最新更新日:2024/09/23 | |
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自転車の運転は、十分に気をつけて!
「あの日のあの事故」(平成20年度全国中学生徒優秀作文集より)
「ガンッ!!」 鋭い音がした。自分が何をしたのか、自分がどうなったのか一瞬分からなくなった。馬鹿だ。私は信号無視をしたため、車にはねられたのだ。大きな坂を下るとすぐ信号の道がある。私は自転車で坂を思いっきり下って、そのまま信号が赤にもかかわらず道路を走った。別に大丈夫、そんな気持ちが事故となった。気付いたときにはもう間に合わない。私と車はおもいっきりぶつかった。ぶつかると言ってもネズミとライオンのぶつかりあいだ。そんなのネズミが負けるに決まっている。私はもちろんはねとばされた。 「大丈夫!?どっ、どこを打ったんだい?!」 車を運転していたおじいさんはすぐに私に駆けつけてくれた。運が良かったのか、車に直接ぶつかったのは自転車。私はぶつかった衝撃で飛んで道路に倒れただけだ。多少頭を打ったけれど、たんこぶ一つできたぐらいだ。私はすぐ立ち上がった。 「大丈夫です。平気です。すっ、すいません。」 私は必死でおじいさんに謝った。 「あぁ本当に悪いことをした。一回病院で見てもらおう。本当に申し訳ない・・・。」 おじいさんはそう言ってどうしていいのか分からないパニック状態だった。その後、すぐ周りの見ていた人が救急車を呼んで、私は近くの病院に運ばれた。いろいろ検査をしたが、異常はなかった。検査の間に家に電話をして父が病院に来てくれた。父もおじいさんも私に異常が無いと聞き安心した。 「本当にごめんね。どう詫びていいのか・・・。」 おじいさんは私に何度も謝った。私と父はこっちが悪いのだから、と何度も言った。次の日警察署に行って話をして結果的におじいさんは三ヶ月運転免許を没収される事になってしまった。私は罪悪感でいっぱいだった。私が信号無視をして、おじいさんは悪くないのに・・・。私はなんて馬鹿な事をしたんだ・・・私はなんて馬鹿なんだ。そんな思いで胸が張り裂けそうだった。おじいさんごめんなさい。本当にごめんなさい。 あれから二年ほど月日が流れた。私はあの道を通るといつもあの日のことを思い出す。今、おじいさんはどうしているのだろう。もしかしたらあの事故が原因で運転するのをやめてしまったのかもしれない。私はあの事故を一生忘れない。一生忘れられない。そして私はもう信号無視なんて二度としない。二度とあんな過ちをしない。そう心に誓った。 埼玉県の中3女生徒の作文より |
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