最新更新日:2024/05/11
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校訓「正しく 明るく 健やかに」

不滅の法灯(ほうとう)

 今日の集会での講話は,比叡山延暦寺の「不滅の法灯」の話をしました。

 昨年の冬,比叡山延暦寺に行ってきました。比叡山は京都と滋賀の県境にある標高848mの山です。品野中から見える猿投山は標高が629mですから,猿投山よりも一回り大きな山という感じです。比叡山の各所に寺の様々な建造物があり,山全体が境内となっています。
 延暦寺は西暦788年に最澄が開いた寺ですが,ここで,親鸞や法然など何人もの有名な僧が修行をし,巣立っていっています。ですから,比叡山は日本仏教の母山とも言われています。
 比叡山延暦寺には,「不滅の法灯」と言われる小さな火が,1200年以上も途絶えることなく今も燃え続けています。これは,最澄が自らの手で彫った薬師如来に灯火を捧げたのが由来とされています。この灯火に,最澄は歌を詠み,この光に,後の世まで永遠に照らして欲しいと思いを込めたようです。
 実はこの灯火,信長が寺を焼き討ちにしたときに一度消えています。しかし,山形の「立石寺」という山寺に分灯されていたものを分けることによって,再び最澄の灯火を復活させています。
 1200年という気の遠くなるような長い間,決して消えることのないように毎日菜種油を注ぎ足し,火を守り続けている僧たちの緊張感と苦労を思うと,頭の下がる思いがします。「すごい」としか言いようがありません。一つのことを脈々と成し遂げていくためには,決して気を抜くことなく,緊張感を持って当たらなければなりません。延暦寺の僧たちは,こんな心構えで毎日油を注ぎ足しているのでしょう。気を緩めて油を注ぎ忘れ,油が切れてしまうと,1200年以上も続いていた灯火が途切れてしまいます。
 「油断」という言葉があります。気を抜いて注意を怠ることです。まさに僧たちは「油断」することなく毎日油を注ぎ続けているのでしょう。
 1200年以上も灯火が途絶えることなく現在まで燃え続けている事実を思うと,火を灯した最澄の思いまでが現在まで受け継がれているように感じます。
 先日,品野中学校では,「新入生を迎える会」を行いました。とても素晴らしい会で,随所に工夫が凝らされ,2・3年生の,新入生を温かく迎えようという思いがしっかり伝わってきました。また,創造力,企画力,行動力などの様々な力を感じました。
 2・3年生は,それぞれ1年前,2年前,新入生として品野中学校に入ってきました。そのときにも「新入生を迎える会」で上級生たちに温かく迎えてもらったはずです。そのときの経験が,先日の会となったと思います。これが,「思い」や「力」を受け継ぐ,ということです。そして,このことが品野中学校の歴史と伝統を作っていきます。これから始まる1年の間に,品野中学校の歴史と伝統を作っていく機会が何度もあります。よいものをきちんと受け継ぎながら,新しい歴史も作っていって欲しいと思っています。
 「新入生を迎える会」を見ながら,延暦寺の「不滅の法灯」を思い出していました。
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