最新更新日:2024/09/26 | |
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カウンセラーの窓(光陵だより12月号より)
後ひと月ほどで2011年も終わります。突然降りかかってきた天災により,被災者の方はもちろん,直接的な被害を受けなかった人も震災前と後では明らかに変わってしまった世の中や自分を感じているのではないでしょうか。それは喪失感といってもいいかもしれません。
今回のような大きな災害の時はもちろんですが,私たちは毎日の生活の中でもいろいろなものを失うという経験をしていて,数々の喪失感を味わっているのではないかと思います。 たとえば大切なものをなくしたり,恋人と別れたりもそうですし,若さや美しさを失っていくこともそうでしょう。人はそういう日々感じる喪失感を修復しながら暮らしているともいえるのではないでしょうか。それはおとなだけでなく,子どもたちも同じだと思います。 例えば思春期の子どもは大人の言うことを聞かなかったり,反抗するようになってきますが,それは自分で考え行動できる人間になるための予行演習といえます。その一方で親に甘え,依存する心地よさもなかなか断ち切れず,反抗的な口をきいた後で,親に甘えたり何かをねだったりという正反対のことをしたりします。親から見たらその行動は矛盾だらけなのですが,そこにはこれまで依存していた親から分離すること,つまり親を失うことに対する不安があるのです。そして反発したり,甘えたりをくり返して子どもなりにその喪失感を克服していこうとしていると考えることができるでしょう。 子どもの自分勝手な言動にイライラさせられたり,叱りたくなることも多いと思いますが,このような考え方をおぼえておくと,子どもを理解するのに少しは役に立つように思います。そして格闘の日々が過ぎたある時,少し成長した子どもの姿に気づくこともあるかもしれませんね。 |
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