最新更新日:2024/09/24 | |
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自分自身は知っている
今日の集会では,誰も見ていない状況で,良心に基づいて行動することの大切さについて話をしました。
今月の初めに節分と立春を迎え,暦の上ではもうすでに春となりました。まだまだ寒い日が続きますが,日差しの中には何となく柔らかいものを感じます。少しずつではありますが,確実に春が近づいているようです。 さて,少し前のことですが,ジュースなどの自動販売機を管理している人から,品野中生が,自販機に残っていたお釣りを届けてくれたという,嬉しい話を聞きました。ちょっと想像してみてください。下校中,ふと自販機を見るとお釣りが残っています。周りには誰もいません。こんなとき,あなたならどうしますか? 自販機に書かれてある連絡先をわざわざ調べ,残っていたお釣りを届けるのはなかなかできることではありません。連絡をくださった方は,こんな行動に対して大いに感激されたのだと思います。 山に登ると小屋の近くにトイレが設置されていることがありますが,よく見ると100円を入れる箱が置いてあります。これは,トイレを清潔に管理するための協力金として利用者から集めるための箱です。利用者が100円を入れるかどうかを見張っている人はいません。しかし,私の知る限り,利用する誰もがお金を入れていました。 これら二つの状況に共通していることは,お金をどうするかの判断はその人に任されていることと,その場面を見ている人はいない,ということです。自販機に残ったお釣りを持って行ってしまっても誰も見ていません。トイレの協力金を入れなくても誰も見ていません。しかし,誰も見ていなくても,この広い世界でたった一人だけ知っている人がいます。そう,自分自身です。自分だけは知っているのです。 品野中の生徒玄関や学年のフロアに置いてある文庫本を借りる仕組みも,お金こそかかりませんが,同じようなことが言えます。この仕組みがこれまで続けられてきたのは,生徒の皆さんがルールとマナーをきちんと守り,本の紛失といったことがなかったからです。私はこのことを品野中の誇りだと思っています。しかし,最近ノートに記載されることなく本を借りてしまうことがよく見られます。おそらく,ついうっかりだとは思いますが,本が紛失しています。これは本当に残念なことです。 注意されるから,しかられるから行うのではなく,自分の良心に基づいて正しく判断して行動する。これは難しいことかも知れませんが,互いに気持ちよく生活する上で,とても大切なことです。よくよく考えてみると,自分の判断に基づいて行動する場面はいくらでもあります。そんな場面に出合ったときには,どのように行動すべきなのかを,ちょっと立ち止まって考えてみてください。みんながそのように心がけることによって,よりよい学校,よりよい社会が作られていくはずです。 |
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