最新更新日:2024/05/10
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校訓「正しく 明るく 健やかに」

国語の授業から

 2年生の国語の授業を見せてもらいました。
 この日はパネルディスカッションで,テーマは「中学校の部活動で,朝練をやるべきかどうか」。
 全員が,生徒,保護者,教員のそれぞれの立場で賛成と反対に分かれており,従って,立場は6種類。パネリストはそれぞれの立場から1名ずつの6名。そして,司会と計時役が1名ずつ。司会の発声でパネリストの意見発表から始まりました。話し合いの場面で,先生は,必要に応じて司会に指示を出していました。
 賛成の主な意見は,「練習時間が増える。特に冬場」「技術や体力が向上する」「早起きできるため,生活のリズムが良くなる」「健康に良い」「保護者も仕事に遅れない」「授業の取り組みが良くなる」「短時間で効率よくできる習慣がつく」。
 反対の主な意見は,「睡眠時間が不足する」「疲れる」「起きたばかりで集中できない」「早起きのため,朝食が早くなってしまう」「冬暗くて危険」「顧問として家が遠いと大変」「教員の勤務時間外」。
 生徒や保護者,教員,それぞれの立場で考えていることがよく分かります。
 次に,発表された意見に対する質問や意見を発言する時間。ここからは,パネリスト以外の生徒(フロアと呼んでいた)も発言OK。
 初めは,教員の勤務時間に関する話題。「勤務時間外だが,先生たちは分かってやっている」「教員にとって損ではなく,部員をうまくさせたいのでOK」「朝練は先生たちの意思。残業は関係ない」といったように,肯定的な発言ばかり。
 次に睡眠時間に関わって,塾についての話題になりました。「塾や習い事をしている人は忙しくて早く寝ることは難しい」「塾よりも学校を優先すべき。塾をやめればいい」「塾は補うもの」「学校で授業について行けないので塾に行く。午後練があるから朝練は不要」「学校で勉強が分からないとき,塾へ行く前に他の人に聞けばいい」。睡眠時間と塾との関わりの話だったのに,いつの間にか塾の是非についての議論になってしまいました。この辺りは司会による制御が必要ですが,やはり難しいようです。ただ,「話題がずれてない?」というつぶやきがフロアから聞こえてきたので,気づいている生徒はいるようです。
 続いて,朝練は疲れるかどうかの話題になりました。「朝練は疲れない。授業を気持ちよく受けられる」「個人差があってどちらとも言えない」「朝練をやっても眠くはない。習慣にすればいい」「朝練は同じメニューではないので慣れない」など,様々な意見が出されました。自分を基準としての発言が多いので,いろいろ出るのだと思います。「個人差」で片付いてしまうかも知れません。
 最後は,生活リズム,授業中の居眠り,自宅と学校との距離についての話題が出て終了しました。
 授業の終わりに,先生の指示によって,聞くことと話すことについての自己評価をプリントに記入しました。そして,先生は,次回はこの授業の振り返りをしようと投げかけ,今日の内容を忘れないように,プリントに記入しておくように指示をして授業を終えました。
 この授業の目標は,「友達の意見を聞いて,自分の考えを広げよう」です。話し合いは,意見がとぎれることなく,次々に出されました。時間がどれだけあっても足りないぐらいでした。そういった意味では,目標を達成できる環境は十分であったように思います。新たな視点に気づくなど,初めに持っていた自分の考えが,どのように広がったのかは,生徒の感想を待つ必要があるでしょう。楽しみなところです。
 話し合いの軌道修正や深化を,司会の生徒にゆだねるのはやはり難しいと思いました。この授業のように,先生がその都度司会に指示を出すのは有効です。また,先生が司会をしてしまう,あるいは見本を示してから生徒に任せるのも一つの手だと思います。
 以前,物語文を最初に読んだときの感想を,付箋紙に全員書かせ,それを一覧にして印刷,配付し,それをもとに読みを深める授業を見たことがあります。他者の意見に触れることは,学び合いの出発点です。時間の節約や,全員の意見を知る上で,これは有効な手法と言えます。また,国語以外でも使えるように思います。
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