp-ip.or.jp） 
南風あったかげん記−１２９−
☆★☆ 愛知県吹奏楽コンクール ☆★☆
南風あったかげん記−１０８−で吹奏楽コンクールとその地区大会の仕組みについてお話ししました。ここでは県大会の仕組みについて説明します。 県大会は、各地区（西尾張、東尾張、知多、名古屋、東三河、西三河）の代表２０校で争われます。審査員は８名で、それぞれ５点満点で点数をつけます。合計４０点満点で、総得点により順位をつけ、金賞・銀賞・銅賞に分けるのです。今回は、たまたま金賞４校、銀賞１１校、銅賞５校でしたが、その比率は決まっているものではありません。あくまでも、得点と、その時の数によるバランスで決められます。 ５段階評価というと学校の通知表を思い浮かべますね。学校の成績で、一人の生徒に対してある人が５、ある人が２というのはあり得ません。ところが、吹奏楽は音楽であり、しかも、学校のように評価規準はありません。審査員は、指揮者や管楽器奏者というある分野のスペシャリストですので、それぞれの見方があります。滅多にあることではありませんが、時として、同じ演奏である人が「５」、ある人が「２」があり得ます。要するに、いろいろな見方をする人がいて、より多くの支持を集めた音楽が上位に入るのです。 南中は、４点を付けた審査員が２名、３点が３名、２点が３名の、計２３点でした。確かなことはわかりませんが、おそらく、あと１点あれば平均３点で銀賞だったと思います。あえて順位をつけるなら、２０校中１６番目かな？というところです。これは、初の県大会としては大健闘といえましょう。 帰校後は、音楽室で反省会でした。最高の演奏に対して祝福しながらも、よりよいものを目指すならということで、私からあえてひと言話をしました。次のような内容です。 吹奏楽は、スポーツでたとえるならシンクロナイズドスイミングのチームです。足の高さや手の動きなど、全員でそろえることが命なのです。音程や音色は当然、息の吸い方や切り方、タンギング、終わり方など、いかにそろえるかがポイントなのです。だとしたら、練習は、全員がそろっていて当たり前。一人が欠けても練習になりません。これは厳しいようだけど、個人の生活をある程度犠牲にする部分を作らないとできません。今後さらに進歩したいのなら、これを乗り越えなければなりません。 以上のような内容です。これが団体競技なのですね。３５人で、１人が２時間練習を休めば、２時間×３４人分が（極論ですが）無駄になるのです。 この厳しさに気付いたのが、今日の最大の収穫になればと思います。 校長 土 井 謙 次（syaraku@tcp-ip.or.jp） 南風あったかげん記−１２８−
☆★☆ 勉強にはやり方がある−その１９− ☆★☆
《 知識を記憶する；５ 》 今日は愛知県吹奏楽コンクール。このような鮮烈な出来事は、生徒の記憶に一生残ると思います。しかし、なかなか記憶に残らないものは工夫する必要があります。 ネットで調べていたら、勝俣暎史駒澤大学文学部教授（臨床心理学)の「記憶術の技法」というサイトがありました。 http://www.komazawa-u.ac.jp/~katsu/memorysystem... さらにリンク先には、「英単語記憶術」というサイトもありました。世の中には記憶術を専門にしている学者がいるのですね。その一部を紹介します。 心理学者のHigbee氏は、学習や記憶の基本的原理としてつぎの７項目を挙げています。 (1) 有意味化 meaningfulness 、(2) 組織化 organization 、(3) 連想 association 、(4) 視覚化 visualization 、(5) 注意 attention 、(6) 興味 interest 、(7) フィードバック それぞれに解説されていますが、この原理を応用したものとして、「記憶術ないし記憶技法の主な技法」が紹介されています。それが、連鎖法・かけくぎ法・場所法・頭文字法・SQ3R法ないしPQRST法・キーワード式高速読解・速読法というものです。興味を持たれた方は読んでみてください。 私は読んでみて、いわゆる語呂合わせは理解できるのですが、それ以外は地道に努力した方がはやいのではないかと思いましたが、さてみなさんはいかがでしょうか？ 校長 土 井 謙 次（syaraku@tcp-ip.or.jp） 南風あったかげん記−１２７−
☆★☆ 勉強にはやり方がある−その１８− ☆★☆
《 知識を記憶する；４ 》 記憶とは、「記銘（覚える）−保持（保存する）−想起（思い出す）」を合わせたものといいました。記銘−保持が難しいことは、みなさんに経験があると思います。 ある心理学者は、「記銘−忘却を数回繰り返すことが保持につながる」と言っています。これもわかりますね。 したがって、記憶は細切れの時間を使うことが有効です。１日の中には、数分の空き時間はいくつかあるものです。例えば次の方法はいかがでしょう。 � ｜姥譽�ードのようなものを携帯し、ちょっとした空き時間を使って繰り返し覚える。 �◆，修瞭�に覚えることを１枚の紙に書き、１日数十回眺める。例えば食事中も机の上に置いて食事をする。１日の最後に覚えたかどうかチェックする。その紙は、３日後、３週間後にも再チェックする。 ぜひお試しください。 校長 土 井 謙 次（syaraku@tcp-ip.or.jp） 南風あったかげん記−１２６−
☆★☆ 水辺まつり ☆★☆
広島平和派遣団全員無事に帰ってきました。平和についての考えが土台から揺れ動いている今の日本だからこそ、報告はしっかりさせたいと考えています。そして、来年のこの事業につなげればと思います。 日曜日は、３０名ほどの南中生が水辺まつりでボランティア活動をしてくれました。私も、いわくらＯＹＧクラブのメンバーとして、ウォータースライダーの担当をしながら南中生の活躍をつぶさに見ることができました。たいへん暑い一日で、来場者は過去最高を記録したそうです。そこで見た感想は「南中生ボランティアは素晴らしい」の一言です。 こうやって書くと、お世辞だとか自己満足とかいわれるかもしれませんが、そうではありません。 以前にも紹介しましたが、布袋中学校時代に中学生のボランティアや社会参加を推進してきました。担当者として、その活躍ぶりも毎年見てきましたし、一緒に体験もしてきました。大口北部中の教頭時代も、生徒がボランティアに行く時にはできるだけ観察するようにしてきました。 その他、立場上、いろいろな機会で中学生の動きはよく見てきたつもりです。 それを踏まえた上で、昨日の南中生の動きは見事でした。これは、決して過去に私が赴任した中学生との比較、または現在の他校生の比較ということではありません。行為そのものに対する評価です。 なぜなら、南中生の行為は、「参加した小学生、幼児に楽しんでもらおう」という意識が見えました。 これは簡単そうで難しいことです。たいていの場合、まず自分が楽しんでしまうからです。 言葉かけや目線の高さまで気を配っていました。この１日で、彼ら彼女らの生きる力は、随分伸びたのではないかと思えるくらい、それは充実した１日でした。 快く送り出していただいたご家族の方に感謝申し上げます。今後も活躍の場をお薦め頂ければと思います。今後ともよろしくお願いいたします。 校長 土 井 謙 次（syaraku@tcp-ip.or.jp） 南風あったかげん記−１２５−
☆★☆ 勉強にはやり方がある−その１７− ☆★☆
《 知識を記憶する；３ 》 記憶とは、「記銘（覚える）−保持（保存する）−想起（思い出す）」を合わせたものをいいます。一度記銘され、保持されたものは、きっかけさえつかめれば想起できます。このきっかけに役立つのが、何といっても語呂合わせです。「鳴くよウグイス平安京」の類です。 その語呂合わせも、自分で考えたものはより想起する力が高いようです。私は、歴史の年号は、よく生徒に語呂合わせを考えさせていました。 「１１６７年 平 清盛 太政大臣になる」 みなさんなら、どうやって覚えますか？ 授業中、ある生徒が、ぼそっと「いい胸毛」とつぶやきました。その時、おそらく誰もが平清盛像に胸毛が生えている姿を想像したのでしょう。微妙な空白の後で一斉に笑いがおきました。そして、「これなら忘れない」という声も聞こえました。確かに覚え方も忘れませんが、私は、このときの様子も忘れることができません。 こうして作った語呂合わせは、次に載せてあります。 http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/nengou.htm また、次のサイトはとてもよくできています。 http://www.hamajima.co.jp/rekishi/nengo/ 次は、私が以前、夏休み特別講座で覚え方を指導した時の自作テキストです。 http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/oboekata.htm こうやっていると、覚えることは楽しみになってくるから不思議です。ぜひ、自分でも考えてみてください。 校長 土 井 謙 次（syaraku@tcp-ip.or.jp） 南風あったかげん記−１２４−
☆★☆ 勉強にはやり方がある−その１６− ☆★☆
《 知識を記憶する；２ 》 「単語はなかなか覚えないのに、テレビのＣＭはすぐに覚える。」 こらは、誰もが一度は感じたことではないでしょうか？覚える気もないのに、なぜ覚えてしまうのでしょう？ 「記憶」のメカニズムを考える時に、ＣＭはとても参考になります。なぜなら、ＣＭ制作者はそのメカニズムを熟知し、利用しているからです。 その一つは、「反復」です。繰り返すことで、無意識のうちに定着させてしまうのです。 そして、「総合性」。記憶は、映像の部屋、音の部屋、言語の部屋に分かれて保存され、ニューロンとシナプスがつないでいます。これらは、記憶をつなぐひもとなっていますが、よいＣＭは、印象的な画像と音、そして覚えやすい洗練された言葉がまとめて脳に飛び込んできます。 これを応用すると、反復は「復習」することで実現できます。 総合性は、五感を活用することが、記憶の早道です。目で見て、耳で聞いて、手で書いて、声に出すことで、記憶を助けるのです。 例えば、勉強の合間には英単語のＣＤを流すと、聴覚を刺激します。その時に単語の本を見ると視覚も刺激します。時には声に出し紙に書いてみましょう。これを毎日繰り返せば、ＣＭと同じで自然と記憶できます。 テレビＣＭにはどんな工夫が隠されているか、考えながら見るのも楽しみですね。 校長 土 井 謙 次（syaraku@tcp-ip.or.jp） 南風あったかげん記−１２３−
☆★☆ 夏まつり ☆★☆
昨晩は４カ所の夏祭りを見せていただきました。 私は江南市古知野の生まれと育ちです。岩倉と比較して思うことは…。 古知野も古くからの祭りがあります。それはそれでよいのですが、参加者が、小学生（子ども会）、幼児とその親、区（班）の役員、厄年の数年前から後厄まで、厄年のＯＢ会なのです。こうやって並べると、どこかの世代が抜け落ちていることに気付きませんか？ そうです。中学生から幼児の親になるまでの年齢まで、町のコミュニティから外にいるのです。小学校の卒業はお祭りからの卒業を意味していましたが、実はコミュニティからも離れてしまっているのです。これは随分前から指摘されていたことですが、未だに解決されたとは言い難い状況です。 しかし、岩倉は違います。どこへ行っても中学生がいました。ボランティアという形で主催者側にいる生徒もいれば、その中学生に会いに来る生徒、輪の中で一生懸命に踊っている生徒など、多くの南中生を見かけました。 これはとてもよいことです。よく地域の教育力と言いますが、それは子どもと大人が関係があって、初めて成り立つことです。しかし、多くの地域の現実は、中学生はコミュニティからはずれ、声すらかけにくい存在になっているのです。 こう思うと、お祭りは大切にしなくてはいけません。下本町の山車では、梶方のほか、お囃子の笛・太鼓でも小中学生が活躍していました。将来お祭りを支えていく後継者として、直接伝承が行われているのです。街中で会えば、挨拶も交わせるだろうことは、容易に想像ができます。 お祭りがない地域はどうするか？やはりボランティアなどで、新たな関係を作り上げればよいのです。 昨晩は、岩倉の歴史と南中ボランティアの底力を感じさせられました。 校長 土 井 謙 次（syaraku@tcp-ip.or.jp） 南風あったかげん記−１２２−
☆★☆ 勉強にはやり方がある−その１５− ☆★☆
《 知識を記憶する；１ 》 私が「社楽の会」で活動をしていることは以前紹介しました。「社楽」とは、「音楽」があるなら、社会（科）を楽しむ「社楽」があってもよいじゃないか、という発想で生まれたものです。 逆にいえば、社会科を楽しくないと思っている教師や子どもたちが多いという現実を何とかしよう、という思いが込められています。 確かに、アンケートをとると、社会科は「好き」「きらい」がはっきりしており、「きらい」の原因は「覚えることが多いから」が圧倒的です。 社会科に限らず、漢字や英単語など、丸暗記というのは楽しいものではありません。しかし、覚えなくては前に進まないのも事実です。 ここでは、数回にわたって、楽しく覚える方法を紹介していきます。 ただし、今日は次の大原則を確認しておきたいと思います。 〈 記憶の前提に理解がある 〉 たとえば、歴史で「享保の改革」の全体像を理解すると、そのパーツとしての「徳川吉宗」「公事方御定書」「目安箱」といった用語は記憶しやすいのです。 一方、たとえば無作為に並んだアルファベット「ＦＡＫＥＲＫＪＤＳＦＨＡ」。これを覚えるのは至難の業です。意味づけができないからです。 記憶の前に、まず理解。記憶しておきましょう！ 校長 土 井 謙 次（syaraku@tcp-ip.or.jp） 南風あったかげん記−１２１−
☆★☆ 勉強にはやり方がある−その１４− ☆★☆
《 知識を整理する；４ 》 「ノートは１行おきにとれ！」「ノートはもったいなく使え！」「定規はいつも手元に準備！」 私がよく言ってきた言葉です。 ノートは、後から何回も利用できなければ価値がありません。特に、知識を整理するためのノートは、「見やすいこと」、「後から書き加えることができる」ことが大切です。線は引く時には必ず定規を使用させます。面倒なようですが、結局その方が後で役に立つのです。 よく女の子にいるのですが、カラフルな色を多用することは感心しません。かえってポイントがぼけてしまいます。 さあ、まだ知識が整理できていない人はまとめのノートづくりから始めましょう。まだ遅くはありません。 このシリーズも、次回からは「知識を記憶する」編に入ります。 南風あったかげん記−１２０−
☆★☆ 純正調−２− ☆★☆
台風が日本海へ抜けたようですが、局地的な雨が降るということですので注意が必要です。 さて、周波数１：２の関係がオクターブと述べましたが、２：３という関係になると完全５度になります。220HzのＡ（ラ）に対して、330HzがＥ（ミ）になるのです。さらに、３：４の関係を求めると、「四度」になります。330HzのＥ（ミ）の３：４の関係は、440HzのＡ（ラ）になるわけです。 同様に、220HzのＡ（ラ）４：５の関係が３度上の275 Hz、Ｃ♯になるのです。 ３度や４度、５度は単純な整数比なので、人間の耳には心地よい響きになるのです。 ところがピアノは違います。ピアノは 220HzのＡ（ラ）と 440HzのＡ（ラ）の間を、単純に均等割してあるのです。本来330 Hzであるべき Ｅ（ミ）は329.628 Hz。そして本来 275 Hz であるべき Ｃ♯ は277.183 Hz という高い数字になってしまいます。ピアノは、きれいな和音は出せない仕組みになっているのです。 このピアノのように、単純に均等割している調律を平均律といいます。それに対して、物理的に共鳴する関係が純正調です。合唱や弦楽器は、無意識のうちに純正調で演奏しています。 微妙なのは管楽器です。吹き方によって音程の微妙な修正ができるので、純正調にも対応できるのですが、それなりの練習が必要です。 たとえば、「ドミソ」の和音を響かせる時には、「ミ」の人は、低めに音を出すときれいに響くのです。 というわけで、昨日の練習は「この和音は、誰と誰は低めに吹いて」という内容でした。以前よりはきれいに響くようになったはずです。８日に行われる豊田市民会館で行われる愛知県吹奏楽コンクールの演奏にご期待下さい。 校長 土 井 謙 次（syaraku@tcp-ip.or.jp） 南風あったかげん記−１１９−
☆★☆ 純正調−１− ☆★☆
今日は、４月に南中に来て以来、初めて吹奏楽学部を指導しました。もちろん８日の県大会に向けてです。 これまで、依頼されたものも含めて計２０余の中学校学校吹奏楽団を指導してきましたが、その中で比較しても南中の吹奏楽部はとてもよかったです。何がでしょう？ 反応です。私が言ったことにすぐに反応すること。それは、ある程度力がなければできません。それ以上に、互いの信頼感がなければできないことなのです。このことを一般に、私たちは「素直さ」と表現します。南中吹奏楽部の素直さは見事です。これまでの指導の確かさを実感しました。 今日私が指導したのは「純正調」です。「純正調」ってご存じですか？ ややマニアックな話題ですが、吹奏楽をある程度のレベルで演奏しようと思うと避けて通れない話題ですのでぜひお付き合い下さい。 音は波です。人間の耳には、この波の周波数が、簡単な正数比にある二つの音を「美しい」と判断します。「ハモる」という時がその時です。 チューニング（音合わせ）をするときのA（ラ）音は、通 常442Hzの高さの音を使用します。442Hzとは、１秒間に442回振動することです。振動数が減ると音は低く、増えると高くなります。人間の耳に聞こえる波の範囲は、個人差がありますが、ほぼ20Hzから20000Hz位 だと言われています。 オターブの関係は、この振動数が１：２の関係にあります。A音を442Hzでとれば、オクターブ上のA音は884Hz、オクターブ下のA音は221Hzになるわけです。 例えば、ギターでＥ（ミ）の弦があったなら、その長さを測ってみてください。ちょうど中央の位置を押さえるとオクターブ上のＥ（ミ）の音が出るのです。 物理の世界では当たり前のことかもしれませんが、こうやって聞くとすごいことだと思いませんか？ 明日に続きます。 校長 土 井 謙 次（syaraku@tcp-ip.or.jp） |
岩倉市立南部中学校
〒482-0003 愛知県岩倉市曽野町江毛1 TEL：0587-66-3181 FAX：0587-37-9517 |
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