最新更新日:2024/06/03
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第1ステージ「出会い」 4月5日〜6月2日

自分で判断して決めること

 本気になって物事に取り組んでいると、必ず壁にぶつかります。偉い人の話や道徳の授業では「逆境を乗り越えてこそ立派な人間になる。」ということになっているのですが、凡人にとってはそう簡単にできるものではありません。今こそ根性を発揮すべき時だというのに、急に弱気になり「困った、無理だ、やめよう。」と逃げてしまうことが多いのです。僕はいつもそうでした。傷つきたくないという保身が無意識に頭をもたげてきます。修行が足りない人間は、絶えず邪念と煩悩に翻弄されているのです。
我々の日常生活は、三種類のものごとによって構成されています。1 やらなければならないこと、2 やってはならないこと、そして3 自分で判断して決めることです。1と2については良いのですが、3については決断に至るまで真剣に悩み続けます。最終的には自分の価値観に基づく判断で決定するわけですが、これがなかなか良い結果に結びつくとは限りません。後になって、やっぱり止めておけば良かったなどと後悔することが結構あります。AかBか、攻めか守りかを決断する時、いつも自分の心の中で、ぎりぎりの攻防が繰り広げられているのです。この攻防を征するには修行を積み重ねるしかありません。
映画「男はつらいよ」の中で、人生について考えさせる名セリフがあります。
荒川の土手に座りながら、大学受験に苦しむ満男が寅次郎に問いかけます。
「ねえおじさん、何で勉強なんかしなければいけないんだ。」
寅次郎はこまったように答えます。
「難しいことを聞くな。おれは学問がないから、何かを決めるときはその時の気分とか、風向きとか、出たサイコロの目で決めるしかない。ところが勉強をしたやつは、自分で物事の道理や善し悪しをきちんと判断して、まちがいのないように決めることができる。だから勉強するんじゃないのか。」
自分で判断すること、自分で決断すること。将来、身につけておきたい1番の「生きる力」は、これではなかろうかと思います。

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