最新更新日:2021/06/29 | |
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退場ダッシュ!退場の様子で気づいたことです。 競技が終わって退場する際、生徒たちは退場門に向かってダッシュで駆けていくのです。それは指揮者の指示ではなく、「退場してください。」の放送アナウンスに応じた自主的な動きです。きびきびとした行動をとても素晴らしいと思いました。 体育祭:SF(スポーツフェスティバル)開会式競技だけでなく、応援や係の仕事において、仲間と声をかけ合い、力を合わせる姿を期待しています。みんなの力で、よい体育祭を創っていきましょう! みんなで跳んだ◆ 「大縄跳びで、あべちゃんをはずすのはイヤなんです。」 ある中学校の運動会の前日、クラスの一人が柏木先生に言ってきました。 クラスには、身体的な理由で、どうしても跳べない生徒が一人だけいました。(あべちゃんと言います。)最初は一人で練習した彼。跳べませんでした。友だちに特訓を受けましたが、それでも跳べませんでした。 柏木先生は悩んだ末に、あべちゃんに声かけ役(応援係)をやってもらうことにしました。 2年1組は、運動会を2日後に控えた予行練習の時に6分間で123回跳び、優勝間違いなしと思われましたが、柏木先生の心の中には、「本当にこれでよいのか」「一緒に跳ぶことが、平等なのか」「彼をはずしてあげることが、思いやりなのか」という疑問が引っかかっていました。 そんな時、運動会の前日になって、柏木先生のもとに女子生徒がやってきて言った意見が、… 「大縄跳びで、あべちゃんをはずすのはイヤなんです」。 明日が運動会という時、放課後、みんなで話し合うことになりました。 「なぜ、今さらそんなことを言うのか」という声もあがりました。 でも、素直な気持ちでぶつけ合った36人の意見。 「勝てなくなるから、入れない方がいい」…13人 「チームワークが大切だから、一緒にやろう」…12人 さらに、 「後半だけ入ってもらおう」という案が出されました。 柏木先生は、この案を採用しようとしました。けれども、…なんと、半分以上の生徒がこの案に反対したのです。 「全部出ないのよりつらい」 その時、あべちゃんを特訓した生徒がこう言いました。「あべちゃんは、どう思っているのかな。僕はあべちゃんの意見が聞きたい。」 「跳びたくないの?って聞いたら、あべちゃんは跳びたいって。だから、入れたい。」 パチパチと小さな拍手。さらに別な生徒も立ちます。「勝ち負けなんて…」。拍手はクラス中に広がり、さらに大きく確かなものになりました。 「一緒に跳ぼう、あべちゃんと跳ぼう。」と誰もが口ぐちに言っていました。 「本音を聞かせてくれ。みんな、本当にそれでいいのか。」先生は涙声でたずねました。 すると、…クラス全員の手がまっすぐ挙がりました。柏木先生は、一回でも跳べたらみんなで喜べるような試合にしようなと生徒たちに言いました。 そして、運動会。最初は失敗していましたが、次の瞬間、男子生徒に抱えられたあべちゃんがついに跳び、一回成功しました。 さらに奇跡が続きます。次には7回連続して跳べたのです。前半が終了すると、全員があべちゃんのもとに駆け寄りました。 そして、後半戦。ここでも信じられないことが起きました。なんと、あべちゃんが一人で跳び始めたのです。練習では、一度も跳べなかったあべちゃんが、みんなと一緒に跳んでいたのです。 結果は2年生5クラス中、ビリ。それでも、彼は友だちと手を取り合って、そして、一人で…なんと71回も跳べました。彼は、その後、作文にこう書いています。「跳びはねるほど、嬉しいです。今日のぼくは、絶好調でした。」 本番中、心配で心配で、みんなの足元ばかり見ていた先生が、後から、生徒たちが書いた作文を見て、一つだけ知ったことがあります。 「みんな 跳びながら 泣いていました。」 ◆ クラスが一体となり、泣きながら笑い、笑いながら泣いて跳んでいる生徒たちの光景が目に浮かびます。他の人の成功を、自分のことのように喜べる素晴らしい仲間たち。クラスの意義はここにあります。 喜びを共にできる幸せ。その幸せを感じる体育祭になることを願いたいと思います。 9月24日(月)の全校集会「スクラム」平成24年度体育祭スローガン: 『呼びさませ! 祖東魂! 〜仲間を信じろ! 見せろ団結!』。 全校集会は、今週も『力』をテーマに話をしました。 〈要約〉 スクラムを組んで力を出す時、力を出す向きが大事。みんなの力が一つの方向に向けば、強い合力となる。しかし、方向がずれると力が発揮できない。 ※このことを力の合成模型を使って説明しました。 力を方向づけるのは、体育祭にかける一人一人の『思い』。 思いを同じにして力を結集させるために、どんな体育祭にしたいかを学級で話し合い、見事なスクラムを見せてください。 階段踊り場の鏡は何のため?姿見? 安全確認? 身なりチェック? ある本で、教室に向かう教師が「笑顔チェック」に使っているということを知りました。 毛涯先生の「我が教師十戒」のその八は、『教師は「晴明」の心を失うな。ときには、ほっとする笑いと、安堵の気持ちをおこさせる心やりを忘れるな。不機嫌・無愛想は、子どもの心を暗くする』でした。 笑顔は努力して作る。 今日のような天候が悪い日には、特に笑顔に努め「晴明」の心持ちでありたいと思います。 育てる土の乾きやすいプランタ植えのマリーゴールドがこのような状態になってしまいました。暑さだけでなく、学校が始まって(もう大丈夫)という安心感から水やりを怠ったせいもあります。 ノーベル平和賞を受けたマザー・テレサさんの「愛の反対は、無関心です。」という言葉が思い起こされます。関心を持ちつづけ、できる限りのことをすることの大切さを思います。 高校体育祭1の1 秘密兵器「雨?」と思って見上げてみると、頭上の木の枝にホースが渡してあり、ホースの小さな穴から水が霧状に吹き出していました。 愛知万博にもあった暑さ対策の『ミスト』です。 N高校のものはホース1本で作ってあり、生徒たちは「いいアイディア!」と感心してこの下を通り抜けていました。 ホース1本と言えども、穴の大きさ、水量、ホースの先等に工夫が必要だと思います。一手間かけて、こうしたものを生徒たちに提供されていることに感激しました。 高校体育祭1本日、N高校の体育祭を見せていただきました。二日間の文化祭に続いて行われました。「祭」の名の通り、高校生のみなさんが実に明るく、朗らかに、そして楽しそうに躍動していました。 各クラスとも応援にも力が入り、トラックを使った競技には総立ちで声を張り上げていました。とりわけ、男子高校生の野太い声の歌が印象的でした。 まさに、『青春謳歌』。 「人気の種目は何?」と聞いてみると、そこにいる生徒全員が声をそろえて、「応援合戦!」と答えてくれました。1年生から3年生の縦割りで、力を入れて練習したそうです。保護者の皆さんも、応援合戦を楽しみに参観に来られるそうです。 各高校の体育祭はそれぞれに特色があると思います。これから、参観の都度、各校の様子を紹介していきます。 9月10日月曜集会No2◎自分が(されて)うれしいことを人にしよう ●自分が(されて)嫌なことは人にしない ということに心がけましょう。 特に、『されて嫌なこと』には、例えばどういうことがあるでしょうか? 他の人が嫌がっていることに気づかないことがあります。 クラスの中で『されて嫌なこと』を出し合い、「ぼくたちのクラスでは、こういうことはしない!」というルールを作るのもよいでしょう。 力を合わせていく中で、よい友だち関係ができていくことを願っています。 9月10日 月曜集会二学期が一週間が経ちました。 体調がすぐれずに学校を休む生徒が減り、やっと学校の生活リズムに慣れてきたことがうかがえます。 今週から体育祭の練習が本格的に始まります。 クラスの全員で力を合わせて頑張ってほしいという願いを込めて、今朝の集会では始業式の『手を握る話』に続いて次の話をしました。 □「この形(写真左)は何を表していると思いますか?」 □「手を表しています。」 □「手を表すこの形が二つ組み合わさると(写真中央)、ある字ができます。」 □「友という字です(写真右)。」 □「手と手を合わせる。手をさしのべる。手をかす。腕を組む。」 □「そして、友となるという意味です。」 体育祭に向けてみんなで協力する中で、よい友だち関係を作っていってほしいと思います。 よい友だち関係を作っていくのに大切なことは、一学期にも話しましたが…。ー続くー SF(スポーツフェスティバル)に向けて炎天下。暑くて、つらいと思います。でも、どの生徒もだれることなく、先生とクラスのみんなで力を合わせて練習に励んでいました。こうした祖東中生の健気で、ひたむきな姿が本当に嬉しい。 来週から、いろいろな種目の練習が本格的に始まります。 SFに向けた様々な取組を通して、『クラスの中に「絆」が生まれ、その「絆」によってクラスがさらにまとまり強くなっていく』…そうしたステップアップを願ってやみません。 祖東の風だより9月(第5号)ー学校だより:『祖東の風』よりー 生徒昇降口と校長室に「敬・愛・信」と書かれた額が飾られています。 教育には、教える者と教わる者との間に「敬う気持ち(敬)と愛しさ(愛)、信頼・信用(信)」が大切であるということを示しているものです。これなくして教育は成り立ち得ないとも言われます。 今もなお心に残る先生を思い起こす時、当時の思い出とともに先生への敬慕の気持ちが蘇ってきます。 実りの二学期。祖東中学校の日々の教育活動が「敬・愛・信」でいっそう実るように、下の毛涯章平先生の言葉を心にとめていきたいと思います。この『十戒』は、私自身が時々見ては初心に帰り気持ちを引き締めさせてもらっている言葉です。※以前にも本HPでご紹介しました。 「わが教師十戒」 ― 毛涯 章平 ― 一 子どもを、小ばかにするな。教師は無意識のうちに子どもを、目下の者として見てしまう。子どもは、一個の人格として対等である。 二 規則や権威で、子どもを四方からふさいでしまうな。必ず一方を開けてやれ。さもないと、子どもの心が窒息し、枯渇する。 三 近くに来て、自分を取り巻く子たちの、その輪の外にいる子に目を向けてやれ。 四 ほめる言葉も、しかる言葉も、真の「愛語」であれ。愛語は、必ず子どもの心にしみいる。 五 暇をつくって子どもと遊んでやれ。そこに、本当の子どもが見えてくる。 六 成果を急ぐな。裏切られても、なお信じて待て。教育は根くらべである。 七 教師の力以上には、子どもは伸びない。精進を怠るな。 八 教師は「晴明」の心を失うな。ときには、ほっとする笑いと、安堵の気持ちをおこさせる心やりを忘れるな。不機嫌・無愛想は、子どもの心を暗くする。 九 子どもに、素直に謝れる教師であれ。過ちは、こちらにもある。 十 外傷は赤チンで治る。教師の与えた心の傷は、どうやって治すつもりか。 二学期始まる授業後、担任から各学級の子どもたちの様子を聞きました。全校で病気・けが等で3名の欠席がありましたが、みな元気に登校し、久しぶりに会った友だちと楽しく集い会えたことが分かりました。 これから始まる二学期の授業日数は77日。このかけがえのない中学校生活を、次のことに心がけて過ごしてほしいと思います。 ー始業式の話よりー ●「5つのや」で、自分の基礎(体力、気力、知力)づくりに励んでほしい。 ●他の人を支えられる人であってほしい。 ●「にぎりこぶし」のように、一つにまとまって力を出してほしい。 特に3年生には、行事において1年生や2年生に「さすが3年生!」と言わせるぐらいの力を見せてほしい。1年生、2年生は先輩の姿を追いかけて頑張れ。 今日で「夏休み」終わりこのところ晴れたり突然に雨が降り出したりと不安定な天気が続いていますが、生徒のみなさん、体調はどうですか。夏の疲れがたまり、なんとなく調子が出ないという人はいませんか。 明日から9月。1日と2日は土曜日・日曜日なので休みが続き、夏休みのおまけがもらえたような感じがします。二学期は3日の月曜日から始まり、休み明けの学校生活が一週間続くことになります。始まりの一週間を順調に過ごせるように、土曜日・日曜日の二日間で学校生活に合う体調を整えておいてくださいね。 『元気カード』をいただきました。 二学期、みんなで元気よくスタートしましょう! プロの眼で「みる」今、学校の樹木への関心が高まるよう、「樹名札」を付けることを計画しています。そこで、過日、木を扱う仕事をされている元PTA会長のO氏に来ていただいて主な木の名前と特徴を教えてもらいました。 さすがプロ。プロの眼は違います。 みるという漢字は、「見る」「観る」「看る」「視る」「診る」等いろいろとありますが、プロは全ての「みる」で木をみられ、外観から内部の状態や必要な世話についてお話くださいました。愛情をもって「みる」ことの大切さを教わりました。 24日のティーチャーズアカデミーにおいて、教育長より「子どもの姿をよくみること、声を聞くこと」という言葉をうけました。教育現場に携わる者として「見れども、みえず」「聞けども、聞こえず」ということにならないよう心していきたいと思います。 二学期に備える東北地方の県では、二学期が始まった学校もあります。また、愛知県内でも二学期制を取っている市町は、来週後半から後期に入ります。 二学期始業式まで10日ほどありますが、よいスタートができるように生活や学習の準備を進めましょう。 <ポイント> ・生活…起きる時間(学校のある時に合わせていく) ・学習…学期始めのテストに向けた勉強(課題テスト、Sテスト) 祖東中のプレゼント※両先生の心持ちをとても嬉しく思います。ケース内をよく見ると、下段に日本のものらしい花瓶や置物があります。以前の訪問の際に贈ったものなのでしょうか。 本校も、これまでいただいたものを整理し、国際交流や異文化への関心がより高まるようにしたいと思います。 祖東中を見守る像二学期始業式に間に合うように、朝早くから、耐震工事の関係業者の人たちが大変な作業にとりかかってみえます。暑さ、音、粉塵との戦いです。高所での作業が加わり、危険度が増しています。 安全と順調な作業を願うとともに、いろいろな立場の人たちが、明日の祖東中に向けて尽力してくださっていることに感謝したいと思います。 写真は、校舎に向かって設置されている像です。この像も「祖東中応援団」の一人。 瀬戸市小中学校の校章祖東中学のものには、以前にお知らせしたように平和の象徴であるペンの形が示され、よく学び、賢く智恵を働かせて平和な社会を築く大人へと成長する願いが込められています。 ※参考ー校章辞典よりー 『加藤孝一氏と伊藤高義氏の図案によるもので、平和国家としての再出発を象徴するよう、ペンを中央に配し、全体として「中」をあらわしている。(注:横書きで、四文字の校章。これは他に例がない)』 8月15日1945年(昭和20年)、日本はポツダム宣言を受諾し、無条件降伏をして太平洋戦争が終わりました。 多くの尊い命を奪い悲劇をもたらす戦争を繰り返さないように、過去のできごとを知り、平和を守っていかなければなりません。 読み物を紹介します。二年生の国語の教科書に載せられている作品です。 字のないはがき ー向田邦子ー 死んだ父は筆まめな人であった。 私が女学校一年で初めて親元を離れたときも、三日もあけずに手紙をよこした。当時保険会社の支店長をしていたが、一点一画もおろそかにしない大ぶりの筆で、 「向田邦子殿」 と書かれた表書きを初めて見たときは、ひどくびっくりした。父が娘あての手紙に「殿」をつかうのは当然なのだが、つい四、五日前まで、 「おい、邦子!」 と呼び捨てされ、「ばかやろう!」と罵声やげんこつは日常のことであったから、突然の変わりように、こそばゆいような晴れがましいような気分になったのであろう。 文面も、折り目正しい時候のあいさつに始まり、新しい東京の社宅の間取りから、庭の植木の種類まで書いてあった。文中、私を貴女とよび、 「貴女の学力では難しい漢字もあるが、勉強になるからまめに字引を引くように。」という訓戒も添えられていた。 ふんどし一つで家じゅうを歩き回り、大酒を飲み、かんしゃくを起こして母や子供たちに手を上げる父の姿はどこにもなく、威厳と愛情にあふれた非の打ちどころのない父親がそこにあった。 暴君ではあったが、反面照れ性でもあった父は、他人行儀という形でしか十三歳の娘に手紙が書けなかったのであろう。もしかしたら、日ごろ気恥ずかしくて演じられない父親を、手紙の中でやってみたのかもしれない。 手紙は一日に二通来ることもあり、一学期の別居期間にかなりの数になった。私は輪ゴムで束ね、しばらく保存していたのだが、いつとはなしにどこかへいってしまった。父は六十四歳でなくなったから、この手紙のあと、かれこれ三十年付き合ったことになるが、優しい父の姿を見せたのは、この手紙の中だけである。 この手紙もなつかしいが、最も心に残るものをといわれれば、父があて名を書き、妹が「文面」を書いた、あのはがきということになろう。 終戦の年の四月、小学校一年の末の妹が甲府に疎開することになった。すでに前の年の秋、同じ小学校に通っていた上の妹は疎開をしていたが、下の妹はあまりにも幼く不憫だというので、両親が手放さなかったのである。ところが、三月十日の東京大空襲で、家こそ焼け残ったものの命からがらのめに遭い、このまま一家全滅するよりは、と心を決めたらしい。 妹の出発が決まると、暗幕を垂らした暗い電灯の下で、母は当時貴重品になっていたキャラコで肌着を縫って名札を付け、父はおびただしいはがきにきちょうめんな筆で自分あてのあて名を書いた。 「元気な日はマルを書いて、毎日一枚ずつポストに入れなさい」 と言ってきかせた。妹は、まだ字が書けなかった。 あて名だけ書かされたかさ高なはがきの束をリュックサックに入れ、雑炊用のどんぶりを抱えて、妹は遠足にでも行くようにはしゃいで出かけていった。 一週間ほどで、初めてのはがきが着いた。紙いっぱいはみ出すほどの、威勢のいい赤鉛筆の大マルである。付き添って行った人の話では、地元婦人会が赤飯やぼた餅を振る舞って歓迎してくださったとかで、かぼちゃの茎まで食べていた東京に比べれば大マルにちがいなかった。 ところが、次の日からマルは急激に小さくなっていった。情けない黒鉛筆の小マルは、ついにバツに変わった。そのころ、少し離れた所に疎開していた上の妹が、下の妹に会いに行った。 下の妹は、校舎の壁に寄り掛かって梅干しのたねをしゃぶっていたが、姉の姿を見ると、たねをぺっと吐き出して泣いたそうな。 まもなくバツのはがきも来なくなった。三月目に母が迎えに行ったとき、百日ぜきをわずらっていた妹は、しらみだらけの頭で三畳の布団部屋に寝かされていたという。 妹が帰ってくる日、私と弟は家庭菜園のかぼちゃを全部収穫した。小さいのに手をつけるとしかる父も、この日は何も言わなかった。私と弟は、ひと抱えもある大物からてのひらに載るうらなりまで、二十数個のかぼちゃを一列に客間に並べた。これぐらいしか妹を喜ばせる方法がなかったのだ。 夜遅く、出窓で見張っていた弟が、 「帰ってきたよ!」 と叫んだ。 茶の間に座っていた父は、はだしで表へ飛び出した。防火用水桶の前で、やせた妹の肩を抱き、声を上げて泣いた。私は父が、大人の男が声を立てて泣くのを初めて見た。 あれから三十一年。父はなくなり、妹も当時の父に近い年になった。だが、あの字のないはがきは、だれがどこにしまったのかそれともなくなったのか、私は一度も見ていない。 |
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